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もののaware https://monono-aware.hatenablog.jp/

とある福島県民の雑記ブログです。 テーマはローカル・自然・ふるさと・教育・働き方・職人・まちづくりetc… 福島には「ほんとの豊かさ」があると信じています。

tamayosu
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高山市
出身
福島県
ブログ村参加

2020/03/15

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  • 伝統と古道具と合理性

    最近、日本の伝統や古道具について考えることが増えた。 伝統が消える理由の一つが、余裕がなくなったからだと思っていて、裏を返せば伝統を継承していったり楽しんだりすることには相当のエネルギーが必要なのだろうと感じる。成長のさなかにいると、余裕を失いがちだ。伝統の維持は、合理性を求める社会において、非合理的だとみなされる場面が増えたかもしれない。 このように、今や合理的という言葉は負の意味で用いられることが多くなってしまったが、本来はそうではなく、「理にかなう」と言いかえれば印象もだいぶ変わると思う。 そもそも道具とは、常に合理的だった。厳しい環境下で生き抜くための知恵の結晶だった。元来、厳しい環境…

  • 地域再生シンポジウム2021 in 飛騨 個人メモ

    地域再生シンポジウム2021 in 飛騨 広葉樹活用による地域再生~いま地域に求められること~ シンポジウムは都竹市長の、「地域おこしとは地域の宝探し」の言葉に始まった。 1.基調講演「持続可能な広葉樹林業の経済性を考える~針葉樹と同じ土俵で考えてみた~」 ・地域にある広葉樹のスケールや蓄積に応じた用途・販売ルートの開拓が必要。 ・製材品の価格低下を、立木価格の低下によって吸収してきた。 ・土地の生産性に着目して、経済性を評価⇒その指標が、連年成長量(MAI)。 ・広葉樹のMAIはおよそ3.5m3/年ha ・試算① MAI、用材価格、チップ価格、歩留まり、収穫林齢のパラメータを一定の値に仮定し…

  • ふたりのDivaと「火の中、水の中」

    日本語においては、困難に立ち向かうとき、「たとえ火の中水の中だろうと・・・」といった言い回しが使われる。火と水はいつの時代も恐怖や困難の象徴だったのだろう。 そしてこの表現は、どうやら日本だけのものではないようだ。 例えば英語での表現方法の1つが、「through the +~」で、「~の中で」という意味なる。そして奇しくも二人の偉大なdiva(歌姫)がこのようなタイトルの歌を歌っている。今回は心を震わせ、元気をくれる、そんな「たとえ火の中水の中」な2曲をご紹介したい。 1.Through The Fire / Chaka Khan(1984年) www.youtube.com パワフルかつソ…

  • 白河ラーメンこそラーメン

    ここ高山市には「高山ラーメン」というものが存在する。しょうゆベースのスープに低加水の縮れ細麺を組み合わせたあっさりラーメンだ。 今日も仕事終わりに、高山ラーメンを食べに行った時のこと。休日はどこの高山ラーメン屋も観光客でごった返すが、僕の行きつけの店は店主一人で切り盛りしていて、ねらい目である。 18時過ぎに入って注文したしばらく後、別のお客さんが入ってきたところで「ごめん今日は売り切れです」と店主。そこで、同じような体験を昔したなと思い出した。 僕は生まれてこの方、福島県白河地方の「白河ラーメン」で育ってきた。しょうゆベースなのは高山ラーメンと一緒だが、麺は多加水で中太の縮れ麺、しかも安くて…

  • ラジオパーソナリティーのアイドル化

    何かにつけて作業用BGMとして音楽やラジオを聴く人は多い。僕もラジオを聴きながらモノを作ったりする。 ここ半年くらいは、常にFM AICHIの平日番組を聴きながら過ごしている。いわゆるTOKYO FMから配信される全国番組ではなく、FM AICHIの独自番組だ。朝6時のONE MORNING AICHIから始まって、MORNING BREEZE、DAYDREAM MAGIC、AFTERNOON COLORS、EVENING STREETと19時半まで続く。 これらの番組の特徴は、各番組ひとりのパーソナリティーが音楽8割トーク2割で進めるところにある。ふつう多くのFMラジオがパーソナリティーの私…

  • ハチドリのひとしずく

    2か月ほど前の話だが、父がワクチン接種をした後、頭痛と嘔吐により病院で点滴を受ける羽目になった。ここ数年病院にお世話になる機会が増えてきてたこともあり、寄る年波には勝てないのか・・・といった具合である。 しかしまあ、昔から遊びまわることもせず、酒はほんの少し、たばこは全く吸わない父でも、倒れるときは倒れるのかと思うと少し悲しい。中には不摂生でもピンピンしている人もいるというのに。 同じようなことを、今年の夏の気候についても感じた。記録的な日照不足になった今年の夏であるが、温暖化や異常気象が人間の経済活動とどれほど因果関係があるかは議論の余地があるのはさておき、少なからず影響は与えているだろうと…

