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あの子が、いる。正確にはあの子によく似た、あの子がいる。ずっと昨日のつづきをぼんやりと過ごしてきたけれど、最近では昨日のことすらよく覚えていない。常に進んでいて、あたしは前しか見る余裕がないから良くも悪くも過去を反芻することをしなくなった。
恋人は眠っている。たぶんとてもよく。うるさい電話の着信にも気づかないほど。おにーさんに、わたしが大切にしていたあのリングをあげた。本当に、ほんとうに好きだと、今まで会った誰よりも一番好きだと言ってくれたから。そんなことを言われてもその気持ち
コンビニへ行く途中、道ばたに紫陽花が咲いているのを見つけた。辺りも暗くなるころ小雨が降りだしていて如何にもイメージ通りで「ああ 紫陽花だなあ…」と思った。6月の花だと思っていたけど8月に咲くんだなあ。あっという間に時間は経って
むかし聡子が「待ちぼうけ」という曲を口ずさんでいたのを思い出した。音楽の時間に習ったのだという。クラスの違ったあたしは知らないけれど。あたしは他人から どこまでも逃げ続けるのだと思う。いつか言っていた、逃げて逃げて 逃げ続けた先
リンク一件追加。裏日記。まあ晴れた。今日は遊びに行ってきます。
最近はチャラの「Duca」ばかり聴いている。危ないから曲を聴きながら歩くなといつか叱られたけれど、あたしの赤いイヤホンは音が悪いのであまり音量は大きくしません。雨がふったりやんだり。ほんのり日焼けしたような気がする。レターセッ
生理前で立ちくらみがひどい。実際に太ったのか生理前でむくんでいるのか分からないけれど体重が2キロ増加している。これはやばい。むくみであってほしいけれど、とりあえず7月に入ったらダイエットをまた始めなければ。の前に生理が遅れてい
ここ1週間、環境の変化が辛すぎて自分の最悪な状況しか考えていなかった。「もしもだめだったら」、あの保険のこと。おとといは久しぶりに過呼吸がでて部屋でひとりパニックになった。昨夜はフラフラ歩いて公園でタバコを吸って息抜きしたり。
「本当にあんたは分かりやすいよね」と言われてしまった。むかしから一番初めにあたしがSOSを出すのは聡子だった。最も複雑な、ねちっこいドロドロしたネガティブな部分を聡子はよく分からないと知りながらも、どこかで聞いたことのあるような
まえに、せんせいに過保護と過干渉はちがうのだと言われたことを思い出した。うちは立派な後者だ。最近モヤモヤしている原因はそれかもしれない。あたしはACなのだ。そのことを母は知らない。遊びに行くと面倒になるから、中学のころは部屋に引
7年前のちょうど今の時期に貰った香水がでてきた。においってダメだ。あのころが一瞬でよみがえる。捨てるはずがまた思い出している自分が莫迦らしい。中学のころ授業中に交換していた聡子からの手紙はこの先もずっととっておく。わたしが書いた
目が覚めてからどうも調子がよくない。雨だからだろうか。ブランケットにくるまってこれを書いている。がらりと環境がかわる。引っ越しを機に思い出は捨ててしまおうと考えていた。そうすれば篭る理由もなくなるのだ。環境の変化に適応できるだろ
きっともうすぐ誰もいなくなるのさそしたらぼくは 寝転がって 見上げちゃって声にはださずに名前を呼ぶんだまるで呪文みたいだね 煌いているような可愛いもんでもないけどさまぶたの裏の篝火で 照れくさそうに笑うならぼくは何度だって 見る
気持ちがないならいい顔をしてはだめだ。お互いそうなんでしょ。責めることも責められることもできない。本当は誰でもいいはずなのだ。あたしもあなたも。誰もいないからって持て余している空白を埋めるだけの存在にはなりたくないの。あの彼と
微かな期待が浮かぶとすぐに打ち消す。あたしは一人でなんでも消化してしまうタイプだし、一人でいた時間のほうが長いから、今更だれかに頼る気もない。それでも未だに夜にカエルの鳴き声を聞いたり夏のようなにおいが漂うとさびしくて。今年の夏
