毎日新聞連載コラム「シーカヤックで地球再発見」80回目の今回は南紀串本大島・樫野崎です。ぼくの考える、海をゆくカヤッカーが開いてゆくべき価値観について触れています。興味がある方はどうぞご一読下さい。開くべき価値観
さて、今年ももう終わろうとしています。みなさまには一年間お世話になりました。今年もおかげさまで無事故で過ごすことができ、本当に感謝しています。このブログはしばらくご無沙汰になっていましたが、辞めたわけでは全くなく、ただSNSの方に気を取られ、お留守になってしまっていたという次第です。読んで頂いていた方、申し訳ございませんでした。今日の大晦日に30本ほどの記事を一気に更新しましたので、もしよろしければご覧くださいませ。今後はもっときちんと更新していきます。18年くらい継続しているこのブログ、お会いしたことある人もない人も、読んで頂いている方に対して、とても感謝しております。2024年度も、アイランドストリームの活動と併せてどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます
台湾•蘭嶼島で買ったトランプが渋い。一枚一枚に原住民•タオ族の習俗のイラストや写真が描かれ、タオ語、中国語、英語、日本語の説明が入っている。誰が何を考え、どんな顔してこれを販売しようと企画したのか?イラストを発注するにしてもコストが掛かるだろうに。こういう無駄はいい。不思議なトランプ
12月初旬、台湾南部、パイワン族の住む山の中腹の小さな町・三地門。家々やストリートはもちろん、役場やポリボックス、コンビニに到るまで町全体がトライバル柄&緑で統一され、それが周囲の山々や川の景観と調和していて、いい。ヘビ、トンボ、シカなど生き物をモチーフにした柄が多いが、「蛾」までオシャレにするところに、センスを感じる。だって蛾やで・・・、ガ。日常生活の全体で表現する、自然に対する敬意と祈りの精神の体現って感じかな。そういうのはとてもよく分かるし、響く。虫が気持ち悪いといってジャポニカ学習帳の昆虫写真にまでクレームを付けて廃止させる虫フォビアと自然破壊の病理がリンクする、どこかの国も見習いたいセンス。スローガンや取って付けた作為ではなく。人間の内面から湧き上がる、町と自然景観の調和の姿には、未来の風を感じ...自然との調和とは?
毎日新聞連載コラム「シーカヤックで地球再発見」、78回目は、雪山とサンゴの海を一日のうちで両方楽しめる紀伊半島の自然とその奥深さについて書いています。実は世界でも稀有なる場所。興味ありましたらどうぞご一読ください。雪山とサンゴの海
12月初旬、台湾南東部の離島、蘭嶼(らんゆう)島へ。ポリネシア、メラネシア、ミクロネシアといった環太平洋の人々の大元のルーツは、台湾原住民が主を占めるというのが人類学上でも通説となっている。台湾あたりから5000年ほど前にカヌーで船出した人々が、何百世代のあいだに太平洋の島々に散らばっていったというわけだが、16部族が現存する台湾原住民の中で、今でも海に生きる民が、蘭嶼島のタオ族の人々。彼らが乗るカヌーがチヌリクラン。タオ族に生まれたシャマン・ラポガンという海洋作家がいる。この島の波音と潮風と雨粒に身をさらして、彼の作品「冷海深情」を精読するのが、この旅の一つの目的だった。あえて天気がよくない方がよかった。「厚い黒雲が島全体をすっぽり覆っていて、大海原は夏の、人を魅了する濃紺の眺めではなく、冷たさと寡黙さ...カヌー文化のルーツ