  • 真珠を売る高島屋

    家にテレビがないので、テレビCMを見る機会がほとんどない。だからたまに実家に帰った時にテレビを見ると、今はこういうCMやってるんだ~と、大げさだがタイムスリップしたような気分になる。 時代が進むにつれて、CMは淘汰されていく。かつて福島県民にはおなじみであった「Printing(カンペチラ見)、Message」の星総合印刷や、「うちのは、東北レジャーの通信カラオケ!」の東北レジャーなど、もう一度見たいCMがたくさんある(もしかしてまだ放送されてる?) そんな中、この前ふと引っかかったCMが、高島屋のテレビショッピングである。 特段思い入れがあるわけではない。昔から全国区でしょっちゅう流していた…

  • 虫供養

    今年の夏は雨続きで、屋外へと出る機会が少なかった。夏は山・川・海で焼かれたい僕としては非常に不満の残る夏だった。 本格的な秋を迎える前に、貴重な晴れ間を見つけて外へ出たい。そこで急遽、今日は御嶽山の飛騨側の頂上へ行ってきた。 山小屋のテラスで小料理を作って、雄大な景色を眺めていると、これに勝る娯楽はないとさえ思えてくる。晩夏の登山は涼しく、虫も少ないのでお勧めだ。 虫といえば、山でも家でも職場でも、僕らは不快な虫を避けるために、虫よけスプレーや殺虫剤を使ってしばしば彼らを駆除しにかかる。 例えば僕なんかは、アース製薬のおすだけノーマットスプレーを使っている。一吹きで蚊がいなくなるというアレだ。…

  • 犬も歩けば

    最近、僕の高校の友人と大学の友人同士が、ひょんなことから知り合いになることが増えた。僕が知らないうちに共通の友人になっているのである。 例えば高校の友達と大学の後輩が、みなかみのアウトドア関係で会ったことがあるとか、高校の後輩と大学の後輩が東京のクライミングジムで知りあっているとか。 こういう時に使われる決り文句は、 「世界は狭い」 しかし今回の場合、世界は狭いのに加えて各々の行動範囲が広いというのもあると思う。 実は登場人物たちにはある共通点があって、それは皆山岳部やワンダーフォーゲル部に所属したことがあって、アウトドアに親しんでいることだ。 極端な話、屋外というフィールドはアウトドア関係者…

  • 「きぼうのとり」を読んで

    福島県天栄村を拠点にする、家具職人・お絵描き好き・編集者(Facebook原文まま)の3人からなるユニット「みず文庫」さんとお話しする機会がありました。福島県白河市の南湖公園にオープンしたアトリエもさることながら、ご本人もとても素敵な方々でした。 僕自身初対面にもかかわらず、気さくにお話しいただきまして、出身や経歴から始まり、こどもキャンプに参加した話から自然体験、公教育、環境教育、そして震災と原発事故について、福島にいないと知りえない情報も交えてお話をすることができました。 その中で拝見した1冊の絵本が、タイトルにもある「きぼうのとり」でした。震災と原発事故からから10年になるのを機に、20…

  • 世代後退

    ジムニーJA11 ワイルドウインドリミテッド 先日、車を乗り換えました。就職の際に慌てて買ったホンダ・ライフから、ジムニーへ。より古い車へ乗り換えるという世代「後退」です。 このジムニー、JA11という今ではマニアに人気の型式で、僕が生まれる前から母が乗っていた車で、幼少期の買い物も、大学から帰省した時の送り迎えも、いつもこの車でした。そしてどのシーンでも、擦り切れたカセットテープから大きめの音でドリカムやBOØWY(Øの変換が面倒・・・)、レベッカが流れていたのを思い出します。 エンジン音はうるさく、振動が大きく、燃費も良くないこのマニュアル車を、母はよくぞ今まで乗り続けてきたものだと思いま…

  • 光南雪辱!聖光学院敗れる

    福島県民にとって、少しばかりびっくりするニュースが飛び込んできました。 高校野球の夏の甲子園出場をかけた福島県大会で、2007年から13連覇中だった聖光学院が敗れました。もし14大会連続甲子園出場となれば歴代最多タイ記録でした。 聖光学院高校野球部は、福島県民のみならず高校野球に詳しい人誰もが認める、県内屈指の強豪校です。僕自身が野球に興味を持ち始めたのがちょうど2006年頃だったので、それからというもの聖光学院が県大会で敗れるのを見たことはありませんでした。 そんな圧倒的王者でしたが、ここ数年は他の高校との力の差は縮まってきていました。聖光学院を王者とするならそれに次ぐ県内No.2ともいえる…

