NHKの日曜大河ドラマ『光る君へ』が、平安の最高権力者の藤原道長と『源氏物語』の作者紫式部とが恋愛していたというので、それだけを聞いて食わず嫌いになってしまった。ところが平安時代の日常生活が描かれていて、一応の時代考証が反映されていることで、急に興味が湧いてきた。 例えば真...
FMラジオやテレビやCDのクラシック音楽の放送批評に特化したブログです。
1-3楽章は空振りといったところか。第四楽章、狂気から生み出されたホーネックの独自な解釈が生まれた。 Poco piu animatoを狂気に満ちた熱情と解したホーネックは漫画的な速さでアッチェレラント(加速)で演奏した。 ホーネックは296-307小節まで、狂気的な速さで...
装飾音符を演奏したリーニフ指揮プラハ・フィルハーモニアのモーツアルト38番
オクサーナ・リーニフ(1978-)が楽譜にない装飾音符を演奏したことで古楽器派のモーツアルト指揮者であることが判明した。かつ大変な名演であった。 第一楽章。 121-123小節のホルンはf明記ながら、アンスネスとリーニフはこのfをそれ以上に強調していたところで、並みの指揮者...
ペトル・ポペルカ(1986-)はウィーン響を解任されたエストラーダの後任になった人だ。余程の実力のある人と見たが、ローカル色満載でドボルザーク8番を指揮した。それはCD録音でよく聞く演奏とは異なって、異色な演奏となった。 小生はマンフレット・ホーネックを天才と崇めている信者...
今夜のN響ライブ放送の圧倒的な喝采に、躊躇せざるを得ないのであるが、エッシェンバッハ不調説を唱えたい。 第一楽章、199-122小節の金管の曖昧模糊なテンポの落とし方に賛成できかねた。 今回のエッシェンバッハのポコ・リタルランドは、奇しくもハイテインク指揮ウィーン・フィル(...
ヤノフスキのブラームス交響曲1番は、ドイツの正統派の演奏を披歴するというよりは、結構独自の解釈を前面に出したものであった。(2024・4・13) その最たるものは第一楽章のコーダに現れた。 495小節「メノ・・アレグロ」のホルンの強調は歴然としていた。楽譜はpだが、ヤノフス...
独創的だったデュフレーヌ指揮東京フィルのベルリオーズ『幻想』交響曲
女性新人指揮者のクロエ・デュフレーヌ(1991-)の『幻想』は独創的な響きが随所で聞こえた。東京フィルに初登場であるそうだ。 第一楽章、「夢・情熱」で、490小節。 490小節のテインパニは、楽譜は8分音符2つになっているが、フランスの伝統では4分音符1つで打つようである。...
十代目市川団十郎(1882-1956)の謎を解く。富豪刑事・富豪同心・富豪歌舞伎役者
華麗なる柳田国男の一族(長兄松岡鼎の再婚者が十代目団十郎の姉) 大正天皇の貞明皇后の前で松岡天才四兄弟に言及する人がいると、田舎に兄さんが一人いると松岡鼎(1860-1934)の名前を、貞明皇后が挙げたという逸話が残されている。この人の後妻が十代目市川団十郎の姉...
大野和士指揮東京都交響楽団ブルックナー3番(4月3日ライブ)
4月3日ライブというと今日です。まだライブになっていません。今から19時間前投稿というと、4月2日4時ということになります。午前のリハーサルということになりますか。 面白いですね。4月3日午後7時サントリーホール開演の演奏を一足先に耳にしました。といことで、一足先に大野和士...
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NHKの日曜大河ドラマ『光る君へ』が、平安の最高権力者の藤原道長と『源氏物語』の作者紫式部とが恋愛していたというので、それだけを聞いて食わず嫌いになってしまった。ところが平安時代の日常生活が描かれていて、一応の時代考証が反映されていることで、急に興味が湧いてきた。 例えば真...
ブルックナーの交響曲3番は60分かかる。それを2分30秒で紹介するというのがショートだ。@syphony-liveのショートが紹介しているのが、バレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団の演奏だ。 これは確かにブルックナー交響曲3番の名演に違いない。バレンボイムはブルックナ...