11月末日、ベタ凪状態から一転、10メーター級の風が沖から吹き始め、みるみるうちにシケてきた。戻るのが10分遅れてたらめんどくさい事になっていただろう。まあこういう急変って必ず何らかの予兆がある。だいたい風より先にうねりがやってくるのだが、そのうねりがケツを揺らす微妙なフィーリングによって、どれくらい離れたところに強風帯があって、あとどれくらいの時間でそれがここまでやってくるのかどうかのサジ加減が分かる。つまり。ケツの揺れ一つに様々な情報が内包されていて、それを読み解くことがカヤッカーにとってのワザなわけ。実は自然を捉える身体感覚て、すごく洗練されているもので、その感覚を引き出す最良の道具が、カヤックという乗り物。ただのレジャーでも体育でもなく、ぼくらは自然を深く知りたいがゆえにカヤックをやる。お客さんは...ケツの揺れによって
11月下旬、再び青蓮寺湖。一昨日は全然だったのに、1日置いただけで、急に木々が色づいてきた。不意に転調する曲みたいというか、夏の余韻を微かに残した秋のビートから、次にくる春の予兆を密かに孕んだ冬のビートに変わった感じ。湖をとりまく自然の大いなる胎動。湖をとりまく自然の胎動
11月下旬、奥伊勢湖の紅葉もまだまだな感じ。奥伊勢湖
11月下旬名張、青蓮寺湖ツアー。紅葉ツアーと銘打ってやってるんだけど、今年は暖かくて全然紅葉していなかった。だけど、強く放たれる野の香りが素晴らしくいい。野の香り
11月中旬、南紀みなべ海岸キャンプツアー。紀伊半島には、景観が素晴らしく、文化的に奥深く、生態系的に貴重な場所が山ほどある。南紀の穴場
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毎日新聞連載コラム「シーカヤックで地球再発見」80回目の今回は南紀串本大島・樫野崎です。ぼくの考える、海をゆくカヤッカーが開いてゆくべき価値観について触れています。興味がある方はどうぞご一読下さい。開くべき価値観
毎日新聞連載コラム「シーカヤックで地球再発見」、79回目は台湾南部の話。ここに出てくるlafinsawmah氏はアミ族の木工芸術家で、YouTubeにも上がってるが、自然の本質を内奥で捉えた実にいい作品を作る。しかし残念なことに昨年6月に亡くなった。ぼくは彼が生きてたら間違いなく兄弟分みたいな友達になってただろうと直感する。運良くまだ生きている者として、彼の遺志を継いでいきたい。この冬に行ったポリネシアの旅も、彼のスピリットに捧げている。古代に隆盛を誇り、近現代にいったん駆逐され、前世紀末から今世紀になって再び復興してきた自然文化としての環太平洋カヌー文化は、今まさに黎明期そのものだ。ぼくなりの感性で、一つのスタイルを探求していきたい。黎明期として
毎日新聞連載コラム「シーカヤックで地球再発見」、今回は台湾の蘭嶼島についてです。これはポリネシアのカヤック旅と繋がっています。よろしければご一読ください。ちょっと硬い言い方をすると、環太平洋にまたがるカヌー文化の本質的特徴を現地での海旅経験を通して掴み取り、そこからヤポネシアのカヌー文化の今後のあり方や可能性を考える旅。カヌーをカヌーというジャンル的枠組みを超えて、「自然文化」としてのレベルに押し上げたいという思いがぼくにはある。舵を失った船のように文化的ディレクションを失った今の日本。それでも物だけは豊富で、安いエンタメやSNSとともに消費生活にどっぷり浸ってたらそれなりに楽しく過ごせるようにできている。しかし、そんなのはゴメンだ、という人もまた増えている。ぼくはカヌー文化/自然文化というところで、そう...枠組みを越えて
タヒチ島にあるFAIVAAというアウトリガーカヌービルダーの工房を訪問。別にうちでアウトリガーカヌーを導入しようと決めたわけではないが、海や先人へのリスペクトに根ざしたポリネシアのカヌー文化には何かしら未来を感じさせられるものがある。一方、同じ太平洋で四方海に囲まれた日本のカヌー文化の現状を考える。日本のフィールドに最も適したカヌーはカヤックだが、社会的にも文化的にも地位は低く、過小評価されている。その辺をどう打破していくかの取っ掛かりを探っているだけ。ポリネシアカヤックトリップ19
