キュートな妹カシスと美しき姉ジャスミンがおバカトークで繰り広げる、軽妙知的なうろ覚えワールド
高校の少林寺拳法部以来、10年ぶりの再会を果たしたジャスミンとスマイル。初恋の相手に気持ちが再び傾きつつも、親友でありかつての恋のライバル、山木リンダに会うことにしたジャスミン・・・ 一方カシスは勤め先の会社ぐるみでドッキリを仕掛けられ、熱烈アタックを受けていた後輩バジルが実はナルシストではないことが発覚し、ショックを受けるのだが・・・
「で、アナモグラって何のこと? あ、分かった。穴にモグラがいるのは当たり前のこと、転じて誰もが知ってる当然の事実、つまり常識的であることを指す慣用句ね。使い方としては『お前さ〜そんなの社会人ならアナモグラだろ?』とか『ホンっとアッタマ来ちゃう! あんなにアナモグラの欠片もない人だなんて思いもしなかったわ!』とかとか」 「やあねえ違うわよ。穴モグラじゃなくってアナグラム。文字を入れ替えると別の…
「なあバジル、本当にこれで大丈夫か? とても堅気の人間には見えんのだが」 「だはっは大丈夫ですよっほっほ」 「お前今笑っただろ」 「笑ってなんかいませんちょっとムセただけです。それに短パンタンクトップに比べれば何着たってマシですって」 「マシとは何だマシとは。でもまあ結婚式場だからな。フォーマルなものしかないから贅沢は言えんか」 「あとはその頭か」 「頭? いくらなんでも髪はい…
「行くぞバジル、そろそろ時間だ」 「……」 「何だどうしたその冷ややかな視線は。早く服を着ろ」 「は〜あ、なーにが『重大なミッション』だか。結局ジャスミンさんに会いたいだけなんじゃないですか」 「ああそうだとも」 「開き直ったよ……全く、カシスさんの言うとおりですよ」 「何のことだ?」 「ジャスミンさんに会いたいんなら直接会いに行けば済むことじゃないですか。それをこんな誘拐…
「ずどどどどうするどうする!? この猫ビデオに撮ってユーチューブにアップする!?」 「意外と余裕あるじゃない……どうするもこうするも、とりあえず次の発言を待ちましょう」 『カシス、俺だ。忘れたのか?』 「忘れたも何も今さっき会ったばっかだしあんた猫だし」 『自分の恋人の顔を忘れるとは情けないぞ』 「え!? じゃああんたやっぱりバジルなの!?」 『そうだ。俺はバジルだ』…
私じゃないわよってあたしじゃないんだからアンタに決まってんでしょ
「何を隠してるんだ! 吐きやがれ! このこの……」 「や……やめんか! 腕を雑巾絞りするんじゃない! 地味に痛いだろうが! まったく鬱陶しい。別に何も隠してなんかいないわよ。だってこれ、立派な誘拐事件でしょ?」 「そうだよ! 事件なんだから早速警察に連絡するんじゃないか!」 「そんな早まったことして犯人に知れたらネコ娘の神経逆撫でよ? そしたらそれこそバジルさんの命が危ないわよ」 「んな…
「いやぁぁああぁぁああ……あー? あれ?」 「ちょっとーカシス何叫んでんのよ。特筆するような点はどこにも見られませんが?」 「じゃ、ジャスミンが脅かすからだろ。それにこういうときは叫んだ方が盛り上がるし……お、モンプチ発見」 「モンプチってイッセー尾形さんがCMしてたやつ?」 「そりゃモンカフェだろ。待て待て今開けてやるからガッつくなって……よっと、ほれ、食え」 「『猫まっしぐら…
コンコン 「お、きたきた」 「ちょちょちょっとスマイルさん!」 「?」 「? じゃなーい! 服服! 素っ裸でドア開けないで下さいよ!」 「え、別にいいんじゃないか? ホテルなんだし」 「理由になってなーい。ルームサービス持ってきたのが女の人だったらどうするんですか! 軽〜く犯罪ですよ?」 「どうもしない。俺の筋肉に惚れ惚れすることだろう」 「なんか本物のナルシスとになりつ…
朝の5時にドレッドヘアにサングラスにヒゲ面のタンクトップ短パンマッチョが押しかけてきた
「いい加減にしてくださいよ!」 「……」 「いつまでそうやって黙りこんでる気ですか!?」 「……」 「ちょっとスマイルさん!!」 「……許せバジル。仕方なかったんだ」 「何がどう仕方ないのかちゃんと説明してください。それと何でオレを裸にしてベッドに縛り付ける必要があるんですか!!」 「それはだな、久しぶりにお前の顔を見たらふとあの頃のことを思い出したからだ」 「だからって…
「おらおらぁぁあああ!! どこだネコ娘出てきやがれ!!」 「ちょ、ちょっとカシスちゃん……は、走り過ぎ……」 「トイレか!? 風呂場か!? さては押し入れだな、ベタな女め……うるあ! あれ? いない」 「はあ、はあ、い、いるわけないじゃない」 「ナゼだ……? あんだけ挑発的なメール送ってきたんだからてっきりバジルんちのバジルの目の前で殴り合いの肉弾戦かと……ん? わあ!! なんだコイ…
「ああああどうしよどうしよ!!!」 「カシスちゃん、まあ落ち着きなさい。狭い部屋の中ででんぐり返しとか側転とかされるととてつもなく鬱陶しいから」 「だって知らない女から宣戦布告だぞ! これが落ち着けるかっっ!! あれからメールも電話も繋がらないし!」 「いい? 本当の恐怖は敵にあるんじゃないのよ」 「何の話だ」 「真の恐怖とは状況を正確に把握できていないことにより自分自身が生み出…
「ふ〜んバジルさんが猫ねえ。奇しくも私の小説と同じシチュエーションってわけね。で、見に行ったの?」 「いや、何か怖いからお茶を濁して退散してきた」 「なにビビってんのよ。いいじゃない別に恋人が猫だって」 「いいわけねーだろ!」 「恋人はサンタクロースってあったわね。ユーミンだっけ? しかもそれをもじって『恋人はサンコン』とか言ってたっけ。恋人はサ〜ンコ〜ン背の高いサ〜ンコ〜ン。最近見ない…
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