エモーショナルが分からない
年をとっているのは確実に私のようである。電車の車掌や、床屋の職人や、あるいは巡査、といった、いわば「目上」の職業の中に、自分より年下の人があらわれるようになったころから、私は年をとり始めたのだと思う。大学生なんていうのも、なんとなく老成した人びとだと思っていたのだが、いつの間にかただの子供っぽい連中に変質してしまった。ー伊丹十三『女たちよ!』よりあれは確か、PUFFYが『アジアの純真』で衝撃?のデビューをした頃だったと思う。父親が「最近の若者が使う『やばい』の感覚が分からない」とボヤいていたことがあった。「悪い意味で使う『やばい』は分かるが、この頃は良いことに対しても『やばい』と言っている。あの感覚がさっぱり分からん…」そんな父の言葉を、近ごろよく思い出す。なぜなら私も、最近の若者が使う「エモい」の感覚がぜんっ...エモーショナルが分からない
2021/08/29 03:52