愛燦燦－シンイ二次小説－

258．割愛【7】

「急ぐなら一緒に乗った方が早いわ」私は嫌がるムジンさんを説き伏せ、馬車に引き入れた。典医寺で殴り掛かってきた時や、チェ家の門前で怒鳴っていた時の威勢の良さは無…

2022/11/30 22:41

257．割愛【6】

「ウンス様、支度はお済みですか？」閨室の外からファジャさんの声がして、私はぼんやりと見つめていた櫛から顔を上げた。「テマン様がお見えになりました」「今行きます…

2022/11/22 05:02

256．割愛【5】

隅にぽつりと明かりが灯された室内は程良い薄暗さで、俺は奥の壁を背にして結跏趺坐（けっかふざ）を組んだ。ヒョンウが扉の外に腰を下ろす気配を確かめて、静かに目を閉…

2022/11/17 22:53

255．割愛【4】

夜半を過ぎた頃。俺はチュンソクに警護を引き継ぎ、王様の寝所を後にした。あれほど騒々しかった宴もとうに果て、今では屋敷全体が糸を張り詰めたかのような沈黙（しじま…

2022/11/06 21:42

254．割愛【3】

茶を淹れ終わったドチ内官が寝所から退室するのを見届けて、俺は王様の対席に腰を下ろした。「予想以上に広大な屋敷であったな。其方達には苦労をかける」宿泊先を変更し…

2022/11/03 00:07