今年の2月くらいまでほんとうに全くと言っていいほど外へ出ていなかったこと、あの人は知らないんだよね。人が嫌いだったことも言っていない。知らないことだらけなのはお互い様だけど、知らなくてもいいと思ってしまう。知ってしまうことが怖い
自分は覚えていない人が自分を覚えていてくれるとなんだか不思議な気持ちになる。あたしの名前が誰かの記憶にあったことがなんだか嬉しかった。むかしのあたしは「音楽が好きで気の強い女の子」というイメージだったらしい。確かに悪
列車に乗って30分。懐かしい景色が広がる町を友人と歩いてきた。高校のころよく行ったマイナーなコンビニもまだあるし、その店長のおじさんとおばさんもいた。相変わらず店内ではあたしが通っていた高校の生徒がテーブルを囲んでなんか食べてる。大した変
5年の歳月で自信なんてものは底をついてる。だから土壇場になればある程度、開き直れる。そこに到達するまでが大変だけど。携帯電話のむこうで聡子が泣いていた。慰めながらも、最近、泣いていないなあと思ってちょっとだけうらやましくなった。
ずっと雨が降っている。ほんの少しの微熱がつづいて夕べから頭が痛い。ジンジャーエールを久しぶりに飲んだ。真夜中に少しだけ窓をあけて外を眺める。屋根にあたって跳ねかえる雨の音。濡れた土や草のにおい。吐く息はしろい。シロッ
バスに乗ると必ず窓の外をながめている。自転車を漕いでどこかへ行く人、ベビーカーを押して散歩をする親子。平日の午前は自分と同じような年齢の人はほとんどいなくなる。あたしを目的地まで乗せて走るバスのなかでぼんやりと、歩道
あたしがあのころ時々してたたとえ話が、全部たとえ話なんかじゃなかったらどうしてた？左腕の傷痕もだんだん薄れていっている気がする。過去は過去のまんまいつか忘れていく。あの頃は揺るぎなかった言葉も、撤回されて大人になっていく。囚われ
どんなに淋しくても望んだ日常が手に入ったとしても、やっぱり考える時間はほしいなと思う。あたしは1日のすべてを誰かと共有できるタイプではないということ。誰かといる時間をいとしいと思えるのは一人でいる時間があってこそだということ。淋しいと思える
疲れている。疲れきっている。サイテーな言葉しか思い浮かばない。書きかけの小説もぜんぜん先へすすまない。待っていると言ってくれた人を待たせたまま、なにもかも中途半端なままだ。あのジンクスは案外あてになる。あとはあたしの気持ちの問題だけど流れに
恋愛とかそういうので誰かを好きになるとか今は考えられないしする気もない。こんなこと言ってもある日とつぜん恋に落ちることもあるかもしれないけれど。恋愛、今はいいや。ちょっと前まで真面目な恋をするんだって燃えていたけれど燃えつきた。
あたしは人見知りなんかじゃないんじゃないかと錯覚する。土壇場になるとまったく別人の自分になるのは元来それがほんとうのあたしだから。けれどそれを持続するのは今のあたしにはしんどい。そのあたしを勘違いされて一定で求められると逃げてしまいたくなる
雷が鳴るとわたしはいつもこわがる。落ちるかもしれないと不安になるから。「今まで落ちたことないんだから落ちるわけないでしょ」姉はそういって笑う。けれど今までがそうだったからといって今回もそうとは限らない。福耳で耳たぶの厚いわたしは
あまりにも幸せな夢をみて目が覚める。覚めてその夢を反芻すると戻りたくなってもう一度眠った。普段だったら夢のつづきなんて見られないのに今日は不思議と見れた。次に目が覚めたのはお昼まえだった。カーテンを透かして明るい光が射し込む静か
心配性の両親はその子が高校生になっても夜に遊びに行かせるのをいやがった。だからその子は家族が寝静まった深夜にこっそり家を抜けだしていたんだって。物音をたてないよう階段を下りて靴を履く。玄関の鍵をあけてドアからでたときのうれしさは
この場所に呼んだり写真で撮ってしまえば簡単なのだろうと思うけれどたとえばわたしの家から見えるこの景色をあなたに見せたいと思ったらどれだけの文字数が必要なのかと考える。春がぐんと近くなった今日に降る雪はなんだか桜の花びらみたいに見
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