1-3楽章は空振りといったところか。第四楽章、狂気から生み出されたホーネックの独自な解釈が生まれた。 Poco piu animatoを狂気に満ちた熱情と解したホーネックは漫画的な速さでアッチェレラント(加速)で演奏した。 ホーネックは296-307小節まで、狂気的な速さで...
オクサーナ・リーニフ(1978-)が楽譜にない装飾音符を演奏したことで古楽器派のモーツアルト指揮者であることが判明した。かつ大変な名演であった。 第一楽章。 121-123小節のホルンはf明記ながら、アンスネスとリーニフはこのfをそれ以上に強調していたところで、並みの指揮者...
ペトル・ポペルカ(1986-)はウィーン響を解任されたエストラーダの後任になった人だ。余程の実力のある人と見たが、ローカル色満載でドボルザーク8番を指揮した。それはCD録音でよく聞く演奏とは異なって、異色な演奏となった。 小生はマンフレット・ホーネックを天才と崇めている信者...
今夜のN響ライブ放送の圧倒的な喝采に、躊躇せざるを得ないのであるが、エッシェンバッハ不調説を唱えたい。 第一楽章、199-122小節の金管の曖昧模糊なテンポの落とし方に賛成できかねた。 今回のエッシェンバッハのポコ・リタルランドは、奇しくもハイテインク指揮ウィーン・フィル(...
ヤノフスキのブラームス交響曲1番は、ドイツの正統派の演奏を披歴するというよりは、結構独自の解釈を前面に出したものであった。(2024・4・13) その最たるものは第一楽章のコーダに現れた。 495小節「メノ・・アレグロ」のホルンの強調は歴然としていた。楽譜はpだが、ヤノフス...
女性新人指揮者のクロエ・デュフレーヌ(1991-)の『幻想』は独創的な響きが随所で聞こえた。東京フィルに初登場であるそうだ。 第一楽章、「夢・情熱」で、490小節。 490小節のテインパニは、楽譜は8分音符2つになっているが、フランスの伝統では4分音符1つで打つようである。...
華麗なる柳田国男の一族(長兄松岡鼎の再婚者が十代目団十郎の姉) 大正天皇の貞明皇后の前で松岡天才四兄弟に言及する人がいると、田舎に兄さんが一人いると松岡鼎(1860-1934)の名前を、貞明皇后が挙げたという逸話が残されている。この人の後妻が十代目市川団十郎の姉...
4月3日ライブというと今日です。まだライブになっていません。今から19時間前投稿というと、4月2日4時ということになります。午前のリハーサルということになりますか。 面白いですね。4月3日午後7時サントリーホール開演の演奏を一足先に耳にしました。といことで、一足先に大野和士...
1949年『下山事件』が起きて、70年が経過して下山事件も風化して、分かったことがある。もう少しも重大事件でなくなった。そこで初めてNHKは大胆にもアメリカの謀略だと断定したことである。 西武の堤清二と柳田邦男との対談で、堤は共産党員の在籍と細胞活動からアメリカの謀略を認め...
今日で『ブギウキ』最終回となりました。笠置シズ子の死まで演じられるのかと思ったら、意外でした。ブギウキの女王として戦後闇市、まさにオキパオト・ジャパン占領下の日本を代表する歌手でした。 笠置シズ子のものまねで出てきた美空ひばりに、歌手の座を奪われる笠置シズ子は喜劇女優として...
「私はこの世から忘れられ」とは、グスタフ・マーラーの歌曲だが、カルロス・クライバーの伝記の副題になっている。この人もマスコミの寵児にして「私はこの世に忘れられて」派の隠遁生活を好んだ。(ちなみに夫人の故郷である東欧の小国に住居して、スロベニアは桃源郷のような純朴で美しい土地...
その作品は善か悪か。人々の議論を巻き起こす問題作に迫るドキュメンタリー。「キャッチャー・イン・ザ・ライ」。世界的ベストセラーは何故全米で禁書処分を受けたのか?(NHK) 暴力的な描写や不道徳な表現、ジョン・レノン殺害の犯人やレーガン大統領暗殺未遂の犯人が愛読していた『ライ麦...
ドゥダロヴァはロシアの指揮者、1944年ないしは1947年にプロの指揮者になった。女性の社会進出はソビエトでも奨励され、その建前でプロの指揮者の道を歩み出すことが出来た。アメリカでもそれは試みられたが、成功には至らず挫折の映画化がされている。そういう点ではお題目があることは...
