暖炉に薪を入れて火をつける。 暗い部屋の中にオレンジ色の優しい明かりが灯る。 少年を何とか屋敷の中に運び、客間のベッドの上に寝かせた。「この子、よく見ると人間じゃないのね」 ヒメは少年の汚れた顔をタオルで拭う。 はだけた服から人形のような関節部分があらわになっていた。「ですが、ワタシたちアンドロイドとはまた違うような何かを感じるのです……」 傍で見ているヨルガミが考えるような素振りで言う。「ヒメ様...
オリジナルイラスト一次創作物語り。 ゴスロリ美少女&ゴシック調の少年(青年)、うさぎのぬいぐるみキャラクターなどを描いています。
遅くなってしまいましたが、サイト内リニューアルしました。 と言っても、中身は同じだけれど。。。 前の表示だと、どうやって見ていいのか分からないという声がありました;; メニューリストに気がついてもらえなかったり、 表示が普通のブログと同じで、いつも見に来てくださっている方々には良いのですが、 新参者さんたちには訳が分からない状態になってしまっていたのです。。。;; な...
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暖炉に薪を入れて火をつける。 暗い部屋の中にオレンジ色の優しい明かりが灯る。 少年を何とか屋敷の中に運び、客間のベッドの上に寝かせた。「この子、よく見ると人間じゃないのね」 ヒメは少年の汚れた顔をタオルで拭う。 はだけた服から人形のような関節部分があらわになっていた。「ですが、ワタシたちアンドロイドとはまた違うような何かを感じるのです……」 傍で見ているヨルガミが考えるような素振りで言う。「ヒメ様...
真っ暗な、黒に近い青の空。「うぅ~~。寒いわねぇ~」 遠くのほうにネオンのように煌びやかに輝く、未来的で機械で構成された街並みが見える。 空には飛行船や車まで走っていて、とても賑やかなようだ。 でもここは街の外れにあって、その光は届かない。 木が森のように覆い茂っている。 そこに少し豪華でとても古い、大きな木造建てのお屋敷。 古き良き日本の大正時代の建築物に似ている。 この場所だけが過去に取り残...
――――。 メアリはぼんやりと視界を開いた。 あれから少しの間、眠ってしまっていたようだ。 起こした火も消えかかっていた。 メアリが瞼を擦っていると、ミュウも気がついて瞼を擦る。 少し寒いうえに、お腹も減っていた。 時計が無いので時刻も分からない。 その時、ほんの少しだけ風が吹いて髪の毛を揺らした。 紅い霧が辺りを包んでいく。 そして幻のように、再び死神ファントムが現れた。「もう一日が経過したのか?...
遅くなってしまいましたが、サイト内リニューアルしました。 と言っても、中身は同じだけれど。。。 前の表示だと、どうやって見ていいのか分からないという声がありました;; メニューリストに気がついてもらえなかったり、 表示が普通のブログと同じで、いつも見に来てくださっている方々には良いのですが、 新参者さんたちには訳が分からない状態になってしまっていたのです。。。;; な...
どれくらいの時間が過ぎたのだろうか。とても長く感じていたが、ほんの数時間だったのだろう。何となく一人では心細くて、ホムンクルスの三人と共にリビングに集っていた。暫くして、チョビが地下室に来るように皆に呼びかけた。手には、小さな蝋燭の火の付いた燭台を持っている。チョビを先頭に、ナイトの後ろからホムンクルスの三人も連れ立って歩く。地下通路へと続く、足元が薄暗くて少し不気味な道だ。所々蝋燭の灯りが付いて...
体調の関係で管理が難しいため、掲示板を削除しました。少しの人数だったかもしれないけれど今までご使用いただき、ありがとうございました。他にもメールフォームの表示をやめました。お返事ができないためです;;もっと早くにこうするべきだったかもしれないです。。ご迷惑をおかけしてしまった皆さま、申し訳ございませんでした。m(__)mそれから、更新が止まってしまっていた、いくつかのサイトも退会しました。遥か昔にやって...