ポリネシア•ランギロア環礁往復縦断。世界で2番目にデカい環礁と言われるが、最果て感が強くて予想以上に味わい深かった。なんせ200以上のモツ(小島)がある中で、主に人が住むのは2つの島だけ。理由はあまりにもノノ(サンドフライ)が多いからだという。ぼくもこっぴどくやられた。ノノは最恐の生物だと身をもって知る。半径25キロ圏内に夫婦2人以外誰も住まないゾーンがあって、たまたまそこを通ったときに彼らがいて、泊めさせてもらった。で、サヨナラする際に、ぼくに妙になついてきた犬が沿岸沿いについてきた。最初、ぼくも面白がって犬の散歩気分で進んでたけど、3キロも5キロもついてくる。小島と小島の間もガンガン泳いで渡る。そのうちもう一匹の犬も合流。さすがに腹が減るだろうと思い、サッと釣りして釣った魚をおろしてあげたりする(魚は...ポリネシア•カヤックトリップ18
ポリネシアではどこの海辺でもカヌーが転がっている。1000年以上続く海洋文化の象徴。これらを何気なく見ているとき、ひるがえって日本はどうなのかと思う。実はカヌー文化は日本の方が遥かに古く、例えば38,000年前に伊豆半島から神津島に渡った痕跡が残されている。また地味だけど旧石器、縄文、弥生期にかけてのカヌーの残骸が、結構出土している。最近ブームなのか、色んなところで縄文縄文と聞くけど、なぜか土器や土偶のことばかり取り上げられる。だけどほんとの縄文スピリットを体現するのはカヌーなんじゃないかと思う。土器は学者が編年を調べやすいからクローズアップされるようになり一般化したが、正直なところ、別に現在使いもしないお椀や鍋の破片に、あまり心は動かされない。一方、カヌーは漕いでみさえすれば、その岬や島や海浜に吹く風や...ポリネシア•カヤックトリップ17
旅用フォールディングカヤックってこんな感じ。バックパックから取り出して2、30分で組める。この中にテント、寝袋、食料、水、衣類、調理用品、モバイル機器、カメラ、本、釣り竿、その他もろもろを積みこむ。あとはマップとデッキコンパスと洞察力と忍耐力さえあれば、世界中どこへでも。瞬間瞬間の風や波の調和点を見いだして進んでゆくことが大切。言い方を変えるとカヤックとは、その地の自然の息吹に絶妙にチューニングされゆく楽器のようなもの。いい感じで進めているとき、本当にその場所の山や風や潮や魚がバシっとシンクロし、全体でハーモニーを奏でているように聞こえてくることがある。身一つで頼りなげだからこそ、語りかけてくれる声みたいなもの。なかなか世間は気づかんけど、地球環境を尊ぶべき今の時代にこれ以上マッチした乗り物はない。何千年...ポリネシア•カヤックトリップ16
ポリネシアフアヒネ島。ファレポテと呼ばれる、昔の首長たちの集会所を復元した場所まで来た。現在はミニ博物館になっている。入り口には復元に寄与した太平洋考古学の権威、篠遠喜彦氏をたたえる石碑が建てられている。フアヒネ島は特に篠遠氏と縁の深い場所で、20m級の外洋航海カヌーの残骸を発見しポリネシア人の意図的航海の有力な裏づけに寄与したり、山の中で埋もれていた数々の重要なマラエ群を発掘、復元したりと、ひときわ情熱を注いだ島。今でも島民に、「タオテ•シノト(篠遠博士のこと)を知ってるか?」と聞くと、みな知ってるという。自分たちの文化的アイデンティティを高めてくれた人物として尊敬してる人も多いようだ。だいぶ昔だが、人気歌手のボビーホルカムが篠遠氏をたたえる「タオテ•シノト」という曲をリリースしている。ぼくはこの場所に...ポリネシア•カヤックトリップ15
フアヒネ島の離れ小島。漕いでる最中にマグロ漁師夫婦に招かれる。マグロ漁というと日本では遠洋漁業をイメージするが、彼らは朝四時に家の前から出漁し、2、30分走ったところのポイントで数時間釣り、昼前には帰ってきて昼メシ食ってゆったりするスタイル。これまで釣った80キロのマグロや200キロのカジキの写真を見せてもらう。彼も祖父が中国人で、太い腕に「李」というタトゥーが入っている。今朝獲れたキハダマグロを巨大クーラーボックスからおもむろに取り出して捌き、奥さんの巻いてくれた手巻き寿司、刺身、揚げ物にして頂いた。自然とともに暮らす豊かな生活。最も満員電車が似合わないタイプのキャラ。なんてかっこいい男よ。こんな生き方は憧れるね。ポリネシア•カヤックトリップ14
