恩は報いをもとめず
宮崎東明の『偶感其の一』、私の一番好きな詩だ。恩は報いをもとむること無くして自ら喜びと為し徳は名を求めずして常に陰に在り日日忘るる勿れ謙譲の事妄心去るべし亦争心恩は見返りを期待するものではなく、徳は売名のためにするのではない。謙譲の美徳を忘れず、不誠実や人と争そう心を捨て去るべし。「謙譲の美徳」も死語となった感がある。『偶感其の二』は事起これば其の源は人に在りと為す知るべし総て是れ吾が身より出ずとすべからく能く反省して真実を悟らば世界の喧争忽ち因を去るべし他人と争い事が起きると、相手を責めがちであるが、すべてわが身から出たものと反省し、真実を悟れば、世界の紛争もたちまち原因を取り去って解決するであろう。宮崎東明は、明治22年河内に生まれ、明治、大正、昭和と生き、医業の傍ら漢詩をよくし、昭和44年82歳で亡くなっ...恩は報いをもとめず
2022/04/28 21:14