塩狩峠の思い出
『信徒の友』5月号で、作家の三浦綾子さんが特集されていました。クリスチャンの作家として知られている三浦綾子さんの作品の中でも、クリスチャンとしての「自己犠牲」をテーマにした『塩狩峠』には、特別な思い出があります。私が『塩狩峠』に出会ったのは、通っていたキリスト教主義学校の映画上映会でした。全校生徒が講堂に集められ、映画化された『塩狩峠』を観る機会がありました。「えー、やばい」「うそー」「げらげらげら…(笑い声)」講堂に響き渡った無数の笑い声は、映画のクライマックス、暴走していた電車の下に鉄道職員の青年が飛び込み、電車が停車した場面でした。私は、騒がしい講堂の中で1人、ショックで言葉が出ませんでした。それは、映画の場面に対してではありません。同級生たちの反応が驚くべきものだったからです。そして、ああ、これがキリ...塩狩峠の思い出
2022/04/24 19:23