三笠の山にいでし月かも
三週間の間をおいてようやく別れた恋人から便りが届く。まぁ元気で何より。 誕生日などほんとはどうでもいいことなのだけれど、長年恒例のように連絡を取り続けているのは彼だけであるし、別れた恋人とはいえ別に今は恋人ではないし、今更どうこうしようといったしがらみも気負いもないし、あの頃の親子のような歳の差カップルも今やオッサンとジジイ。あと何十年もすればそれこそどちらが年上なのかわからなくなるかもしれない。こうして便りをやり取りしてはいるけれど、おそらくは二度と逢うこともないかもだ。私の記憶では彼はいつまでも可愛い男の子で、彼にとってはおバカなエロオヤジだ。若かりし頃の憧憬を抱きながら死ねる方が幸せかも…
2025/05/30 20:19