雨月物語 癇癖談(くせものがたり) 上田秋成 を読む
内田樹さんが、聖なるもの、霊性を重んじることに、日本の特色があり、小説におけるその祖は上田秋成ではないか?というようなことを言っておられたので、新潮古典集成『雨月物語癇癖談(くせものがたり)』を読んでみた。「雨月物語」は哀切、信義、愛欲、怨念、憤怒を含んだ怪異譚、でも、どのお話も読んだあとに切なさが残る。「癇癖談」は、随筆というか、徒然草みたいなエッセーだった。雨月物語は、有名な「浅茅が宿」がやはり一番切なく悲しい。「蛇性の婬」は蛇の化身に見初められ、とり殺されそうになる話。逃げても逃げても逃げられない。恐ろしい話だ。「夢応の鯉魚」は、ある僧が、夢の中で経験したことが、実は現実に起きていたことだった、という話。夢で、大魚となって遊ぶうちに漁師に釣られてしまい、調理人に殺されそうになったところで目が覚める。...雨月物語癇癖談(くせものがたり)上田秋成を読む
2024/07/20 14:43