  • 災害と選択の繰り返し

    本を読んでいて印象に残った内容をご紹介。 仮想空間シフト 作者:尾原 和啓,山口 周 エムディエヌコーポレーション(MdN) Amazon 1973年、アイスランド沖のヘイマエイ島という島で火山の噴火が起きました。幸い住民のほとんどが無事に救出されましたが、住民の約3分の1が家屋を失うことになりました。 これに対し政府は補助金を支給し、住民はそのお金で家を再建してもいいし、どこか別の場所へ移住してもいいことになりました。ヘイマエイ島の住民の多くは先祖代々の家業である漁業に従事し、自分自身これからも、そして次の世代も漁業で生きていくという前提で生きてきたと言います。そこで発生した噴火という災害に…

  • 安定したい自然と、不安定たらしめる人間

    長引く梅雨と土砂災害。被害に遭われた方へお見舞い申し上げます。 以前お会いした造園の先生の言葉を思い出します。 「土砂崩れは、自然が自らの不安定さを解消しようとする現象。崩れることで安定した状態になる。」 土砂崩れは自然現象の一つにしかすぎず、そこに人間の暮らしが存在して初めて土砂「災害」になります。雪山の奥地で雪崩が起きても誰も気に留めないのと同じで、人間の暮らしの及ばない山奥で斜面が崩れても、僕たちの生活に影響が無ければ災害にはなりません。 問題になるのは、自然の安定した状態を、人為的に不安定たらしめている場合。一度人の手が入った場所を維持管理していく方法は2つ。これからも人の手を介入させ…

  • クワガタ来訪記

    工房に一人の訪問客。ミヤマクワガタのオスである。 実物を見るのは子供のころ以来だったかもしれない。それでも東部の特徴的な突起を見て、一目でミヤマクワガタだと分かったくらいだから、幼少期の自然体験は侮れない。 あの頃はよく、親に連れられて木を蹴っ飛ばしに行ったものだった。家には虫かごがずらっと並んでいて、クワガタとカブトムシと、カラフルなゼリーが入っていた。あとは実家が建具屋なので、おが屑とか木っ端とか入れていた。 昆虫といえば、福島県田村市にある「ムシムシランド」を思い出す。旧常葉町にある公設民営の自然園で、常葉町特産の葉タバコ用を栽培するための腐葉土からカブトムシの幼虫がたくさん見つかったの…

  • 「雨にキッスの花束を」梅雨が楽しくなる名曲

    飛騨高山では久しぶりに雨が降り出し、そういえば梅雨の真っただ中だったと思い出しました。 しかし梅雨で検索をかけると、なんと関東甲信以北はまだ梅雨入りしていないとか。いくら何でも遅くない?こんな年もあるのですね。 雨が降ると個人的には気が滅入りますが、野菜にとっては久々の恵みの雨?工房農園に仲間入りしたナスと枝豆よ、大きく育て! さて、今日はぐずついた天気すら楽しくなりそうな1曲をご紹介。 雨にキッスの花束を / 今井美樹(1990年) ポップで明るいラブソングです。僕の好きな楽曲の条件の一つに、情景が思い浮かぶ歌詞ってのがありまして、この曲は特にサビの日本語まわし?がとっても良い!雨が降ってい…

  • 紅一点

    先日、渓流釣りに出掛けた際の一枚。 うっそうとしたスギ林の中で、緑に囲まれたモミジを発見。 不思議なことに、このモミジにだけスポットライトのように光が当たっていました。 これを見て「紅一点」という言葉が思い浮かびました。調べてみると、もとは漢詩において、「緑の草むらの中に赤いザクロの花が咲いている」風景から生まれた言葉だとか。 現在では、男性の中に一人混ざっている女性のことを指す言葉になってしまいましたが、なるほど、今回のモミジはまさに「紅一点」の由来に近しいものなわけです。 そして紅一点=女性を指すという意味合いは、古い価値観の言葉って感じですね。この意味ではだんだん使われなくなるんじゃない…

  • Just Rock'n Roll!

