坐禅の肝心要の所『第十二坐禅箴』12-2-3〔評釈〕
ここに出てきた「脱落」「葛藤」「坐禅かならず図作仏」「前・後・正当恁麼時」について、坐禅の実物の様子に引き付けて理解すべく、弊見を述べてみたいと思います。 まず、「脱落」です。「図作仏は脱落にして、脱落なる図作仏か」という原文を「坐禅している一瞬一瞬の様子を作仏の様子(図作仏)と言っても、一瞬前の様子は抜け落ち跡形も残らず、今の様子だけがこうやってあるのだ」と解釈します。 次に、「葛藤」です。「この図に葛藤しもてゆく」を「この坐禅の様子の中で見たり聞いたり感じたり思ったりすることによって、様々なものが蔓草のように絡み合っていく」と解釈します。私たちは、思考や感情が湧き上がってくると、それを邪魔…
2025/07/12 09:02