なぜ戦争が起きてしまうのか

なぜ戦争が起きてしまうのか

みにくい悲惨な戦争がつづいています。『戦争はなぜ起こるのか』(佐藤忠男著ポプラ社)を読んでみました。2001年発行。著者は昨年、鬼籍にお入りの方ですが本書は今日的にも通用する内容です。少年少女用に書かれ全文にルビが振られていて読みやすい。図書館にはずっと置いていただきみんなに読んでもらいたい本でした。「戦争は人間の本能か」の章で、コンラード・ローレンツ=動画参照=というオーストリアの動物学者の研究が紹介されている。ダマジカ(鹿)のケンカを例に、角をぶっつけて力比べはするが、相手を殺すことはない。犬でも同じ。同じ動物同士では仲間を殺すことはない。それは動物には「歯止めのシステムの本能」が働いているからだ。確かに負けたほうは、命を落とすまで歯向かうことなく降参する。異なった動物の間では、弱いほうが獲物となって...なぜ戦争が起きてしまうのか