『森があふれる』彩瀬まる
妻が発芽した。 知り合いからそんな話を聞いたらどう思うでしょうか。 そんなことあり得ない、と思う人が大半ですよね。 小説家の妻が木の実を食べて、体中からぽつぽつと芽が吹き出します。そんな事態になっても彼女は焦ることなく、夫に水槽のような入れ物に入れてもらって気持ち良さそうに水やりをされ育っていきます。 彼女が居る部屋はやがて森になってしまいました。 小説家はそれをネタにして作品に反映させます。 この本は小説家の担当編集者や小説教室の生徒など、複数の視点から語られます。 男女の不倫が話の中心になりますが、人間が森になるという設定が面白いと思いました。 小説家と不倫関係にある小説教室の生徒視点で、…
2020/09/26 08:36