今読んでいる本について
ジョセフ・ラズ『価値があるとはどのようなことか』 法哲学者として有名なジョセフ・ラズだが、その著作はあまり邦訳されておらず手が出しにくかった。それが文庫という学生でも手に入りやすい形式で邦訳されたので、買って読んでみた。 感想としては、とにかく読みづらい。 決して小難しい用語や専門知識、無意味なレトリックなどが多いわけではなく、どうやら翻訳に問題があるわけでもないようだが、ただただ難解だ。なんというか、この著者に特有の、自分の主張を裏付ける論証だけでなく、その正当性を揺るがすような議論をわざわざ自分で考え出して、それにさらに反駁しながら自分の主張の輪郭を明確にしていくというスタイルのせいで、議…
2023/02/25 20:43