    近所のスーパーに、「父の日」と書かれたのぼりが立つようになってきました。そうか父の日が近いのか、で、いつだっけ? 恥ずかしながら僕は、父の日とか母の日、敬老の日といった記念日に何かをしたことがありません。子供ながらに、いつもありがとう、の一言がこっぱずかしくて言えなかったのです。小学校ではこれらの日が近づくたびに、贈り物や感謝の手紙を書きましょうとなり、書きたくもない手紙や似顔絵を書かされて、それはもう地獄の時間・・・結局当日に持って帰ったらこっそり捨てていました。 ただ、その時書いた祖父へ宛てた手紙は何故か捨てられず、かといって渡せず、ずっと学習机の奥にしまっていたのですが、祖父が亡くなった…

  • いくつになっても遠足前夜は眠れない

    先々週に引き続き、富山湾へサビキ釣り。 天気は悪くありませんでしたが、回遊が無かったのか僕が下手くそなだけなのか、早々に初めて見る魚が少しばかり釣れただけで後はからっきしでした。残念! それでもまた新しい魚を釣ることが出来たのは嬉しかったので、Googleレンズの力を借りてウキウキで調べてみました。すると結果はスズメダイと分かりました。なになに、10cm程度のタイの仲間で、大物狙いの釣り師の間では「ハズレ」「外道」とされる・・・何だって!? スズメダイ。ハズレ扱いされるかわいそうなやつ。 しかし、食べてみると脂がのっていて非常に美味であるとのこと。煮つけや唐揚げもいいし、福岡県の郷土料理「あぶ…

  • 釣りや狩猟を「ゲーム」と捉えることへの違和感

    今日は休日だったので、富山湾で海釣りデビューしてきました。 飛騨高山から下道で2時間。意外と近い日本海。釣果はアジ(たぶん)2匹。最近は川釣りの釣果がさっぱりだったので、嬉しい結果! 持ち帰って、なめろうにして美味しくいただきました(薬味を入れすぎて、アジの味が薄まってしまいましたが・・・)。 さて、これに関連して最近思うことを一つ。釣りにしろ狩猟にしろ、これをゲームと呼ぶのはやめろと言いたいのです。 僕が釣りをする理由は食べるためですし、狩猟免許を取りたいのは鳥獣害を減らしたい、ジビエ肉として食べたいからです。 もちろんこのような考えで釣りや狩猟をされている方が大多数だと思います(だと思いた…

  • 行きつく場所

    福島県石川町 野木沢地区にある「芭蕉苑」 昔見た、アニメ「クレヨンしんちゃん」のこんなエピソードを覚えています。 しんのすけとひろしは、街にオープンしたばかりのラーメン店に行きます。そこは行列の絶えない名店で、その日も長時間並ぶことになりました。 やっとのことで店内に入るも、狭い店内にも待ち客がぎっしり。ようやく椅子に座れたかと思うと、メニューは一杯1,000円の塩ラーメンのみ。頑固おやじ一人で切り盛りするその店はマナーにやたらと厳しく、少しでも話し声をたてるとものすごい剣幕で叱りつけてきます。ひろしは、入って失敗だったと思い始めます。 そして長時間待たされて疲れたしんのすけはまだかまだかと駄…

  • 木のモノづくりと広葉樹資源の行方

    昨年のことではあるが、製品の材料である幅ハギ板(幅の狭い材を何枚か並べて接着して、大きな1枚の板にしたもの)の中身が変わってきたと感じた。今までは3枚ハギから4枚ハギだったものが、4枚ハギから5枚ハギ、果ては6枚ハギまで登場してきたのだ。加えて材の見た目もかなり悪い。まあ天然木とはそういうものだけど。 話によると、良質で幅の広い材が手に入りにくくなってきたとか。なんと。針葉樹資源は(山には)吐いて捨てるほどあるのに、広葉樹資源はピンチなのか?木のモノづくりに携わる者として、そして林業の世界に携わってきた者として、広葉樹資源の行方は気になるところだ。 日本の森林に関するデータは、針葉樹に関しては…

  • スツールを贈る

    かねてから製作していたスツールが完成しました。 タイトルは「荷物置き付きハイスツール」。材種はナラ、塗装は現地の雰囲気に合うようブラウントナーをチョイス、座は自然素材の帆布で仕上げました。ネイビーとブラウンの組み合わせが気に入ってます。 構想が始まったのは、2020年の年の瀬。僕の地元福島に、大学の後輩が「self space しおりば」という場所を作りまして、僕がその運営理念に痛く共感したもので、これは是非何が作らせてもらおうということで始まりました。 (self space しおりばについてはこちら→http://selfspace-shioribar.com/) 工夫した点は、 ・テレワ…

  • 2021年度の抱負的なもの

    今日から2021年度が始まりました。みなさんそれぞれ、こんな1年にしたいというビジョンがあることだろうと思います。 僕自身はこの4月から生活スタイルを少し変えてみることにしました。具体的には、生活における木工の比率をすこーし減らし、それ以外の比率を増やすことにしました。思い切って飛び込んだ木工の世界。ほぼ週7日、休みなく木工に没頭したこの1年間で、たくさんの経験が出来ました。諸先輩方から見ればひよっこもひよっこですが、モノづくりの世界の共通言語を身に着けることはできたのかなと思っています。間違いなくこれは大きい。木工の世界に来たのは正解でした。 一方で、木工が本格化するほど、木工以外の世界を見…