フアヒネ島のジャングル開墾アニキが今朝、出艇時に手向けの歌を送るよ、とフアヒネ島の歌を歌ってくれた。さらに中空の空いた木をジャンベがわりに演奏し、おまけに昨日解禁になったばかりのマングローブガニまでくれた。そして彼のいとこはアウトリガーカヌーにチャリを乗せてどこかに。ここは道路が通じてないので、道路のあるところまでチャリを持って行くらしい。すごいスタイルだ。昨日たまたま気まぐれにお宅訪問したにも関わらずフレンドリーに接してくれ、飾らない日常を見せてくれるって不思議っちゃ不思議だけど、これがカヤック旅の世界。昨日まで何の縁もゆかりもなかった相手の懐にいきなり入れるわけ。そしてぼくらが思っている以上に世界にはいい奴らがいる(危ないのもいるけどそれもカヤック旅モードに入ると感覚鋭くなるから分かる)。世界中の見知...ポリネシア•カヤックトリップ13
近江八幡・桜花見ツアー4月4日(木)~10日(水)各日開催毎年春に開催しています、恒例の近江八幡・桜花見ツアーですが、本年は上記日程で開催いたします。迷路のように入り組んだ水路沿いに並ぶ桜並木はもちろん、水辺の菜の花やタンポポ、ヨシ原の奥で産卵するコイ、空高くで鳴きさえずるヒバリなど、生き物や植物たちが謳歌する春特有の風情をたっぷり味わえるのが、このフィールドのよさです。予約受付中【4月4日(木)~10日(水)の各日近江八幡水郷・桜花見ツアー】春うららかな水辺の風情と、水上からの桜を楽しむツアーhttps://www.island-stream.com/sea_kayaking/index.php?p=oumi近江八幡、桜花見ツアー開催
高野山町石道ピーストレッキング、今年は海を漕ぎます。「湯浅湾ピースパドリング」東日本大震災の犠牲者への哀悼、復興・発展への祈りを込めて、祈りの聖地である高野山への参詣道20キロウォークを毎年3.11もしくは3.11周辺の土日に行っていますが、今年はガイドである私が足を痛め(回復していますが大事を取って)中止とし、代わりにカヤックで湯浅湾を20キロ漕ぐ日にいたします。上記ウォークイベントは過去に12回開催していて、ぜひ継続し続けたいのですが、今回はカヤックを漕ぐ代替案となります。なお主旨そのものは下記ページと変わることはありません。https://www.island-stream.com/trekking/index.php?p=tours「湯浅湾ピースパドリング」案内は下記の通りです●日時:3月10日(...湯浅湾ピースパドリング
あけましておめでとうございます。2024年の幕開け、正月早々から立て続けに信じられない出来事が起こっています。能登半島大地震の犠牲者に哀悼の意を表すると共に、被災された方々のご無事をお祈りいたします。なおアイランドストリームは1~2月にかけて休業させて頂きます。今シーズンは3月9日(土)から通常どおり業務が始まります。なお、休業中もメール送受信が可能です。春以降のご予約なども承っております。https://www.island-stream.com/よろしくお願いします。新年のご挨拶
さて、今年ももう終わろうとしています。みなさまには一年間お世話になりました。今年もおかげさまで無事故で過ごすことができ、本当に感謝しています。このブログはしばらくご無沙汰になっていましたが、辞めたわけでは全くなく、ただSNSの方に気を取られ、お留守になってしまっていたという次第です。読んで頂いていた方、申し訳ございませんでした。今日の大晦日に30本ほどの記事を一気に更新しましたので、もしよろしければご覧くださいませ。今後はもっときちんと更新していきます。18年くらい継続しているこのブログ、お会いしたことある人もない人も、読んで頂いている方に対して、とても感謝しております。2024年度も、アイランドストリームの活動と併せてどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます
