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いつもの今日 http://calmelavie.livedoor.blog/

おもに読んだ本の感想文ですが、そのほか日々の雑記や独学中のフランス語のことなども書いています。

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2020/09/19

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  • 一週間前の桜

    じつに久方ぶりの更新。今年初めてのブログは(もう5月になってしまったけれど)、桜の写真。一週間前、娘と一緒に桜を観に行った。街並みはけっこう葉桜の様相を呈していたのだが、家の近くの温泉ホテルの桜はまだ散らずに残っていた。慣れないスマートフォンで撮った写真

  • 誕生日 66歳

    いつも、当日ではなく、やや遅れてアップするのだが、今年も、無事、誕生日が訪れた。12月6日、66歳。あと、いくつ歳を重ねるのか、それは定かではない。やがて、終焉の時が必ずやってくる。その日まで、何をするか。何をしたいか。何をしなければならないか。今もまだ、試行

  • 『ユキの日記』 笠原嘉・編

    「雨の水たまりに広がる輪を見ながら何を私は考えたか? 忘却に、人々の忘却に私はふさわしいと。」(1953年9月15日16歳の日記)ある年、母堂に伴われて病院をおとずれたひとりの婦人に会った。残念ながら、二十八歳のこの婦人と私との治療上のおつきあいはごくごく

  • 『二十五時』 ゲオルギウ

    第二次世界大戦。ルーマニア。ファンタナ村。朴訥で正直者の農民ヨハン・モリッツは、ある日、村の憲兵の嫉妬によってユダヤ人とされ、妻子と引き裂かれて強制収容所に送られる。そこから彼の、悲惨で過酷な半生が始まる。キリスト教徒のルーマニア人でありながらユダヤ人キ

  • 『四畳半の物語』 永島慎二

                                                  ゆうすげびと かなしみではなかつた日のながれる雲の下に 僕はあなたの口にする言葉をおぼえた それはひとつの花の名であつた それは黄いろの淡いあはい花

  • 『ライオンのおやつ』 小川糸

    人は、生まれてきた以上、いつか、死ぬ。その晩年、そう遠くはない自分の死を悟った人は、何を思い、何を祈り、何を語るのだろう。生きている傍らの人間はその人に接して、何を感じ、何を惑い、何を語りかけるのだろう。瀬戸内海の小島にあるホスピス「ライオンの家」。死の

  • 『オジいサン』 京極夏彦

    出版当時四十八歳の京極が描く七十二歳の<オジいサン>の一週間。朝起きて、近所を散歩して、アパートに帰る。ただそれだけの話が、なぜこんなに面白いのか……それは僕が、(前期)高齢者の仲間入りをしたからだ、と思う。僕も<オジいサン>になりつつあるから、よくわか

  • 255文字・『びっくり館の殺人』綾辻行人

    恐怖はいつも背後から忍び寄る。背筋が凍るのはそのせいだ。肉眼で自分の後ろ姿を見ることはできない。びっくり館には恐怖が宿る。中村青司が設計した館。その館では必ず誰かが殺される。そこに住むのは、祖父と孫と、そして、リリカ。腹話術の人形。(666の映画は「オー

  • 『鰐』 ドストエフスキー

    ワニに呑まれると、ヒトは何を考えるのだろう。或る夜、いつもの晩酌でいつものように酩酊しはじめたころ、娘がこんなことを訊いてきた。「お父さん、森鴎外ってドストエフスキーも翻訳してるの?」「お?どうしてだい?」「久しぶりに<文スト>読み返していたらそんなこと

  • 255文字・『暗黒館の殺人』綾辻行人

    読み終えたとき、喪失感のようなものが湧いた。終わってほしくなかったのだ。延々と果てなく読みつづけたかった……。しかしそれはかなわぬ夢。<亡びてしまつたのは/僕の夢であつたろうか>中原の詩が脳裏に甦る。<海にゐるのは/あれは人魚ではないのです。>人魚。人魚

  • 謹賀新年

    2021年の元旦は、いつも通り、二日酔いに始まった。前年に引き続き、友人から頂いた福島の名酒『笹正宗』。美味くて美味くて……呑みすぎた。1年前にもほとんど同じような写真を載せたが、これは今年の画像。昨日一晩で約4合と、缶ビール5缶開けてしまった。僕は酒豪