2024年ブルックナー生誕200年記念年、驚くべきことはかくも1874年版初稿版の録音の多岐な数に及ぶことだ。 再度注意喚起すれば、この指揮者たちには新旧2派に分かれる。全く年齢による分類なのだが、新旧両派にまたがるのがエリアフ・インバルで、この人が又初稿版1874年版を最...
映画『オッペンハイマー』と映画『バービー人形』が同時期に公開されて2つとも大ヒットした。アメリカの観客は2つは同じと判断したという。2つは男の物語・女の物語で、アメリカの代表的なインテリ男・白痴美人かつ1960年代のアメリカンである。そういえばケネディ大統領と女優マリリン・...
スタインバーグ(1899-1978)のブルックナー交響曲4番の最初の録音はピッツバーグ交響楽団で、1956・4・19というデーターが残っている。多分ピッツバーグ交響楽団はブルックナーの交響曲を演奏するのは初めてのようで、困難を極めた練習の光景がドキュメントで残されている。ア...
世紀の天才科学者オッペンハイマーとアメリカ共産党党首ランバートとは、6回会っている。ソビエト共産党からウラン鉱床についての情報を入手せよと命じられていた。オッペンハイマーの恋人ジーン・タトロックは知り合いだったので、面会してその情報を得たかった。 ひょんなことから驚くべき情...
起 映画『オッペンハイマー』が今月公開されることになった。昨年アメリカで大ヒットしたが、内容が硬いというので日本では見送りとなった。それが撤回された。 オッペンハイマーといえば、日本では本を通してしか知らないわけだが、映画では大いに相違してい...
東京銀座の高級ブランド腕時計店強盗事件で、通り掛けの女性がドアを閉めて犯罪行為に抵抗する姿が話題になっている。何人かが眼前で犯罪行為がおこなわれていることに、こんなことが許されてはいけないと自然発生的な良心の抗議を表現している。 この国が無法地帯になる境界線に立っている気が...
フランクの巨漢の体格に相応しく強引に引っ張られてゆくドビッシーの『海』は改訂版の楽譜の弱点にもかからわず、強引な音作りが功を奏した。 フランクはあまりテンポを揺らさないのだが、それでも最小限のアゴギーク(伸縮)があった。第三楽章の49-10小節で例によって幾分テンポを落とし...
バーメルトに間違いがあるとしたら、この画期的な演奏を消極的に表現したことだろう。本邦初の新全集版の楽譜で8番(9番)を演奏したことは画期的なことだ。 ノーマルなオーケストラではアバドが紹介した新全集版の楽譜で演奏されることは日本でも欧米でも稀である。アバド指揮ヨーロッパ室内...
4月29日(土)Eテレで、『魂を継ぐもの~破滅の無頼派・西村賢太』が放送された。例によって件の人物が顔を揃えて七尾の菩提寺に一周忌をおこなった。玉袋筋太郎の元気な姿が見えて慶賀に耐えない。(長く細く人生を全うしていただきたいと願う。)伝説的な人物の朝日書林の荒川義雄氏が登場...
この人の伝統回帰にも凄いものがある。アメリカ時代は機能一点張りの機能主義者で、楽譜に書いてあることを如何に音にさいげんするかに腐心した指揮者だった。そしたら古臭いブルックナーを取り上げ、しかも伝統的な解釈に復帰した。彼の本音はここにあったわけだ。伝統的な解釈を知らないないの...
和歌山の岸田首相爆弾事件の犯人で、消える運命のテレビが再評価されてきた。犯人は安倍国葬に皆が反対しているのに何故実行したかで不満だった。 犯人が日本国民の皆が反対しているのに国葬をやったことに反発した。自分の心地よい意見ばかりに耳を傾けて反対意見が頭に入らない。SNSばかり...
保守論壇の巨星西部邁が、自分の番組で「孤高の指揮者宇宿允人」を特集している。宇宿允人(1934-2011・3・5)の没後百日で追悼番組をした。個人誌『発言者』で西部は宇宿允人を招いて、対談をしたのが最初で、5回ほど演奏会を聞いた仲になった。 宇宿允人が2011年3月5日に7...