台湾•蘭嶼島で買ったトランプが渋い。一枚一枚に原住民•タオ族の習俗のイラストや写真が描かれ、タオ語、中国語、英語、日本語の説明が入っている。誰が何を考え、どんな顔してこれを販売しようと企画したのか?イラストを発注するにしてもコストが掛かるだろうに。こういう無駄はいい。不思議なトランプ
12月初旬、台湾南部、パイワン族の住む山の中腹の小さな町・三地門。家々やストリートはもちろん、役場やポリボックス、コンビニに到るまで町全体がトライバル柄&緑で統一され、それが周囲の山々や川の景観と調和していて、いい。ヘビ、トンボ、シカなど生き物をモチーフにした柄が多いが、「蛾」までオシャレにするところに、センスを感じる。だって蛾やで・・・、ガ。日常生活の全体で表現する、自然に対する敬意と祈りの精神の体現って感じかな。そういうのはとてもよく分かるし、響く。虫が気持ち悪いといってジャポニカ学習帳の昆虫写真にまでクレームを付けて廃止させる虫フォビアと自然破壊の病理がリンクする、どこかの国も見習いたいセンス。スローガンや取って付けた作為ではなく。人間の内面から湧き上がる、町と自然景観の調和の姿には、未来の風を感じ...自然との調和とは?
毎日新聞連載コラム「シーカヤックで地球再発見」、78回目は、雪山とサンゴの海を一日のうちで両方楽しめる紀伊半島の自然とその奥深さについて書いています。実は世界でも稀有なる場所。興味ありましたらどうぞご一読ください。雪山とサンゴの海
12月初旬、台湾南東部の離島、蘭嶼(らんゆう)島へ。ポリネシア、メラネシア、ミクロネシアといった環太平洋の人々の大元のルーツは、台湾原住民が主を占めるというのが人類学上でも通説となっている。台湾あたりから5000年ほど前にカヌーで船出した人々が、何百世代のあいだに太平洋の島々に散らばっていったというわけだが、16部族が現存する台湾原住民の中で、今でも海に生きる民が、蘭嶼島のタオ族の人々。彼らが乗るカヌーがチヌリクラン。タオ族に生まれたシャマン・ラポガンという海洋作家がいる。この島の波音と潮風と雨粒に身をさらして、彼の作品「冷海深情」を精読するのが、この旅の一つの目的だった。あえて天気がよくない方がよかった。「厚い黒雲が島全体をすっぽり覆っていて、大海原は夏の、人を魅了する濃紺の眺めではなく、冷たさと寡黙さ...カヌー文化のルーツ
11月末日、ベタ凪状態から一転、10メーター級の風が沖から吹き始め、みるみるうちにシケてきた。戻るのが10分遅れてたらめんどくさい事になっていただろう。まあこういう急変って必ず何らかの予兆がある。だいたい風より先にうねりがやってくるのだが、そのうねりがケツを揺らす微妙なフィーリングによって、どれくらい離れたところに強風帯があって、あとどれくらいの時間でそれがここまでやってくるのかどうかのサジ加減が分かる。つまり。ケツの揺れ一つに様々な情報が内包されていて、それを読み解くことがカヤッカーにとってのワザなわけ。実は自然を捉える身体感覚て、すごく洗練されているもので、その感覚を引き出す最良の道具が、カヤックという乗り物。ただのレジャーでも体育でもなく、ぼくらは自然を深く知りたいがゆえにカヤックをやる。お客さんは...ケツの揺れによって
11月下旬、再び青蓮寺湖。一昨日は全然だったのに、1日置いただけで、急に木々が色づいてきた。不意に転調する曲みたいというか、夏の余韻を微かに残した秋のビートから、次にくる春の予兆を密かに孕んだ冬のビートに変わった感じ。湖をとりまく自然の大いなる胎動。湖をとりまく自然の胎動
