死者登録~ジョー・ホールドマン②
「わたしにはしつっこい睡眠障害があり、生きていくにはなかなか辛いが、これは大事に持っていたいと思う。そりゃあ、大事にしたいとも。もとをただせば二十年も昔、ヴェトナムへとさかのぼるものだ。グレイヴズへと。」ヴェトナム戦争時、米軍の戦死者の、なかにはバラバラとなった遺体は、それなりに縫い合わせ、遺品を整理して、棺に封印し、一定数たまると、飛行場へトラック輸送するという業務を担当する「死者登録所」にいた「わたし」。あるとき、現場死体を見に来てほしいという要請に、ヘリコプターで現地に向かう、わたしと上官のフレンチ大尉。そこには、乾いた皮膚が骨格に張り付き、歯をやすりで削られた、現地の山岳民族とおぼしき奇妙な遺体があり、ヴェトコンによる拷問によるものではないかとの疑念があるとのこと。死体を検分している最中、敵襲があ...死者登録~ジョー・ホールドマン②
2022/10/31 22:08