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陰々と雨夜が明けて茜射す秋一番の彼岸花秋一番
身の丈ほどの銀を積みいざこれでお前も自由の鳥なれば何としてでも我が側室にとご執心の仙台綱宗候万治高尾にぞっこん惚れて廓に浸る日々なれど二世を契った恋しい男に操をたてた高尾は拒み可愛さ余って憎さ百倍怒った殿さま高尾を切った恋に殉じた花魁の儚く散った命を惜しみ西鶴をして流女古今の能書、文にして人を殺すと云わしめた花魁草
中国最古の王朝と云われる夏王朝を遡ること数百年、伝説の五帝の時代からも更に数百年前のことです。主に血縁から成り立っていた少数部族が各々独自に大地を占有して狩と原始的な農耕で暮らしを支えておりました。数百キロ離れた他部族との小さなイザコザを除いてはこれといった災いもなく民は安穏に日々をおくる毎日でした。しかし或る年の夏、皆が朝起きると何と太陽がもう一つ増えているではありませんか。その日から暑いの何のって水は片っ端から蒸発してしまいます。各部族の長老たちが急遽対策を講じる為に集まりましたが、妙策がでる筈もなく皆ただうなだれるばかりでした。二つ並んだ太陽は夜になると共に西に沈んではくれますが、昼間のあまりの熱に焼かれた大地は一向に冷えてはくれません。凄まじいばかりの日照り続きに食糧も次第に底を尽き、老人や子供たちが次...馬頭太子
江戸京橋の筆屋のお内儀お汐は三十路を少々過ぎたばかりのたおやかな美形で品のいい女である。というのも筆屋に嫁ぐ前までは御三卿のひとつ田安様のお屋敷奉公で御祐筆を勤めていたからだそうだ。月に一度筆の納入に屋敷に参る筆屋の主の息子に見染められ、奉公を辞するに際しては殿様を始め家中の皆に惜しまれて過分の品々と金子を拝領したというから、相当に能力の高い祐筆であったらしい。達筆であることは勿論の事で、読書、算術、和歌に香花と何でもできる才気溢れる女性として京橋界隈では一寸した名物お内儀である。店の外には筆を買うでもないのに、常に人だかりが絶えない。今日もお内儀は帳場に座り帳附けやらなにやかやと忙しくしているのだが、昼時近くになると、決まってお内儀はすっくと立ち、巻紙を左手に持ち、右手の筆を持上げて、すらすらさらさらと手紙ら...お内儀
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