狂言『楽阿弥』は江戸時代の作か?

狂言『楽阿弥』は江戸時代の作か?

狂言に『楽阿弥』というのがあります。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「旅の僧が伊勢参りの途中、伊勢の別保村にさしかかると、何本もの尺八がぶら下がっている松の木があった。村人にその由来を尋ねると、その昔、楽阿弥という尺八狂いの男がいて、その霊を弔う松だという。ならばと、旅の僧は袖の下より尺八を取り出して「自分も一曲手向けよう」と短尺八を吹く。すると、それに合わせるかのように低い音が聞こえてくる。それは楽阿弥の亡霊だった。しばし、短尺八と大尺八とで合わせ吹く「宇治の朗庵主の序(=偈)にも『両頭を切断してより後、尺八寸中古今に通ず』とあるように、こうして幽明境を異にする二人が心を通わせられるのも尺八の縁かと言って消えようとする。そこで...狂言『楽阿弥』は江戸時代の作か?