荊州夜曲
唇色褪せた我が人生 草の間に 甘露 ( つゆ ) を求む 悄然なりし眸で追うは 束の間の旧き 幻想 ( ゆめ ) あれは五月の春の陽の 井戸の傍に立つ男 美しき背筋向けたまま 水滴のプリズム私は練絹捧げ持つ 玉虫色の髪恥じもせずに 慄える肩と白玉の手先を 閃光 ( ひかり ) の中侍らせていた今獄中の魂もって 閻魔の罠に掛かろうと 我が舌先は珠を 弄 ( ころが ) さぬ 男とは私にとっては貴方だけだった
2021/06/27 17:43
2021年6月 (1件〜100件)
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