間宮林蔵/吉村昭
『間宮林蔵』を読んだよ。伊能忠敬の次世代。間宮林蔵といえば間宮海峡と日本史か地理で習ったはず。でも、それだけ。間宮海峡がどこにあるのか、それが地理的、歴史的、社会的にどういう意味を持つのかということは、まったく知らずに。あっ、地理的には分かっているつもりだったけど。で、本書はその間宮林蔵の生涯を描く歴史小説。小説ではあるけれども、吉村昭氏が史料に基づいて、さらに解釈と想像を加えて書かれているよ。形式的にはっきり分かれているわけではないけれども、構成的には二部構成という感じ。前半は樺太探査の話。後半はその後の隠密活動といったところか。林蔵の活動もガラリと変わるし、最後の方は考え方も変わってくる。…
2021/03/27 22:50