声優小説家ばなやん(PN:橘右近)のオリジナル小説をメインに、自分を主人公にした小説を書くことで人生を楽しく理想のものにしよう!という講座を公開しています。
また電車がせわしなく人を吐き出し、飲み込んだ。 反対に僕はゆっくりと鉄格子をつかみながら膝を落とした。肝心の「では、どうすればいいか?」がわからず、頭に大きなおもりがあるみたいだった。重くのしかかり、苦しい。 ドサリと鞄が肩から落ち、紙が小
それから僕は生きることも死ぬこともできなくなった。生きることも死ぬことも怖くなった。 あの男のように飛び降りたとしても、今の僕ではこう言われるだけの価値しかない。 「どこか違う所でやれよ」 一時いっときは話題になるかもしれない。同じ学校の奴
それは強い衝撃だった。 外部から物理的にというよりは、内部がめまぐるしい速さで動いているようだった。 頭に心臓があるのではないかと思うほどの鼓動が激しく高鳴る。緊張で汗をかく。手は微かに震えていた。 人が、死んだ。 見てしまった。その黒い塊
その後男がどうなったのかはわからない。もちろん、ニュースにも載ってない。次の日にもう一度訪れたが、何の変哲もなかった。警察が『立ち入り禁止』の境界線を貼ることもなければ、以前と変わらぬ静けさを保っていた。 もしや、あれは夢だったのではないだ
「またしようね」と、赤い唇が動いた。 そして制限時間ギリギリとなった彼女は、そそくさと部屋を出る。その後姿を見て僕は思った。 残念だけど、それはない。 僕の初めては終わってしまったから。 僕の初めては113秒。 ある日の夕方、家へ帰ろうとす
「ふっ、う……うう」 急に涙が溢れ出た。次々と零れる涙を、カードを持ったままの手で拭う。むせ返るように溢れる感情をもはや止めることは出来なかった。 私だけに向けられた優しさも、喜ばせようとしてくれたことも、幸せを願ってくれたことも全部そうな
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