【書評・感想】猫を抱いて象と泳ぐ――ただ駒がルール通りに動いていないだけ
「猫を抱いて象と泳ぐ」文春文庫 小川洋子/著 【※この記事は、ネタバレを含みます】 目次 はじめに 著者 概要 印象的なフレーズ おわりに はじめに 将棋が趣味の私にはドストライクな小説でした。 「勝って当たり前の局面を本当の勝ちに持ってゆくのは想像するより難しい」という言葉のわかり味が深すぎる。 対局相手の視点から盤を見る「ひふみんアイ」は将棋界では有名ですが、盤を下からのぞき込むという発想は新鮮でした。 ストーリー自体はシンプルですが、モノクロなチェスの世界観と筆者のみずみずしい文章の相性が抜群で独特な世界観に引き込まれました。 もちろん、チェスになじみのない方でも楽しめる作品だと思います…
2020/05/25 12:35