  • 大学生向け、シェアハウスのススメ。

    今日くらいから国公立大学の前期入試合格発表が始まりましたね。私事ですが、高3の今頃、パソコンの前で30分くらい前から待機したものの、一覧に自分の番号が無くショックを受けたのを覚えています。まあ前期で受けた学校はどうしても行きたかったわけじゃないけどね(これを、取れない葡萄は酸っぱい、と言います)。受験生の皆さん、どんな結果になっても心配はいりません。人生どうとでもなります! さて、先日こんな記事を見つけました。内容は、山形県と山形市、県内の大学、県住宅供給公社が協定を結び、空き家を整備して大学生向けのシェアハウスを作ろうというもの。 (リンク先:河北新報ホームページhttps://kahoku…

  • なにもしない時間

    先週の福島県沖地震、実家のある石川町はそれほど被害が無かったようです。しかし県内では人的被害や土砂災害が確認されました。 震災・原発事故から10年の節目を迎えるこのタイミングでの最大震度6強地震に、何かを感じてしまいます。コロナ禍の今、もし東日本大震災級の地震が起きたら、どうしよう?どうにかするしかない。でも、どうにかする準備が出来ているのかというと自信を持ってハイとは言えない。改めて持ち出し袋を整理しようと思います。 さて、今日のテーマは「すきま」。毎週日曜は家具屋でアルバイト。一日の作業を終えて、店内の灯油ストーブに電動ポンプを差し、スイッチを押したあと、思わず、ふぅと息をつきました。そし…

  • 木の贈り物

    箸を作っています。工房を卒業していく先輩へのプレゼントです。 箱とかスツールとか、機械加工がメインのものは作る機会が多いけれど、一から手で仕上げていくカトラリー系は作ったことあまり無かったなと思います。 やり方はシンプル。傾斜の付いた溝を彫って、そこに材料の9mm角程度の木を置いて、傾斜の分はみ出た部分をカンナで削る。 僕がちょくちょくお世話になっているヒダクマさん(株式会社飛騨の森でクマは踊るさん)でも先日ワークショップが開催されていたようですね。見に行きたかった! 箸づくりは木工に馴染みのない人でもお手軽に挑戦できるし、プロがやりこもうと思えばいくらでも趣向を凝らせる、とても良いワークショ…

  • 心を温めるソウルフルな音楽3選

    年が明けてからの数週間、自分の中でやってみたいこと、面白そうなことが次々と出てきて、しかしそれを実現する時間的・精神的余裕が無く、モヤモヤし続けております…。一旦立ち止まって、頭の中をリセットして、整理する時間が欲しい、皆さんはそんな風に思ったことはありませんか?。 そんな時僕は、ソウルフルな曲から元気をおすそ分けしてもらうことにしています。心の奥からじんわりと温かくなり、不思議と心が落ち着いてくる、今日はそんな曲をご紹介しします。 1.Somebody Else's Guy / Jocelyn Brown(1984年) 出だしのパワフルな声と切なげなピアノに聴き入っていると、いつの間にか横ノ…

  • 農学系学生の進路と第1次産業

    先日、とあるシンポジウムで見かけた統計データが印象に残っている。全国の農学系大学生の進路先内訳というものだ。 改めて最新の学校基本調査(令和2年度)を見てみると、その内訳は以下のようになっていた。 何よりも印象に残っているのが、第1次産業である農業・林業に就職する学生の割合が全体の4%にとどまっているということだ。 職業に貴賤は無いのは当たり前のことである、と断った上で言うと、やはり少し寂しい結果に感じる(そういう自分は新卒で公務員になっていたが・・・)。 日本の食を支える「農」、国土の7割を占める森林に携わる「林」、この2つの産業がいかに重要なものであるかは言うまでもない。一方で、従事する方…

  • 湖の底から

    2021年1月1日の朝、日本海側は大雪に見舞われる一方で、地元である福島県石川町は冬晴れだった。空気の清々しさのあまり、用足しに出かけるついでに少し車を走らせてみたくなった。 石川町を流れる北須川。春には川沿いに桜が咲き誇る素晴らしい川で、この上流には千五沢ダムがある。もともとは灌漑用のダムであったが、現在はこれに治水機能を付け加えるための工事が行われている。 治水機能付加工事中の千五沢ダム ここのダム湖を母畑湖といい、これを見下ろせる場所までドライブ。元日の朝にはさすがに誰もいないだろうと思いきや、うっすらと積もった新雪の上に車の轍があったのには驚いた。 先客がいたようだ 渇水のため、ダム湖…

