細雪のキャスティングを考える
お前が結婚すればそれが嬉しい。お前が結婚しなければそれも嬉しい。—武者小路実篤「こいさん、頼むわ。———」というわけで(?)図書館のブラウジング中に目があった、谷崎潤一郎の小説『細雪』を、数ヶ月かけてちょっとずつ読んでいます。『細雪』作者:谷崎潤一郎1936年(昭和11年)秋から1941年(昭和16年)春までの大阪船場の旧家を舞台に、蒔岡家の四姉妹(鶴子・幸子・雪子・妙子)の日常生活の悲喜こもごもを綴った作品。-以前『春琴抄』と『富美子の足』を読んで、文学っていうかエロ小説やんけ!と思っていたけれど、『細雪』はぜんぜん雰囲気も異なり、とっつきやすい上に戦前の富裕層の暮らしぶりや結婚観、やわらかな船馬言葉(関西弁)、美しい四季の移り変わりが味わえる上等な文学だった。「細雪」というタイトルだけあって、三女の雪子ちゃ...細雪のキャスティングを考える
2021/01/04 04:24