絵本『ちびくろ・さんぼ』人種差別による絶版問題を抱えたロングセラー
ジャングルを舞台にした『ちびくろ・さんぼ』は120年以上前から世界中で読み継がれてきた古いお話で、日本でも様々な挿絵にて出版されてきた名作。 かの有名な「虎がぐるぐる回って……」のアイデアの素晴らしさには、何回読んでも脱帽です。 この瑞雲舎版の挿絵はアメリカの挿絵画家の手によるもので、コントラストの効いた原色の色使いが素晴らしく、デザイン性も抜群。 これほど読んでいて楽しく、子供時代の記憶に強く残る絵本はそうそうありません。 しかし、一方で『ちびくろ・さんぼ』は重い十字架を背負っている絵本です。 この絵本を取り上げるには、植民地と人種差別、この2つのキーワードを避けては語れません。 特に人種差…
2021/12/18 15:43