吉田初三郎『金谷牧の原鳥瞰図』
金谷牧の原鳥瞰図を眺めるコロナ禍の最中にあって、近隣歩きのネタを求めた『古地図で楽しむ駿河・遠江』(加藤理文編著・2018年風媒社)の冒頭に、吉田初三郎の鳥瞰図がいくつか掲げられていた。吉田初三郎という鳥瞰図絵師の名を聞いたのは、『やまびこ』245号(2017年9月)「地図は物語る」と題した鈴木雅春さんの巻頭エッセイで、その時、大いに興味を覚えた。――描かれている情報は、その場所に人を誘う目的でデェフォルメされており、ある物語を伝えてくれている感さえある。――全ての任意の地点が、どの方角からも同様に同等に、すなわち等距離に描かれる地形図とは全く逆に、鳥瞰図には主観的な視点(目的)が存在するから、図の中心にはその視線の先、すなわち目的の核心が描かれることになる。そこから眺められるストーリー性が面白いのである...吉田初三郎『金谷牧の原鳥瞰図』
2024/06/29 11:24