春から初夏の、カヤック&SUPツーリングに最適な季節に入ってきました。海岸を取り巻く周囲の山々の新緑の生命感、暖かくなった海面から香ってくるような、心地よい潮風。とくに紀伊半島の新緑のエネルギー感は特筆に値するもので、鮮やかな緑、濃い緑、深い緑、爽やかな緑・・・、さまざまな色調の緑がパッチワークされたように山の斜面に張り巡らされる様は、見事なものです。波の鼓動に揺られながら新緑の生命感に感じ入っていると、大自然とつながる根源的な喜びを実感できることでしょう。またゴールデンウィーク近辺には、周囲のミカン山のミカンの花が一斉に咲き、夕刻、その香りが風に乗って海辺に運ばれてきます。その香りが潮の香と混じり合い、海岸線一帯が不思議な芳香に包まれます。夕焼けの色彩と相まって、幻想的なひととき。五感や身体感覚を心地よ...五感や身体感覚を心地よく呼び覚ますツアー
先日は海南市にある鏡石山をトレッキング。和歌山の都市部のすぐそばにあり、かなりアプローチしやすい場所にありながらにして、結構山深く、長い縦走路もあり、充実した一日を過ごせるコース。それにしても、紀伊半島はやはり新緑のエネルギー感が凄い。和歌山は桜より、新緑なんですよね。あんまり言われることがないけれど、黒潮に育まれた温暖な紀伊半島の新緑の生命感は、世界でも有数ではないかと思う。熱帯ではここまで植物の種類はないし、また季節感による一気呵成の盛り上がりもない。北方の場合は、どこかはかなげだったりする。ここまでのエネルギー感は、紀伊半島ならではのもの。鏡石山トレッキング
先日の近江八幡ツアーシリーズ中の休日に登った武奈ケ岳。ブナの樹林帯と、高度を上げると展望が広がる稜線からの景色が抜群にいい。頂上から見わたせる琵琶湖の風情も素晴らしかった。反対側に目を転じると、この日は霞んでいて目視では見えなかったが、山々の向こうに、存在感として日本海の気配を感じさせた。海の中の列島、そしてその列島の中の「山と湖」という関係性を強く意識させられた。大きなスケール感ある自然の姿を、身体イメージとして捉えることのできた一日だった。武奈ケ岳トレッキング
リゾートで有名な南紀白浜より少し南に行くと、南白浜と呼ばれるひなびた海岸線が出てくる。その野性味を帯びたひなび感が好きだ。富田川河口からメズロノ鼻の奇岩群を経て太平洋へワープ南白浜の鄙び感
いつ来ても神々しい、黒島の洞窟。黒島の洞窟
”海に親しみ、自然から学ぶ教室”来たる来たる5月21日(日)、6月10日(土)、7月17日(月・祝)の3回にわたり、子供向きのカヤック&アウトドア教室を開催します。https://www.island-stream.com/sea_kayaking/index.php?p=kodomokayakカヤックやSUPは、自然と触れ合う最良の方法の1つであり、そこから多くのことを学ぶことができる素晴らしい遊びです。自然を味わい、楽しむ感性は、心豊かで幸福な人生を送るための重要な要素となるもので、最新の脳科学や精神医学の見地からもそのことがクローズアップされはじめていますが、子供の頃の自然体験が、その下地を作ると言っても過言ではありません。当店が開催する教室では、安全に楽しみながら基本的なスキルを身につけ、自然と親...カヤック&アウトドア教室
当店目の前から出艇する、定番の湯浅湾ツアー以外にも、様々な場所でのカヤッキングを楽しめる時期に入ってきました。とくにこれから、新緑の時期に入りますが、カヤックの目線から見る、紀伊半島の新緑がいっせいに萌えあがる生命感は、なかなか凄いものがあります。いつも言うことですが、紀伊半島は桜よりも新緑が特筆に値します。絶景はもちろん、そんな新緑のパワーを味わえる和歌山の海岸線。ぜひ漕ぎにお越しください。【湯浅湾シーカヤック&SUPツアー毎日開催中】https://www.island-stream.com/【4月16日(日)カヤックナビゲーション講習】地形や気象を読み解いて進むナビゲーションは、必須スキルですhttps://www.island-stream.com/sea_kayaking/index.php?p...春から初夏にかけてのスケジュール
