江戸川橋へ(01)
ウダウダした気分で作業が捗らず、朝から晩までボケーッと過ごしているある日、朝食を摂っていると妻が「あんた、どこか行きたいところある?」と唐突にたずねてきた。「花見して酒飲んで、テンションあげたい」「なに言ってるの、密じゃない」「コロナなんて関係あるかいな」。そこで、こいつはそもそもなにを語りたいのだろうかといぶかしむと、「実は~」と妻が切り出した。要は、コロナのおかげで2020年度の会社の福利厚生をまったく利用していない、そのためポイントだけはたまっているけれど、それが3月末で消滅してしまう、したがって、ちょっと贅沢なことをしたいなる、箆棒にプチブル的なご相談を遊ばされているようである。相手が妻でなくどこかのきれいなネーチャンだったら、鼻の下を伸ばして「ほな、二人でどこか鄙びた温泉にでも行こうか」と下卑た薄笑い...江戸川橋へ(01)
2021/03/22 18:43