  • 謹賀新年

    石川商店街にて、石川町出身の漫画家・深谷かほるさんのイラストを発見。 新年あけましておめでとうございます。旧年はたくさんのご縁に恵まれ、本当に充実した1年を送ることが出来ました。まだまだ未熟な自分ではありますが、引き続きよろしくお願いいたします。 年末年始の帰省は、やりたいと思っていたことをほとんど叶えることが出来ました。お一人様が気軽に立ち寄れるスペースを作った方、少子高齢化や空き家の増加などの問題のある木の町・森の町で、かつての文化や歴史に注目し、地域おこしに取り組んでいる方にお会いできて本当に良かった。(お時間いただきありがとうございました!ぜひ、これから一緒に活動させてください!) 高…

  • 年末は有るようで無い

    29日から福島に帰ってきています。地元は毎日が楽しいですね、学生時代の先輩・後輩が面白いことをやっているので、飽きずに過ごせます。時間が足りないくらいです。 そして何より面白いのが、実家の機械を使って木工ができることです。帰ってきて驚いたことがあり、それは木工機械がかなり充実しているということ。木工を始めるまで、全くその価値に気付きませんでした。僕が木工を始めなければ、いずれ鉄くずになっていたと思うと恐ろしい… さて、ここ数日間は、トリマーテーブルなるものを作っていました。木工をやっている人にはお馴染みですが、これがあるのと無いのでは大分作業効率が違います。 トリマーとは、材料の面を取ったり、…

  • ノマド

    良質な木を求め、山から山へと渡り歩いて生活してきた木地師という人々は、いわば森の遊牧民(=ノマド)だった。ノマドと言えば、近年は「ノマドワーカー」と言う言葉をよく聞くようになった。「ノマドワーカー」は、時間や場所に捕らわれず働く人々のことを指す。働き方改革が叫ばれる中、ノマドワーカーは新しい生き方、働き方を表現する言葉として注目されているのは事実だろう。 しかし、その語源となったノマド達の生き方が、時間や場所に捕らわれないものかというと必ずしもそうではない。むしろ、時間や場所に追われる生き方ともいえる。 モンゴルの遊牧民を例にとると、彼らは年間を通じて、季節ごとに最も適した場所へ移動を繰り返し…

  • 蔵出し広葉樹@ヒダクマ はプライスレス!

    今日は、飛騨市古川町にある、「株式会社飛騨の森でクマは踊る」通称「ヒダクマ」さんで開催されているイベント、蔵出し広葉樹へ行ってきた。 蔵出し広葉樹は、普段市場に出回らないような規格外の木材や端材、珍しい形の丸太や枝などを、1g1円の量り売りで販売するイベントだ。毎月開催されており、僕は今回が2回目の参加。さらに今日は、ヒダクマさんと親しい柳木材さんの土場も見学でき、よりレアな商品を手に入れることが出来たのでそのご紹介。 戦利品。一つ一つ見ていこう。 ①スポルテッド・ナラ スポルテッドと虎斑のコラボ。 繊維方向に入った黒い線が特徴のナラの板。このような模様をスポルテッドと言うらしい。細菌やカビの…

  • 年末

    12月になり、暖房器具なしでは過ごせなくなってきた。今年は雪が多いと、周りの人が口を揃えて言うが、僕も何となくそう思っている。今年はしっかりとした梅雨があったし、ここ数年の異常な暑さが和らいだ夏を過ごせた。根拠らしい根拠はないが、きっとこの冬は平年並みには雪が降って、久しぶりに四季らしい四季を過ごせるのではないかと勝手に思っている。 遠くの山も、だんだんと天辺が白くなってきた。燃えるように美しかった紅葉の山々も、すっかり葉を落とした。樹幹があらわになった樹々を見ると、改めて木工品の材料は山から来るんだなと思い知る。 木を使って何かを作るからには、森のことを理解しておきたい。森を理解せずに木工を…

  • 南会津の木地師・後編

    お椀やお盆の材料となる良質な木を求め、山から山へと移り住んだ流浪の民、木地師について。今回は後編。いよいよ福島県南会津にいた木地師に迫る。 (前編はこちら↓) monono-aware.hatenablog.jp (余談だが、お椀やお盆類、つまり轆轤などで内側をくり抜いて作られるものの総称はあるのだろうか。椅子やテーブルは「脚物」、箱なら「箱物」と呼ぶけれど。「椀物」と言いたいところだけれど、既に「お吸い物」という意味で存在するからなあ・・・) さて、南会津の木地師と銘打ってはいるが、木地師誕生の地・近江から福島県会津地方への木地師の動きから見ていこうと思う。 1590年に豊臣秀吉により行われ…

