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2009/07/11

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  • 17話「エピロオグ」

    鬱ノ宮高校の悲劇 第17話「エピロオグ」 鬱ノ宮高校新聞部の部室。 こういう場所は15年経っても意外と変化しないものだ。 記念式典が終わって、 そこを訪れたのは現理事長と現教頭。 元新聞部部長の小沢七雲と、 新聞部と敵対していた元風紀委員長、右田翼だ。 「入れ」 尊大な女子の声。 …

  • 16話「嘘をつかない仕事はやっぱりいい」

    鬱ノ宮高校の悲劇 第16話「嘘をつかない仕事はやっぱりいい」 「理事長!」 スーツ姿の30歳前後の若者が駆けて来て言った。 「式典の準備ががもうすぐ整うぞ!」 石碑の前にしゃがみこんでいた、 理事長と言われた人物が振り返る。 「わかりました。右田教頭先生」 赤い髪の、やはり30くらいの女性。 髪型は少し変わったが、 童顔は高校生…

  • 15話「制御下でしか制御できない」

    鬱ノ宮高校の悲劇 第15話「制御下でしか制御できない」 ジリリリリリリリ 遠くでは民井理事長が携帯電話に叫んでいる。 「そうだ! USA高校に大至急救援を頼め! そうだ! もう意地を張ってる場合じゃない! あ、あとEU学園猿故事分校にも連絡を!」 民井教頭も指示に必死だ。 「そうです! USSR高校に支援要請を! チェルノブ○リでは…

  • 14話「どうしてそんなことに」

    鬱ノ宮高校の悲劇 第14話「どうしてそんなことに」 「仕方がない。私が行こう」 まず滅多に部室の外に出ない緑子も、 この時は校庭にいた。 ジリリリリリリリリリリ 非常ベルは鳴りっ放し。 生徒も教職員も校庭で右往左往している。 「えっ? 大丈夫なの?緑子ちゃん。 不死だから平気なの?」 七雲がベルに負けないよう大声で尋ねる。 「平気…

  • 13話「死にに行けと言ってるのと同じ」

    鬱ノ宮高校の悲劇 第13話「死にに行けと言ってるのと同じ」 ジリリリリリリリリリ 朝から鬱高校舎内に非常ベルが鳴り響く。 「容器内、温度圧力ともに上昇!」 「燃料棒露出、損傷拡大!」 「溶融、再臨界の可能性はないのかッ」 「弁を開いて○○性ガスを放出します!」 「使用済○○○プール付近から煙が!」 「水素爆発でコンクリート製の囲いが吹っ…

  • 12話「それぞれの前夜」

    鬱ノ宮高校の悲劇 第18話「それぞれの前夜」 右田核栄とその実子翼。 畳敷きの広い道場に正坐して向き合っている。 「未来や子孫のための政治…だと?」 「御意ッ」翼は両手をついたまま答える。 「ふふん。…よぉく聞け、翼。 ワシは戦前の生まれだ」 「はッ」 「当時の大人どもがワシらに…

  • 11話「俺のせいにされてたまるか」

    鬱ノ宮高校の悲劇 第11話「俺のせいにされてたまるか」 密室に男が2人。 そのうちの背の低いほう、民井幸教頭が言う。 「兄さん。逃げ腰の逃電に任せきりではなく、 理事長や教頭が指揮をとるべき、 という声があがってるんですが…」

  • 10話「自分の痛み他者の痛み」

    鬱ノ宮高校の悲劇 第10話「自分の痛み他者の痛み」 「前に廊下で怒鳴っているのを聞いたんじゃが」 そう前置きして緑子は言う。

  • 9話「再会」

    鬱ノ宮高校の悲劇 第9話「再会」 渡り廊下の展示用フリースペース。 新聞部長小沢七雲と鬱高風紀委員会が、 壁新聞を前に押し問答をしている。 「その批判めいた紙切れをはがせ」 そう言ったのは風紀委員長、右田翼。 「今は鬱高生が一致団結して国難に対処すべき時だ」 普段は能天気な七雲も、 コワモテな男どもに囲まれてさすがに顔色が青い。 …

  • 「批判はやめろという批判」

    鬱ノ宮高校の悲劇 第8話「批判はやめろという批判」 新聞部部室。 部長の七雲が大きな紙を広げて、 壁新聞を製作中だ。 「おい。もっと何というか…ホームページとかフェイスブックとか、 そういう現代的な発信手段はないのか」 緑色の髪の不死の少女、緑子があきれたように言う。 「今どき壁新聞って…」 七雲が顔を上げる。 「うるさいゾ、緑子ちん…

  • 「鬱高風紀委員会」

    鬱ノ宮高校の悲劇 第7話「鬱高風紀委員会」 どことなく新撰組を思わせる水色と白の旗。 中央にくっきり浮かぶ一文字は「誠」、 …ではなく「風」。 泣く子も黙る鬱高風紀委員会の市中見回りだ。 学校指定のブレザーではない、特注の紫紺の学ラン。 左腕の腕章にはやはり「風」の一文字。 列の先…

  • 「八百万の神々に感謝を」

    鬱ノ宮高校の悲劇 第6話「八百万の神々に感謝を」 化学室の発電施設から○○○漏れが止まらない。 一方、ここは夜の料亭。 化学の主任逃田は太った老人と差し向かいに座っていた。 「右田理事長~。 お願いします~。 助けてくださいよぉ~」 鬱ノ宮高校で長らく絶大な権力を握っていた、 前理事長右田核栄。 そのテラテラ脂の沁み出た顔は下野した…

  • 「右田 核栄」

    鬱ノ宮高校の悲劇 第5話「右田 核栄」

  • 「人の噂も75日」

    不二原 緑子 (ふじわらの みどりこ) 鬱ノ宮高校の2年生で新聞部員…

  • 「今後の推移を見極めつつ」

    鬱ノ宮高校の悲劇 第3話「今後の推移を見極めつつ」 地震から×日目の朝礼。 毎朝、教頭の民井弟が日課の報告を行う。 黒地に白字で「鬱」と抜いてある校旗に深々と一礼すると、 小太りの体躯が壇上をトコトコ駆け上がった。 地震以来、青いジャンパーを着たまんまだ。 生徒たちは秘かに青カ…

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