俳句には一連の心の流れがあり
実感の重みと言えば、そこには必ずと言っていいほど潜在意識を内包している作者の意志が色濃くある。その潜在意識を顕在意識に変革させたのが次の句である。あやとりのエッフエル塔も冬に入る有馬朗人俳句総合誌「俳壇」2005年8月号より。作者は「天為」主宰者。元東京大学総長、元文部大臣。ここにある作者の抒情は句の発想においての思考の中に顕在意識→連想→潜在意識の心の流れがとても強くある。作者の見えている光景を、ただ単に見ているだけなれば、何の感情などは発生しないのだが、作者が興味をもつに至った見えている光景には感情が生まれる。このとき作者の心には潜在意識があっての興味が生まれる。この句の場合には「あやとり」の目視より「エッフエル塔」の発想がなされている。「あやとり」の動作により出来上がるまでの過程の中に、幼い頃お母さ...俳句には一連の心の流れがあり
2023/05/29 15:19