  • 南会津の木地師・前編

    木地師というテーマを入り口にした記事を書いたが、その後木地師についてより深く知る機会があったので、備忘録としてまとめてみようと思う。 monono-aware.hatenablog.jp 改めて木地師とは・・・ 手挽き轆轤(てびきろくろ)を用いて、生木からお椀やお盆などを作る職人のこと。彼らの生活は山と共にあり、良質な材料を求めて山に入り、そこの木を伐りつくすと次の山へと移り住み、その都度山中に住居を構え、里との物々交換によって生きてきたという。 木地師の始まりは平安時代ごろ、惟喬親王(これたかしんのう)という人物によるものとされている。 惟喬親王は55代天皇の文徳天皇の第1皇子として生まれた…

  • ウラヤマ

    先日、秘密基地と題した記事を書いたが、僕が通った児童館の裏手は、中々にワクワクする場所だった。 小高い丘になっていて、木々のトンネルや根っこの階段を手足駆使して登ると、そこには大きな石碑の鎮座する小さな広場があった。周囲をぐるりと大きな雑木に囲まれていたので、どちらかと言えば薄暗く、静かな聖域といった具合の場所だった。となりのトトロに出てきそうな場所である。 雑木の隙間からは、一面に広がる田んぼが見えた。当時は田んぼを見ても綺麗だなとは思わなかったかもしれないが、今思い出すと、それはもう見事な眺めだったと感じる。休み時間になると、表の校庭の遊具遊ぶよりも、裏手のこの場所で遊んでいた。 この雑木…

  • 彦左衛門の森

    かつて高山市清見町(旧清見村)の山にも、木地師と呼ばれる、ろくろを使ってお椀やお盆などを作る人々がいた。彼らは山に住み、作った木工品を里の人々と物々交換することで生活していた。 ある日、木地師の一家の元に、彦右衛門という落ち人が現れた。負傷していた彦右衛門を一家は介抱し、かくまってやることにした。そして彼は、傷が癒えると一家の木地師としての仕事を手伝うようになった。落ち武者と言えど仮にも武士、刃物の扱いに長けていた彦右衛門は木地師としての才能があったようで、一家もそれを喜び、いつしか一家の一人娘と恋仲になったという。 しかし、一家の一人息子は、突然現れた落ち武者に、木地師の跡継ぎの座を追われか…

  • 秘密基地

    ご縁があって、岐阜市の木育施設「ぎふ木遊館」と、岐阜県立森林文化アカデミーの森林総合教育センター「morinos」に行く機会を頂いた。とても有意義な1日を過ごすことが出来た。 ぎふ木遊館は、今年7月にオープンしたばかりの木育施設。岐阜県産材をふんだんに使った館内は明るく開放感があり、まだ真新しい木の香りが漂っていた。コロナ禍により入場制限を行っている状況ではあるが、たくさんの親子連れでにぎわっていた。ここにくる全員、大人も子供も関係なく楽しんでいるのが印象的だった。 また、県の施設ということで、行政がこのような場所づくりに取り組んだということ自体がとても興味深かった。岐阜県の木育に対する意識の…

  • オトナの環境教育

    小さい頃、実家の工場の鉋屑に埋もれて遊んだものだ。鉋屑の山に飛び込めば、いい香りがして暖かい。当時飼っていた犬と一緒に暖まっていたのを思い出す。今思えば、あんなに長くて、幅がある、大量の鉋屑に囲まれた環境は貴重なものだったとよく分かる。 先日、とあるイベントで鉋屑プールを作って、子供たちと遊ぶ機会があった。今時、こんな体験ができる環境なんてほとんどないだろう。はじめは子供たちが興味を示してくれるか不安だったが、杞憂に終わった。鉋屑の中で大はしゃぎする彼らの反応を見て、こちらまで元気になってしまった。はしゃぐ子供たちを遠巻きに遠慮がちに眺める別の子供だって、こっちおいでよと声をかければ一緒に遊び…

  • ケミカルでない味

    ブドウ系の缶チューハイは何であんなにケミカルな味がするのだろうと、いつも不思議に思っている。どの商品も、どこか苦いような薬品味を感じてしまう。同じメーカーのレモンやグレープフルーツ、キウイ、パイナップルなど、ほかのフルーツ味は美味しいのに。 ブドウ味ということで言えば、これだ!と言えるワインにも中々巡り合えない。渋みよりも、フルーティな酸味を味わいたいのだけれど、残念ながらそんなワインは一般的には少数派のようだ。 それでも、自分の味覚に合うブドウのお酒を2つほど知っている。どちらも大学時代を過ごした岩手にまつわるお酒だ。 一つは、岩手県の焼き肉・冷麺専門店「ぴょんぴょん舎」にて提供される「岩手…

