微熱 - 93 -
改札から歩いて五分とかからない駐車場なのに、何十キロも歩いてきたような疲労感に包まれてたどり着いた。「お邪魔します……」 蚊の鳴くような声でそう言って、開け放たれていた助手席のドアを潜る。「ぅわぁっ!」 既にエンジンをかけて待っていた秀樹は、俺がドアを閉めてシートベルトを嵌めるや否やタイヤを鳴らして発進させた。 モデルみたいな顔立ちに似合わないゴツイRV車が駐車スペースから二百七十度回転して飛びだ...
2021/06/29 15:20
2021年6月 (1件〜100件)
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