長い歴史で培われた村落共同体の変遷

長い歴史で培われた村落共同体の変遷

中世、近世まで長い期間、現在の大字小字に相当する村落共同体の枠組みは大きく変わることなく、徐々にその内部の生産性を高めてきました。それが江戸時代後期にもなると、生産の繋がりを軸とした自治コミュニティの力は、封建支配の枠内でありながらも世界に例を見ないほど高いものになっており、この遺産は、現代に至るまで日本社会の大きな遺産として受け継がれていました。ところが明治時代の市町村制の施行とともに、分業管理される機能が強くなり出し、農業・自営業者の比率が低下するとともに、地域コミュニティは生産を軸にした繋がりは弱まり、地域共同体は、ただ生活者としてのみ関わるようになってきました。コミュニティや自治の本領は、より小さく顔の見える関係こそが大事なはずが、この明治の市町村制の施行以来、より「大きく」「効率的」にが一貫した流れに...長い歴史で培われた村落共同体の変遷