ばうんてぃえぴそ~どSS 砂の魔女(100)
「ここは…………?」 目が覚めて初めに映ったのは、ゆっくりと回転する細い風車のような物。 良く見ると、それは天井扇(シーリングファン)だった。つまり、 「宿の…………天井?」 ぱちくりと瞬きをしながら、マリーナ・テレザ・ウィンハルトは天井を眺めている。 ぼんやりと時が経つのも忘れて。 「うぅ~ん」 不意に隣で声が聞こえた。 何とはなしに振り向くと、すやすやと幼子が寝息を立てていた。 「ユノ…………」 自ずと、目に熱い物がこみ上げて来るのを感じつつ、彼女は幼子の頭を優しく撫でた。 階段を下りると、東方娘が二人、円テーブルを挟んで座っていた。 その片方、淡い紫の長髪で左右に団子を作って布を被せた少…
2018/11/23 23:35