他寮の記事にお寄せいただいたコメントに対する回答を、想うところあって記事にさせていただきます>そもそも「行持軌範」があるのに、なぜ皆それに従って行持をしないのでしょうか?う~ん。。。。そのご意見が意図するところは私もよく理解できます私の地域も、必ずしも『行持軌範』通りに法要が勤められる訳ではありません。その地域に伝わる独特の慣習や、そのお寺の堂頭老師(ご住職)の室中・家風によって儀規にも多少異なりが出てきます。法要随喜する側としては、その室中・家風に適宜対応するという形で落ち着いているのが現状です。『行持軌範』は見てお分かりのように、儀規の細部にわたってまでは詳述しておりません。というか......できないのですその理由にも、それぞれの室中・家風の問題が深く起因しています。現在の所属先の関係で、『行持軌範』の刊...室中と家風
前回、「回向」とりびあ(其の一)を掲載したところ、當寮への訪問者の方から以下の様な質問が寄せられました。>私の教区では随喜寺院がある場合の回向は「現前の清衆を集め」の後に「隣峰の諸大徳を拝招し」と付け加えるよう教えられました。他の教区では句の前後が逆だったり、「そんなことしない」というところもあり、人によっては「最近始まったもので宗門の伝統にはない」と言う方もありますが、一般にはどうなのでしょうか。今回はそのご質問を受けて、改めて「回向」について考えてみたいと思います。まず、拙ログでも度々触れてはいますが、「回向」に限らず、法要のあらゆる所作進退に関しては、ある程度の地域差があることは否めない事実かと思われます。私個人も、それは致し方がない事だと思っており、時にその地域差の中に意外な発見をしたりして、個人的に非...「回向」とりびあ(其の二)
拙ログで記事を作成する場合には、既述もした「法式研究関係文献目録」を参考にする場合が多いですが、最近やはり頼りになるのは宗門刊行の『昭和修訂曹洞宗行持規範』(以下、『行持軌範』)である事に気付く機会が多くなりました。今さらながら何ですが、『行持軌範』って注意して読んでみると非常にためになる情報満載なんですね。正直、私の法式に関する知識は、安居中の拙い経験や送行後の隨喜によって培われた部分が大なのですが、その時に疑問に感じた事の答えなどが結構載っていたりするものです。改めて『行持軌範』の“奥深さ”に感服した次第です。特に「第三編基本作法」以降が面白い法要“とりびあ”ネタも数多く散見できますよ―。以前、法式に関連する宗門刊行の製本編集事業に携わった経験があるのですが、不特定多数の家風や山風、加えてそれぞれの法系に伝...『行持軌範』を見直そう!
今年初めての記事の投稿となります。改めまして、今年も宜しくお願い申し上げます本来であれば、「正当逮夜特為献湯」の考察が途中でありますので、そこから手を付けなければならないところですが、この種の参究はその過程において新たなテーマが浮き彫りになるので、今回も寄り道をさせてもらって他のテーマから失礼いたします拙ログでも度々触れておりますが、拙僧の法式参究の指南書として座右の書としているものの一つに『温故知新』(井上義臣著、正和会刊行)がございます。今回も特為献湯に関してある調べ物をしていたら、興味がそそられるテーマが幾つか散見できたので、そちらの方を先に紹介したいと思います。今回のテーマは「回向」に関する“とりびあ”です。普段何気なくお唱えしている回向ですが、そのお唱えをする文言には、ざっと次の様なルールが存在します...「回向」とりびあ(其の一)
遅れ馳せながら、新年明けましておめでとうございます今年も宜しくお願い申し上げます元来の筆不精に加え、インターネットへのアクセス環境の変化や年末年始のごたごたで、すっかり當山各寮ログも放置状態と化しておりました。日頃交流のある當山役寮諸師のブログを拝見する度に、自分自身の力不足を痛感していた次第です力及ばずとも、今年もそれぞれのテーマに沿った各寮ネタを定期的にアップしていければと考えております。今年も温かく見守って頂ければ幸いです。それでは、今年も宜しくお願い申し上げます明けましておめでとうございます!