春の近江八幡シリーズも無事終了。帰路、高速をトレーラー転がしながら、おもろくもない阪神の試合をラジオで聞いてると、なんとプロ未勝利の村上投手が7回終了時までパーフェクト、初勝利が完全試合という可能性が出てきて超ワクワク。ところが次の回でピッチャー交代、しかもその代わったピッチャーが同点ホームランを打たれた。阪神らしすぎ。阪神の応援は、吸いたくもないタバコを惰性で吸ってしまう行為と似ている。なまじ3位とかで終わるなら、最下位の方がいい。4月の時点で2勝19敗くらいに崩壊して頂き、以後全く関心なくなるってくらいでちょうど良い。今回の投手交代には失望した。試合に勝つ確率を第一に考えての事だろうけど、勝ち負け以前に夢や幻想のないスポーツなんて、見る気がしない。最初から何にもしなくても人気あるスポーツとして、また人...野球
AndréToussaint–Troubadour1962Carib–LP2025Calypso,Junkanoo今後、「自然と音楽」というテーマで様々な音楽を自由に論評していくシリーズを、電子書籍で出していこうと計画中なんだけど、その流れでリサーチしていて、隠れた超名盤に出会った。カリプソっていうジャンルの音楽は、レゲエ/サルサ以前、キューバ危機以前のカリブ海におけるいい意味での雑多カルチャー感が出てて面白いんだど、この作品にはその良さが遺憾なく発揮されている。ちょっと感動。アンドレ・トゥーサン──ハイチ出身でバハマで活動した人という経歴も面白い。歌とギターは超一流のマエストロ、だけど知名度はゼロ、世界は広い。隠れた超名盤
毎日新聞連載コラム「シーカヤックで地球再発見」、70回目はニューカレドニアの旅についてです。よろしければどうぞご一読ください。ニューカレドニアの鳥
毎日新聞連載記事「シーカヤックで地球再発見」、69回目は沖縄・慶良間諸島です。青という色について書いています。興味のある方はどうぞご一読くださいませ。ケラマブルー
毎日新聞連載記事「シーカヤックで地球再発見」、68回目は熊野と伊勢の境界についてです。興味のある方はどうぞご一読くださいませ。南伊勢の秘境
しばらく投稿してなかったやつをまとめて。毎日新聞連載コラム「シーカヤックで地球再発見」、66回目は熊野灘のワイルドゾーンの2回目です。僻地中の僻地にこそ、古いエッセンスが残されているという話。興味ある方はどうぞご一読ください。僻地中の僻地
アイランドストリームの業務もシーズンインしましたが、春のツアー&イベントスケジュールは下記のようになります。ご予約受付中。【湯浅湾シーカヤック&SUPツアー毎日開催中】https://www.island-stream.com/【3月11日(土)第12回、高野山町石道・ピーストレッキング】東日本大震災の犠牲者への哀悼をこめて、祈りの聖地へとトレッキングhttp://islandstream.la.coocan.jp/kouyasan.html【3月12日(日)中紀・産湯海岸ツアー】中紀にありながら、南国風情が漂う海辺をツーリングhttps://www.island-stream.com/sea_kayaking/index.php?p=ubuyu【3月18日(土)ナビゲーション講習】地形や気象を読み解いて...春のツアー&イベントスケジュール
