勘三郎、團十郎の死に考える
歌舞伎ファンにとって勘三郎、團十郎の死は驚き以上に悲しい。これは新歌舞伎座建設に絡んだ人身御供にちがいない。突拍子もない独り善がりな考えに辿り着いた。かの有名なトロイ戦争、ギリシアの総大将アガメムノンがタウリスの港で我が娘イピゲネイアを神に捧げて、ようやくトロイへ船出した。10年後、ギリシアはトロイを滅亡させ、武将らはそれぞれ帰郷するが…枝から枝へ物語りが繋がれていく。気の遠くなるような遠い過去の神話、伝承、悲劇。ぐぐっと胸えぐられるような迫力。松竹は吉田五十八の歌舞伎座を老朽化と言って簡単に壊した…。歌舞伎座取壊しの際、歌舞伎役者と建物を護り続けていた地霊・歌舞伎の神は怒ったのかも知れない。祈りも足りなかったのかも知れない。怒りの神は何人もの役者の命を犠牲に要求したのか。歌舞伎界の船出は、このような重たい犠牲...勘三郎、團十郎の死に考える
2013/02/07 14:08