  • <高齢者>の仲間入り

    一週間前の日曜日、12月6日、とうとう高齢者の仲間入りをしてしまった。 前期高齢者 ~ 65歳から74歳まで。後期高齢者 ~ 75歳以上。この分け方はおそらく日本の医療制度に関わる区別だけで、他に重要な要素はないようだ。65歳で、すでに枯れ果てて恍惚とし

  • 255文字・『暗闇の囁き』綾辻行人

    冒頭から繰り広げられる少年たちへの虐殺。腕が……、腹が……、首が……。ひとり生き残った少年は、やっとの思いで我が家に辿り着く。しかし、なぜかそのまま父親に幽閉される。そして闇が、――暗闇がその子の家に帷を降ろす。ひとり死に、ふたり死に、さんにん、よにん

  • 255文字・『緋色の囁き』綾辻行人

    「次は暗黒館」と云って娘が持ってきた文庫本の量に驚き、ちょっと簡単には読めそうもなく、予定を変更して借りたのが「囁き」シリーズ。まずは『緋色』。赤い、朱い、緋い血の色。<悪いことをしたら死刑になるのよ。>赤いクレヨン握りしめ、少女は人形を塗りつぶす。み

  • 255文字・『黄昏の囁き』綾辻行人

     黄昏時は逢魔が時。この世とあの世の昏いはざまで、凶々しい魔物に出会う時間。なのに、夕暮れ、遊びに夢中の子供たちは気にもしない。「ね、遊んでよ」新規参入者も現れよう。「これあげるから」――やがて始まる連続殺人。「忘れていないよね」――やはりあの時、彼ら

  • 『黒猫館の殺人』 綾辻行人

    北海道・霧の阿寒。その森に佇む一軒の館を、3人の男が訪ねる処からこの物語は始まる。館の名前は「黒猫館」。設計は、あの中村青司。もちろん、どこかに隠し扉などの仕掛けがあるはず。確かに、――あった。が、しかし……。「仔羊(ラム)ですが、お口に合いませんか」館

  • 『時計館の殺人』 綾辻行人

    女神は沈黙の獄舎に繋がれている 一九九二年八月五日 処刑のその日 時間(とき)は果て聖堂に七色の光射し 地を揺るがす叫びの中にお前たちは聴くだろう 沈黙の女神の ただ一度の歌声 美しき

  • 『人形館の殺人』 綾辻行人

    読み終わって、ニーチェの言葉が思い浮かんだ。「怪物と戦う者は自ら怪物とならぬよう気をつけたまえ。あまり長いあいだ深淵を覗き込むと、今度は深淵のほうが君を覗き込む」(「善悪の彼岸」)。例によってこの本を貸してくれた娘は、読後の感想を「予期せぬ絶望感」と表現

  • 『迷路館の殺人』 綾辻行人

    最後の最後で「まじか!」と、脳髄が折れそうになったらしいのは、この本を貸してくれた我が娘。<作中作>という魅惑的なスタイルで綴られる連続殺人の物語。後書きが最初に置かれた小説は初めてだ。迷路だらけの平面図。映画「シャイニング」に描かれた庭の迷路が

  • 『十角館の殺人』 綾辻行人

    20年ほど前に旧版で読んだ。のちに娘に貸して、彼女をアヤツジにのめり込ませるきっかけとなった本。先日、その娘から借りて(?)久しぶりに再読した。面白かったという記憶はあるのだが、ストーリーもトリックも忘れている。だから新鮮な気持ちで読み始め、やっぱり覚え

  • 『水車館の殺人』 綾辻行人

    <あの>中村青司が設計した水車館。今回はどんな構造か。ぎぎぎ、ぎぎぎと不気味に鳴る音。それはどこから来るのか。まわる水車か、それとも嵐の夜、そこに集った人間たちの愚かなこころがきしむ音か。のっぺりとした白いゴムの仮面をつけた車椅子の男。(なぜここに、ス

  • 『どんどん橋、落ちた』 綾辻行人

    自称<アヤツジストのはしくれ>の娘が、これ面白いよと貸してくれた本。「伊園家の崩壊」だけでも読んでみて、と言われたが、結局作者の指示通り、最初から五話全部読んだ。最近とみに脳細胞が老化してきているのを感じているので、犯人当ては無理だろうと思っていた。や

  • 忘れ得ぬ詩 ⑧ 長沢延子

    「光」 くさり切った午後。山間の街。(ころがりまろぶ鰯の目玉)白い土蔵と青いドームが霧にかすみ心、雨だれのひびき。ふるさとはかなしゆく街人一人、二人……手を組みて群がり動き。ビルディングの窓の連なりカリカリと鳴らせ今宵夢なき愁い生命(いのち)かなし果て遠