前回の報告に引き続き、ニューカレドニア、カヤックトリップの写真。自然の美しさと、人々の優しさ。朝3時半に起き、日の出前に出艇。7〜8時間ほど漕ぎ続け、風が強まる昼過ぎに上陸して木陰で昼寝。その後釣りしたり素潜りしたりして夜は焚き火。そんな毎日。予想以上に風が強く、きつい日も多かったが、その分漕ぎ終わった後の昼寝が心地よかった。海風と波音の相乗効果で、昼寝という行為そのものが一つの素晴らしいアミューズメントだといえる体験。現地の人々がよく昼寝しているわけもよくわかった。なんというか、DNAを慰撫するような心地良さ。これはニューカレドニアならではの空気感が醸し出すものだろう。夜は星がすごかった。焚き火、波音、星空、ただそれだけで世界のすべてを描きだすかのようにパーフェクトに調和していた。そんなとき、ぼくは球体...時間と空間の旅
ニューカレドニア本島のグランドテール島へのカヤック遠征から帰ってきました。約3分の2の海岸線、距離にして寄り道も含めて1000キロ弱漕いだことになるかと思います。旅の記録は、ここでは載せきれないので、3月終わりくらいに当店アイランドストリームにてスライドショー報告会を開催するつもりです。また決まったらお伝えします。それとこれからボチボチと本として原稿執筆していきます。よろしくお願いします。ニューカレドニア、カヤックトリップ
東日本大震災の犠牲者への哀悼と復興への祈りを込めて、毎年3月11日に祈りの聖地である高野山へと歩くピーストレッキングを行っていますが、2023年度も3月11日(土)に開催します。年々風化していく感のある東日本大震災や原発事故ですが、やはり今に続く日本社会の現状にインパクトを与えた事象ということに変わりはなく、時々振り返って考えてみること、そして犠牲者への哀悼をささげることも、時として大事なのではないでしょうか?またいつ何時、自然災害が起こるか分からない日本に生きる限り、時折思い返して教訓にすべき大災害だったかと思います。なかなか改まってそんなを考えたり振り返ったりする機会のない忙しい日常ですが、そういう意味も込めて興味のある方は是非ご参加下さい。もちろん、小難しいことをしたり話し合ったりするわけでもなく、...高野山トレッキング
毎年春に定番となっている近江八幡水郷・桜花見ツアーは2023年は、4月6日(木)、7日(金)、8日(土)、9日(日)、10日(月)、11日(火)の各日で開催します。近江八幡市街地すぐの場所にありながら、一歩水の上に浮かぶやいなや、別世界へとワープ。黄金色に染まったヨシと青い空、流れる白い雲。風にいっせいになびくヨシ原の乾いた音。水鳥の鳴き声、周りを囲むなだらかで小高い山。そして岸辺に咲く春の草花とともに、水路にしだれかかるような桜並木。春のうららかさに包まれた迷路のような水路を迷いながら進んで行く、カヤックならではのお花見をたっぷり楽しみます。個人的にも、このツアーをやらなきゃ春になった気分がしないという、大切にしているツアーです。予約受付中、詳細はこちらのページをご覧下さい。※1月~2月は海外遠征&執筆...近江八幡・桜花見カヤックツアー
皆さん、新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。なお、アイランドストリームの営業ですが、1月~2月は海外遠征のため、お休みとさせていただきます。湯浅湾ツアー他の業務再開は3月1日からとなります。今年はアイランドストリームも創業20周年となりますが、ますます充実したツアー&イベント業務、それからパドルスポーツの普及活動を展開していく予定です。また個人的には、執筆活動やスライドトークショーなど、コンテンツを発信していく活動に、よりエネルギーを注ぎたいと考えています。お店としての活動、個人としての活動・・・・・・、トータルで自然の素晴らしさ、地球の尊さ、この世界の可能性の豊かさを追求し、発信し、皆さんとシェアしていければと考えています。よろしくお願いいたします。あけましておめでとうございます
毎日新聞連載コラム「シーカヤックで地球再発見」、今回は熊野の海のダイナミズムについてです。もしよろしければどうぞご拝読ください。熊野のダイナミズム