着物の季節柄の概念は明治後期に商業的に作られたもの②~着物に伝統のあるものは少ない~
(前回からの続き) 今回は、商業的に作られた季節柄には歴史や裏付けがないために矛盾が生じやすく、戦後の1970年代に作られた決まりごとを基準に考えてしまうと、季節柄の判断がおかしくなったり、着物の模様の意味が正しく読み取れなくなってしまうというお話です。 例えば、こちらの紗の生紬の訪問着は、虫かごの絵があるため、昭和後期の呉服教育を受けた和裁士さんは、「虫かごが秋を感じさせるから、7月に着るのはまだ...
2023/06/26 23:47