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2020/04/07

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  • カフカの秘密 7

    7、抃舞口から心臓が出そうなほど緊張する僕に対して、意外にもユノは目を丸くして驚いた。「ここまで聞いてまだ分からない?」馬鹿にした口振りではなく本当に不思議そう。分かるわけないだろ。むっと唇を噛み、無言で先を促す僕の頬を撫でた。「…あ、もしかして誤解してる?」「誤解?」ユノの言葉の意味が分からなくて見上げると「やっぱり」なんて苦笑いされてむかついた。そうやってすぐ子供扱いしようとする。「チャンミン...

  • カフカの秘密 6

    ※注意6、抃舞僕が12歳の時に姉が殺され、両親が自殺した。それから平和だった僕の生活は一変した。辛い事もあった。むしろ辛い事ばかりだった。でもユノがいたから生きてこられた。今もちゃんと笑うことができる。眠れない夜も、涙を流した夜も、悪夢に魘される夜も、ユノが父のように母のように抱き締めてくれた。ユノが怪我をするたび死んでしまうんじゃないかと恐怖したことは数知れず。それでも長い時間を経て大抵の事には慣...

  • カフカの秘密 5

    5、 瞠目苦しいと思って目が覚めたら部屋に戻って来ていた。いつもの部屋だ。ほっと安堵。あたたかいベッドに寝かされている。体は綺麗になっている。濡れていないし寒くない。意識を失った僕は重かっただろうにここまで運び面倒を見てくれたユノは怪力だ。「チャンミン…」当の本人はといえば、さっき男を殴り飛ばした同一人物とは思えないくらいの死にそうな顔で僕を抱き締めていた。苦しい原因は彼の腕力だった。痛い。背骨折...

  • カフカの秘密 4

    hmnを愛でるための世界。

  • カフカの秘密 3

    hmnを愛でるための世界。

  • カフカの秘密 2

    2、混沌空は青い。ユノは真っ黒。僕も真っ黒。まるでカラス。僕はゴミは食べないけど、紫外線を吸収してしまう。こんな格好だと浮くだろうと思うかもしれないがここはアメリカ。ぐるりと見渡せば周りには更に奇抜な格好がたくさん。カップル、友人同士、集団、家族、エトセトラ。まさにカオス。この国の縮図そのもの。こんな公園でさえそれを顕著に示す。そう、僕達のことなど誰も見ていないし気にしていない。「ふぁ…」欠伸がこ...

  • カフカの秘密 溟濛

    花が枯れている。ゴミ箱に捨てる。ミルクの空瓶、ティッシュ、ガム、ペットボトル、コンドームの残骸が入っている。それらの上に、ぽとんと落ちる萎びた

  • Jelly Love 16

    「スホ!」社長室から出た時、同期の女に呼び止められた。事務職の彼女に会うのは研修の時以来で、俺は軽く手を挙げた。「久しぶり」「今もしかして社長室から出てきた?」「え?ああ…うん」指差された重厚な扉を振り向き頷く。実はあれ以来すっかりチョン社長に顔と名前を覚えられた俺は、たまに社長の仕事に携わるようになった。とはいえ当然大きな仕事ではなく、シム先輩の手伝いと称して雑用をしているだけだ。シム先輩は新人...

  • 夜の底

    ※ユノ視点※糖度低め目が覚めた。時間を確認すると2:22を指していた。まだ深夜だ。同じ数字を指しているのが無性に不吉に思える。真っ暗な部屋で何も見えない中、スマホの画面が異質なほどに明るくて目がチカチカと痛い。目を擦り、すぐに画面を伏せる。再び暗闇がやってくる。どこかでサイレンが聞こえる。カンカンと近付くその音はやけに心臓に響いて不愉快だ。何も悪い事などないはずなのに、なんとなく不安を煽られる。ドッドッ...

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