次の日の朝。疲れていたのか、いつもより少し遅い時間に目を覚ました。窓から太陽の光が漏れ、外は良い天気だった。バルコニーに出ると、清々しい気分で大きく深呼吸をした。そんなナイトに気が付き、中庭で苺を摘んでいたメアリが、すぐさま駆け寄る。「体調は良さそうだな」安堵した表情を向けるメアリ。「おかげさまで良く眠れました」にっこり微笑むナイト。メアリは目覚めの紅茶を淹れてくれた。カップに口を付けると、苺の香...
それはきっと遥か未来から届いた最後のメッセージ。文明の心地よさに甘えて壊れてしまった青く綺麗な星。気付いた時にはもう遅かった。苦しみも悲しみの連鎖を、誰にも止められないよ。滅ぼすことが出来るのは、唯一救い出すことが出来るのも、我々人類だけなんだ。人間がこの世に生まれてしまったことが、間違いだったのだろうか。汚していくだけで意味などないのか。人類以外の存在は、皆誰もがそう思っている。この時代ならばま...
ナイトは気が付くと、またベッドに横になっていた。「う……」痛みが走り、頭を押さえながら起き上がる。周りは見慣れたヨーロピアンな部屋だった。気を失ったのか、いつの間にか城へと帰ってきていたようだ。「ナイトはん!大丈夫どすか~!?」チョビが慌てた様子で駆け寄ってくる。一緒にメアリも傍に寄る。少しぼんやりとしていたが、すぐにハッとして聞いた。「そうだ、あの男性は……?」するとメアリは自分の胸に手を当て、優し...
ナイトが再び目覚めると、もうすっかり陽が落ちていた。いつの間にか眠ってしまっていたのか。メアリの血液が効いたのか、体調は大分良くなっていた。ぼんやりとしながら、ゆっくりと体を起こす。すると部屋のドアをノックする音がした。「ナイトはん、大丈夫どすぅ~?」学園から帰ってきたのだろう。いつものメイド服に着替えたチョビが、心配そうに顔をのぞかせる。「お粥を作らせてもろたんやけど、必要あらへんかったどすか?...
誰かが涙を流していた。捧げている祈りの言葉を感じる。どうかこの願いを叶えてくださいと――。気が付くと、ナイトはベッドの上に横になっていた。呼吸が苦しい。頭が割れそうに痛い。酷い吐き気もする。すぐ傍にメアリがいるのが視界に入った。「メアリ……。ワタクシは一体……?」テラスにいた所までは覚えている。「気を失ったんだ。……きっと、誰かがナイトメシアに祈りを捧げたんだろう。その反動で体がショック状態になったんだ」...
その日も変わらず、麗らかだった。いつものように、ナイトはテラスで椅子に腰かける。メアリと、人造生命体の三兄弟が、城の周りに巻き付いている蔦から、苺をもぎ取って、手に持っている籠の中に入れている。城の中、メイドのチョビが何やらバタバタと騒がしく、朝の準備をしている。「遅刻や~!」チョビの着ている服を見て、ギョッとナイトは驚いた。「行ってきますぅ~。ナイトはん」聖・ローゼ・ヴァビロニアン学園、高等部の...
何処からともなく聞こえてきたその音は、~~♪ギッ……~~♪ギコッ~~♪……ギッ~~。……とても下手くそだった。だが、かろうじてヴァイオリンだろうということが音から解った。しばらくの沈黙の間、ナイトは泣き止んでいた。ため息と微笑み混じりに、指で涙を拭った。「何なのデスか? この耳の痛くなる音色は」メアリが辺りを見渡す。「中庭の方から聞こえるな」言われた方へ歩いていくと、そこには三人の男性がいた。牢の中にいた...
うららかな晴れた日の昼下がり。優雅にテラスで椅子に腰かける。ティーカップに入った紅茶を少し口にしてから、メアリに向けてナイトは言った。「お呼び出しは、まだ無さそうデスね」お呼び出しとは、ナイトメシアに願いの祈りを捧げる者たちのことだ。誰かが祈れば、心の中に声となって伝わってくるらしい。呼ばれているような気持ちになるらしいから、そう呼ぶことにした。ナイトメシアが人間の前に姿を現すわけではなく、鏡の世...
