観察園
小学校理科の時間は築地先生という方がもたれていた。目の奥の優しい先生で、耳が聞こえにくい子の担任でもあった。 教室のなかだけでの授業は少なく、観察園と呼ばれる学校横の庭のような場所へ出てやることが多かった。 観察園は最低限の整備はされていたが、自然を自然のままにしてある場所だった。 ポケット図鑑を見てから実際に観察しに行ったり、自由に観察してから図鑑を見たりを繰り返す。たまに描き記す。 (そのまま、自由観察と呼ばれていたかな) そこで小さく何かを育てたり、先生か用務のおじさんが育てたものを見たり。少しだけニワトリもいた。赤い実やきのこ、石を裏返すとベンジョムシ。手がまわらないほどの大木がいくつ…
2022/02/06 00:35