飯島晴子さんの作句法
土用波薄刃こぼれの波も来る庸晃(2006年8月6日記述)武庫川を南へ歩くこと4キロ少し青みの増した水が見えるとそこで河川は終る。河口である。前方に広々とし水平線が見え巨大な船舶が通過してゆく。そのたびに波のうねりが押し寄せてくるのだ。小岩を乗り越えさらに岸へと届く。岩の隙間に住む蟹たちは押し流されてしまう。…そんな風景に出会ってからここへは一週間も通った。ましていまは土用である。実は写生の本質に触れたくて、その姿の刻々をこの目で確認したかったのである。そしてこの「薄刃こぼれの」言葉を得た。虚子の写生俳句論に始まり飯島晴子さんの俳句作法にぶっつかったとき、私の胸中に炎が宿り或る闘いが始まっていた。このふたりの俳人の間に共通点らしきものが見えてきたときであった。然ういへば葵祭に会ひけらし晴子さんの「儚...飯島晴子さんの作句法
2022/11/30 16:54