何卒、そなたの白い肌を私にだけ、お見せくだされ6-7
私は来た道をしばらく眺めて、門の外、歩道を下った。 知らない場所、入り組んだ住宅地。 下りは迷いようがないの、だってどこかに道は通じているのだ、先は少しだけ見えてる。 上りとは違ってね。 ディーラーから一台の車が斜線に合流した。 店員が二人、いつもは下げない頭を無理やり地面に近づける。 固まったことを感じようともしない顔の筋肉みたいだ。 ディーラーの道を挟んだ反対に蕎麦屋が見えた。 それらしい店名。 各料理店にふさわしい店名もお客に対するわかりやすさに隠れて、思い込んだ名称の選択に違いない。 いくら凝っても、味は食べてみないことには判断ができない。 私は入り口の暖簾をくぐって、ドアを引きあける…
2025/06/28 13:00