723.野村吉三郎海軍大将(23)アメリカに関する戦力打診は当初大いに誤っていたことを率直に告白せざるを得ない
大正六年四月一日、野村吉三郎中佐は、大佐に進級した。野村吉三郎大佐は、第一次世界大戦当時のアメリカとアメリカ人について、次の様に述べている。駐在武官として赴任した私は恰もヨーロッパの大戦当時であったから働き甲斐もあったが、多忙でもあった。武官としての第一の任務は駐在国の軍事的視察であるが、この時はその他にヨーロッパ戦局に最後のイニシアティーブを執る、無疵の強大国アメリカを通じて連合国、同盟国双方の動きを観測することも重大任務であった。何といってもアメリカ自体の処女地的な戦力の検討評価が、私に与えられた最高の任務であることはいうまでもない。私は凡ゆる角度からアメリカの戦争能力を観察して東京へ報告した。ところがこの時の私の報告は実のところ米国という国を過少評価していたのである。当時としては私も自信を持って報告したし...723.野村吉三郎海軍大将(23)アメリカに関する戦力打診は当初大いに誤っていたことを率直に告白せざるを得ない
2020/01/31 06:53