閉鎖病棟の入院も1ヶ月が過ぎると、だんだんまわりが見えてきて、 自然と挨拶を交わしたり、会話をするようになったりした。 閉鎖病棟は病院の3Fにあり、起床から消灯までは、 男女一緒に生活をする。 出入り口は一つで、当然しっかりと施錠されている。 入院中に男性患者が脱走を試みたが、10分で取り押さえられた。 入院2ヶ月を過ぎた頃に、病院内での散歩が許可された。 緑が多い、広い庭に出て大きく深呼吸をすると、 空気がこんなにも美味しいことを初めて知った。 ベンチに座り、広く真っ青に澄んだ空を見上げていたときに、 あらためて1人になってしまったことに気づき、 涙が止まらなくなった・・・ そばにいた看護師…
その時は何も考えていなかった・・・ 考えられなかった・・・が正しいのかもしれない・・・ ただ、妻がいる場所に行きたかった・・・ あともう一歩踏み出せば・・・妻に逢える・・・ そこからの記憶が無い・・・ 気が付いた時には、精神科の閉鎖病棟のベッドに寝ていた・・・ その日から4ヶ月と10日間の入院生活が始まった・・・ 毎朝同じ時間に起きて、同じ時間に食事を摂り、 同じ時間に薬を飲み、同じ時間に就寝・・・ そして翌朝、同じ時間に起きて・・・ その繰り返し・・・ 閉鎖病棟の入院患者は症状が重いため、 大声で訳の分からない言葉で叫んでは大暴れして、 2~3の看護師に取り押さえられ、 監獄のような1人部屋…
気が付くと白い天井が見えた・・・ どうやら眠っていたみたいだ・・・ 起き上がろうとしたら、頭に痛みが走った・・・ 頭の中がモヤモヤした感じで、 夢の中なのか、現実なのか分からなかった・・・ 「僕はどうしたのだろう・・・」 しばらくして、少しずつ思い出してきた・・・ 妻の子宮全摘出手術の日・・・ 術後にステージ4の癌と告げられ・・・ 余命宣告・・・ その日から始まった闘病の日々・・・ そして・・・ 妻の死・・・ ハワイの海への散骨・・・ まるで走馬灯のように、映像が時系列で浮かんできた・・・ そしてハッキリと思い出した。 僕は、ハワイで妻の手術をするために、ハワイに移住する計画を、 妻が亡くなっ…
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