従来から『運命』は数学的構造に支配されているということが言われてきた。第一楽章の 提示部・展開部・再現部・終止部が「ほとんど同数の小節数をもち、非常によく部分間の均整がとれていることがわかる。」(諸井三郎)と指摘されていた。 バッハでは占星術の影響で、むしろ厳格な数字が厳守...
東ドイツの名指揮者ヘルベルト・ケーゲル(1920-1990)ほど不運な指揮者はいないだろう。人生には不運続きということがあるが、ケーゲルの不運もそうだった。不運に打ち勝つには奇をてらうしかないのだろう。 1979年、ケーゲルを日本に招聘したのは民音だという説がある。 O民音...
対談の相手は五味康祐、クラシック音楽では最も信頼した人物である。骨董の青山二郎に匹敵する好敵手だ。正直に言えば骨董の青山二郎にクラシック音楽の五味康祐は、落ちるだろう。だが何かオーディオとレコードでは絶対的信頼を置いていた。五味康祐に信用を置く何かがある。実は五味康祐は片耳...
今年は司馬遼太郎(1923-1996)の生誕100年の記念年だそうである。東に松本清張(1913-1997)ありで、ともかく広い読者を持った。小林秀雄も「司馬遼はいいよ」と可愛いがった。大衆作家を国民作家に育てたひとだ。 司馬遼太郎は国民を左翼史観から国民史観に引き戻し、松...
ピアニストのバリー・ダグラス(1960-)、チャイコフスキー・コンクールの優勝者。来日したこともあるピアニスト。随分懐かしい名前である。 アルスター管弦楽団の所在地にして、バリー・ダグラスの生地が北アイルランドのベルファーストだという。ベルファーストと言えばテロの聖地ではな...
ワルター指揮ニユーヨーク・フィル1945年ライブ録音をバンクロフトは研究しているのではなかろうか。それだけにワルターに匹敵した名演であった。 第一楽章。 冒頭のホルンのコラールをワルターはリタルランドを掛けて演奏したが、バンクラフトが踏襲していた。 2と4小節に二人はリタル...
一見何の関係もなさそうでありながら、この二つは同じことを語っている。19世紀のドイツの詩人ミューラー(1794-1827)の詩集『さすらうホルン吹き』(1821)の第一部が『美しき水車小屋の娘』の詩であった。しかしこの詩はイタリアの作曲家パイジェルロの歌劇『美しき水車小屋の...
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(1900-1973・5・28)死去1通間前のライブ録音とのことだが、またドレスデン版を使用していることが珍しい。ドレスデン国立管弦楽団ゆかりの指揮者ブロムシュテットや若杉弘以外に使用しているのはないので、部外者の彼がドレスデン版を使用...
NHKの『映像の世紀バタフライエフェクト—戦争の中の芸術家フルトヴェングラーとショシュタコーヴィッチ』を興味深く見た。人間は国家から逃げられない。サッカー選手によってそれを知らされた。国家を自己否認したところで愚かと知らされて、日本のサッカー選手は改めて欧米並みに自ら国歌斉...
坪内祐三(1958-2020)文芸評論家。一番似ている存在が十返肇か。目立つことなく存在し続けて一度もスポットライトが当たらないで終わった。しかし年収2000万円で20年続けて大層な収入と言えるだろう。著作は60冊、ベストセラーは一冊もなし。売れていないようでいて、売れてい...
1『魏志倭人伝』は邪馬台国の住民が刺青をしていたこと。 2女王卑弥呼は巫女で神託を伝授させたこと。ひいては日本の巫女の原型であること。 * 昨夜NHKラジオの深夜便を聞いていたら、野鳥の紹介で野鳥ミコアリサを紹介されていた。大変興味深く聞...
隅々に至るまで名演であった。92歳でアルプス交響曲を詳細に表現したハンス・ドレバンツと双璧だと言えよう。カサドジュの方は86歳という。 とくに第一楽章の演奏は詳細を極めた。 166小節の反復もカサドジュは行った。 451小節のテインパニでは、一打派と二打派に分かれるのである...
往年の名盤である。87歳の高齢だが細部に至るまできめ細やかな指示が行き届いていて、一点の揺るがしのない演奏が実に明解に聞こえるのが驚異でもある。ステレオ録音の最初期だが、不足のない録音である。 いささか通常でないのは、余人のしない第一楽章の反復を実行したことである。1962...