  • 忘れ得ぬ詩 ⑦ 征矢泰子

    「死の棘」 さがされて、いたい。うまれて、しまった以上。いやされることなどのぞむべくもなく。せめてただ だれかにさがされていたい。うみおとされたときからささっていた。ささやかなめいめいの死の棘。うすべにいろのやわらかい揺籃期すぎて眩惑の霧にべもなくはれわ

  • 忘れ得ぬ詩 ⑥ 村上昭夫

     「五億年」五億年の雨が降り五億年の雪が降りそれから私は何処にもいなくなる闘いという闘いが総て終わりを告げ一匹の虫だけが静かにうたっているその時例えばコオロギのようなものかも知れない五億年以上を鳴いたというその無量のかなしみをこめて星雲いっぱいにしんしん

  • 忘れ得ぬ詩 ⑤ 小林秀雄

      「死んだ中原」君の詩は自分の死に顔がわかつて了つた男の詩のやうであつたホラ、ホラ、これが僕の骨と歌つたことさえあつたつけ僕の見た君の骨は鐵板の上で赤くなり、ボウボウと音を立ててゐた君が見たといふ君の骨は立札ほどの高さに白々と、とんがつてゐたさうなほの

  • 忘れ得ぬ詩 ④ 中原中也

     「北の海」海にゐるのは、あれは人魚ではないのです。海にゐるのは、あれは、浪ばかり。曇つた北海の空の下、浪はとことどころ歯をむいて、空を呪つてゐるのです。いつはてるとも知れない呪。海にゐるのは、あれは人魚ではないのです。海にゐるのは、あれは、浪ばかり。

  • 忘れ得ぬ詩 ③ 宮沢賢治

    「眼にて云ふ」 だめでせう とまりませんな がぶがぶ湧いてゐるですからな ゆうべからねむらず血もでつづけるもんですから そこらは青くしんしんとして どうも間もなく死にさうです けれどもなんといい風でせう もう清明が近いので あんなに青ぞらからもりあがつて

  • 『エル・スール』 アデライダ・ガルシア=モラレス

    「あの頃、わたしはこう思っていました。あなたは魔術師で、魔術師というのはいつも深い孤独をかかえているものなのだと。」<エピグラフ>「私たちは影でないものなど愛せるだろうか?」(ヘルダーリン)父親は振り子をかざす。どんなものでも探し当てる振り子。おさない娘

  • 忘れ得ぬ詩 ② 高見順

    「黒板」病室の窓の白いカーテンに午後の陽がさして教室のようだ中学生の時分私の好きだった若い英語教師が黒板消しでチョークの字をきれいに消してリーダーを小脇に午後の陽を肩さきに受けてじゃ諸君と教室を出て行ったちょうどあのように私も人生を去りたいす

  • 忘れ得ぬ詩 ① 永塚幸司

    「音水系」せめぎあう流れを命と信じたいいつか夢は ほんとうの嘘をつくからそれまでには死ぬだろう気やすくふれるな木目の肩に明日は君を殺す水がいましばらくはあたたかい君は赤錆びたチャックを開き失意も希望もいっしょくたに放出するだろうよいましばらく

  • 絵本『エリカ 奇跡のいのち』 ルース・バンダー・ジー & ロベルト・インノチェンティ

    ルース・バンダー・ジーというアメリカの中学校の教師が、1995年に夫と共にヨーロッパを旅行中、ドイツでひとりの女性と出会いました。たまたま、旅の途中でオーストリアのユダヤ人強制収容所の跡地に立ちよった話をすると、エリカと名のったその女性は、教師にこう語

  • 今年も、また

    今年も、また咲いた。はぐれ秋桜。これは玄関脇の砂利の上に咲いた一輪。去年の今頃に咲いた場所は、庭の雑草畑の横。こちら →  http://calmelavie.livedoor.blog/archives/6001787.htmlおそらく、風に舞って種が飛んできたのだろう。初夏に咲く、一輪のはぐれ秋桜

  • ホップ・ステップ・ジャンプ !!!

    今日から7月。今年もあと半年。そこでひらめいた。今年、残りの半年を、<ホップ>の年にしようと。ビールの原料ではない。三段飛びだ。今まで生きてきた年月を、長い長い<助走>の期間として、これから65歳になるまでの半年を、<ホップ!>さらに、70歳になるまでの次の五

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