ここでは標題の如く、入大間に関する“とりびあ”を取り上げてみたいと思います。たかが入大間、されど入大間―。と古人が言ったか言わぬかは別として、諸文献を紐解いてみると色々と口伝がある事が分かります。法堂進退に関してまず叢林では、「入大間は柱側の足から」という指導を行います。大衆の入大間は通常西序側からと決まっておりますので、「大衆上殿」という場合には西序側の露柱より左足を挙して入大間するのが常となります。それに対して導師の場合は、東序側から入堂する事が常となりますので、必然的に東序側の露柱から、つまり右足を挙して入大間する事となります(典拠は後述)。ここで「導師は東序側から入堂」と申しましたが、ご存知の様に、現在では導師は大間の中央から入堂いたします。便宜的に「導師は東、大衆は西」と覚えておけば、自らがその任に当...「入大間」とりびあ
殿鐘三会大衆上殿(特爲献湯では三会中大衆三拝)了而、通常差定では七下鐘導師上殿となります。まず、三会打ち上がりに合わせて、導師の拝請が行われる事は前に述べた通りです(詳細は「導師拝請法について」を参照)。拝請了而、等間隔の「送迎●」・「殿鐘◎」の七下鐘にて導師上殿となります。上殿順列は基本的に「送迎副堂―導師―侍者・侍香」となりますが、法要形態により送迎副堂に2名(甲・乙)ついたり、先導師・御先導師(御親香のみ)らが加わったりします。また、E式では拝敷前まで等間隔の七下鐘となりますが、S式では導師が八尺間をまたぐ前に送迎係と相揖(南北対面)して入大間◎七声目という鳴鐘法となります(相揖の際に送迎副堂は2声)。また、参考までに付記しますと、特為献湯の場合には導師上殿前に三会中三拝が勤められる故、導師とともに入堂し...「七下鐘導師上殿」について
當山各寮「直壇寮@Net」にて、『仏祖正伝菩薩戒作法』と現行授戒会差定(教授・正授道場)の比較検証作業を行いました。興味のある方は、以下より「直壇寮@Net」へご訪問下さい♪「直壇寮@Net」における当該記事閲覧はこちらから『仏祖正伝菩薩戒作法』に関する考察
ここへの書き込みも本当に久し振りになります今まで各寮の運営(主に「布教師寮@Net」)に時間を割かれ、検証作業に時間を要する當寮の更新が遅々として進みませんでした実は、先日来より「直壇寮@Net」への書き込みを開始いたしましたので、興味のある方はご訪問下さい。「直壇寮@Net」へのご訪問はこちらをクリック!その内容は、宗門古来の伝戒儀軌『仏祖正伝菩薩戒作法』の参究を通して、現行授戒会(主に教授道場・正授道場)のあり方について理解を深めていこうとする試みです。拙僧も参究過程にあるテーマですので、ぜひその道に秀でた諸大徳諸老師よりご指導を賜れればと思っております同じ法要関連ログの更新という事で、當寮でも告報させて頂きたいと思います各寮【直壇寮@Net】更新のご報告♪
いやはや…、先日復活を期す記事をアップさせたばかりですが、今日までなかなか更新する事が適いませんでした確かに七月盆&八月盆にて奔走していた事情もあるのですが、実は転役告報にて暖簾分けした「布教師寮@Net」への記事のアップに時間が割かれており、本ブログの更新まで正直手が回りませんでした今後本ブログの更新が遅々として進まない場合は、既述もした「布教師寮@Net」の方へご訪問頂けたら幸いですまた、同じく暖簾分けした「直壇寮@Net」へも近々記事をアップできる予定でおります。そちらの方へも良かったらご訪問下さい※現在、宗門現行授戒儀規と『佛祖正伝菩薩戒作法』の比較検証作業を遂行中毎度々お騒がせしておりますが、今後とも宜しくお願い申し上げます言い訳がましい…お知らせ。。。
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