新しいトップページの背景用のイラストです。全部で3枚描く予定です(*^▽^*)が、なんだかこのイラストにするとバックの字が見えにくいような。。。;;...
メアリは俯いて黙り込んだ。暗く重い影に覆われたような気がした。――――。メアリのその表情を見て、絶望の言葉を予想してしまう。「……メアリ、ワタクシは殺人犯なのですか?」ナイトは絞り出すような声で尋ねた。「違う……」「本当に、ですか……?」メアリは少しだけ悲しそうに、眉をひそめた。「殺した訳ではない。あちら側の世界へ送っただけだ。彼らは皆、そう望んでいたし幸せそうに笑っていた」「あちら側……?」「この街の人間た...
牢獄……。その言葉に驚いた。「どうしてそんな物がここに……?」「ここは、お仕置き部屋だ」「お、お仕置きって……」メアリは無表情のまま続けた。「ナイトメシアの気に障るようなことをした場合、俺たちが入る場所だ」「俺たちって――。 え?」薄暗い鉄格子の向こう側に、誰かの気配を感じた。黒くて綺麗なロングヘアーが揺れていた。それは少しあどけなさの残る、小柄目な少女だった。震えながら、ボロボロの布きれ一枚を服の代わり...
それからナイトは、元ナイトメシアの住居、ブライト・スターナイツ城で日々を過ごした。修道院・ムーンチャイルドとは少し距離が離れてはいるが、聖・ローズ・ヴァビロニアン学園に隣接している。あまりにも広すぎているこの洋館は、城と呼ぶのに相応しかった。この体で何ができるのか色々と試してみた所、血液以外にも、ちょっとした物なら口にできることが解った。普通の人間で例えると、間食といったところか。広い城の中庭にあ...
メアリはナイトの肩を両手でつかんで、強制的に自分の方へ向かせる。「もう限界だ。主様。早く俺の血を吸ってくれ」「はあっ……!?なにを? ちょ、放して――」メアリの手を振り払おうとした。瞬間、突然、体に力が入らなくなり、膝から崩れ落ちそうになる。世界が暗転する。音も小さく聞こえる。メアリに支えられて、何とか意識を保てる状態だ。「やはり随分と体力を消耗しているようだ」「う……」「俺の体は主に血を提供するために...
ナイトメシアが身につけていた服をメアリに着せてもらった。煌びやかな衣装に身を包み、なんだか誇らしげな気分で、自然と胸を張ってしまう。とても嬉しくて、足が自然とステップを踏む。星の綺麗な空の下で、まるで飛ぶように歩いていく。修道院・ムーンチャイルドのすぐ傍まで、ふたりは来ていた。「結界が張ってあって、これ以上は進めませんね」森の中の一際大きな木の上。そこに立っているナイトとメアリを、大きな月が照らし...
どれくらいの時間が過ぎたのだろうか。とても長く感じていたが、ほんの数時間だったのだろう。何となく一人では心細くて、ホムンクルスの三人と共にリビングに集っていた。暫くして、チョビが地下室に来るように皆に呼びかけた。手には、小さな蝋燭の火の付いた燭台を持っている。チョビを先頭に、ナイトの後ろからホムンクルスの三人も連れ立って歩く。地下通路へと続く、足元が薄暗くて少し不気味な道だ。所々蝋燭の灯りが付いて...
体調の関係で管理が難しいため、掲示板を削除しました。少しの人数だったかもしれないけれど今までご使用いただき、ありがとうございました。他にもメールフォームの表示をやめました。お返事ができないためです;;もっと早くにこうするべきだったかもしれないです。。ご迷惑をおかけしてしまった皆さま、申し訳ございませんでした。m(__)mそれから、更新が止まってしまっていた、いくつかのサイトも退会しました。遥か昔にやって...