泣く場面
泣く場面、シチュエーションは、お芝居のように決まったところではない。 これを見て、これを聞いて泣き崩れるなんて、必ずそうではない。 Mが登った山に行って、倒れていたであろう場所に立った。 きっと同行者は、ここで私が泣くなり取り乱すなりするかもと思ったかもしれない。 でも、泣きはしなかった。うるっとはきたけれど、皆んなの前で泣いたりはしなかった。 葬儀の時も義姉に泣いていいんだよ、と言われてもその時には泣かなかった。 その事実を受け入れられない者は、決まった場面で泣く訳ではない。何が起こっているのか、認識できないでいる。 そんな時よりふとした瞬間に激しく泣く。どうしようもないくらいあふれて止まら…
2022/08/22 21:47