内臓手術的体感 ー 小田香『鉱 ARAGANE』
小田香監督による2015年作『鉱 ARAGANE』について。 『伯林』『カメラを持った男』のような都市映画の形式をもった映画だが、それら映画とは真逆に、機械の運動はリズミカルではなく痙攣的。人間は機械の一部のように同期して動くのではなく、機械に対して外部の存在としておかれている。鳴る音は不快で、特に労働者の振り下ろすハンマーの打音、ダイナマイトによる爆破音は身体的な拒否感を伴って響く。 炭鉱の地上から、労働者と共にその地下へと侵入し、そして出てくるという構成。機械が炭鉱の一部のように撮られており、炭鉱があたかも人間によって一部機械化された一つの生き物であるように感じられる。人間はその生き物のよ…
2023/01/19 18:12