ばうんてぃえぴそ~どSS 砂の魔女(99)
一夜が空けた。 それは頭に悪夢のようなとついても不思議はない、いや、むしろ悪夢そのものと言っても良いだろうか。 ともあれ、「これですべて終わったのだ」と、マリーナ・テレザ・ウィンハルトは思った。 窓辺から光射す、ベッドの上で。 あの時、咄嗟に彼女は杖――として使っていた木刀――の本来の持ち主である親友の名を、祈りの言葉と伴に叫んでいた。 持ち替えたその先端を『魔女』へと向けて…… ユノを救いたい。 『魔女』の作りし檻の中で不自由の無い孤独を強いられていた幼子を、この手で開放してあげたい。 それは傲慢な考えかもしれない。 それはただのお節介かもしれない。 それは本人が望まぬ事かもしれない。 だっ…
2018/08/27 19:59