「出版不況」という表現が、問題解決を遠ざける
ウンベルト・エーコ、ジャン=クロード・カリエール『もうすぐ絶滅する紙の書物について』(CCCメディアハウス)の写真を載せましたが、私は紙の書物がもうすぐ絶滅するとは思っていません。大幅に市場規模が縮小することは間違いないことですが、無くなることは当分ありません。この写真を使用したのは、ただ表紙デザインが素敵で、私のホームページのタイトル・ヘッダーで使用しているので、問題提起イメージとして使用しました。いまだに私たちの業界では、長引く「出版不況」により、書店数は減少し続け、書籍・雑誌の販売額も下降の一途・・・といったように「出版不況」ということばがよく使われています。このように、なんの疑問も違和感もなく使われているように見える「出版不況」という言葉ですが、わたしは明らかにこれは適切な表現ではないと思っています。そ...「出版不況」という表現が、問題解決を遠ざける
2020/05/18 16:41