  • 薬師岳

    北アルプスの薬師岳(2,926m)へ、大学時代の後輩と登頂。薬師岳は、6年前に大学のサークル活動で登ろうとして悪天候で断念した山。今回はそのリベンジ的な登山だった。 当時の山行を思い返すと、パーティーメンバーには辛い思いをさせてしまったと反省するほかない。自分の中でもやもやする気持ちを整理しようと思って、単独で行こうと思った山だったが、ありがたいことに当時のメンバーの一人である後輩が付いてきてくれることになった。彼には本当に感謝したい。 今回は、薬師岳直下にある薬師岳山荘で宿泊するコースにした。6年前の夏は薬師岳山荘よりさらに下にある薬師峠キャンプ場で幕営し、翌日登頂し下山までする予定だった。…

  • トンネル

    僕の毎日の通勤路(通学路?)は、車で片道20分。その7割近くがトンネルだ。しかも高速道路の無料区間と自動車専用道を走っているため、たまに見える景色も味気ない。毎日毎日気が滅入る時間になってしまっている。 そんなトンネル通勤路が、今週いっぱいは工事により夜間通行止めになったようで、帰りが遅くなると迂回を余儀なくされることになった。下道を通ると、10分程度かかり増しになる。 昨晩は用事があったため、下道の旧道を通って家路についた。するとどういうことだろう、車の通りも街灯もあまり無い田舎道が、とても気持ちのいい道路に感じられた。 いつもより時間がかかるかどうかなんてどうでも良くなった。暗闇で景色が見…

  • 自分のテーマ「木工×αでふくしまと自分の未来を見つめる」を検証する。

    木工を始めて半年が経った。これまでの時間は濃密かつあっという間であり、進路選択に後悔は微塵もない。 この節目を期に、改めて自分のテーマである「木工×αでふくしまと自分の未来を見つめる」について考えてみたい。 ①「木工×α」について 木工だけでなく、それに何かを掛け合わせたいと思って考えたフレーズ。当初は「〇〇ができる木工職人」を目指そうと思っていたが、今では「木工もできる〇〇」を目指そうと思っている。 自分自身について、どこかの家具工房やメーカーでモノづくりに勤しむ姿はあまり想像できない。かといって、独立して黙々とモノづくりをする姿もいまいちイメージしづらいことが判明してきた。 しかし、木工を…

  • 焼岳

    本当に久しぶりの登山。実に1年ぶり。北アルプスのお膝元といえる飛騨高山にいながら。 こんなに久しぶりになってしまったのは、趣味の時間を減らし別のことに注力している生活スタイルのせいだが、まあ登山なしでは僕の人生はつまらないものになってしまうだろう。それが改めて分かった1日だった。 今回登ったのは、北アルプス唯一の活火山、焼岳。標高は2,455mながら、日帰りで登れる比較的お手軽な山。 実はこの焼岳、以前から何となく敬遠気味だった。数年前のことだが、北アルプスの3,000m級の山、乗鞍岳に登った時に、乗鞍岳の半ば観光地化された姿にひどくがっかりした。それ以来、日帰り可能な百名山の焼岳も、観光地の…

  • 不意打ちの魔力

    ラジオを聴いていると、稀に自分の好みにどストライクの音楽と運命的な出会いをすることがある。 一方で、音楽配信サービスの「あなたにおすすめのプレイリスト」を聴いていても、期待したほどいい曲を見つけられはしない。この違いはいったい何なのだろうか。 きっと、無意識の状態で聞いた方が、曲の魅力は何倍にもなるのだろうな。いい意味でラジオには好みの音楽配信を期待していない。流れる曲の多くが、基本的にはボール球だと思っているため、たまーに来るストライクに「やられた!」と思ってにやけてしまうのだろう。 しかし、おすすめプレイリストと銘打ってあると、好みの曲ばかりなんだと期待してしまう分、期待外れに陥りやすい。…

  • 福島県人

    最近、自分はどこの人間なのかと思う瞬間がある。 高校まで福島で過ごし、大学で岩手、新卒で長野、そして今年から岐阜。色んな所に住んできた。その中で、やっぱり自分は福島の人間なんだと思うわけだが、果たして今の自分は福島の人間なのか? 自分が福島から離れている間に、地元は大きく変わり続けているようだ。特に目にするのが、自分と同じ年代の人たちがアクションを起こして地域社会を変えていこうとする動きだ。 原発事故直後、もう福島に上がり目はないと思ったこともあったが、そんなことはなく、確実に良い方向へ動き出している。 一方で、自分は福島のために何かしてきたか?そんな責任を背負い込むほど優れた人間でないことは…

  • 木工は手段か目的か

    飛騨高山で木工を始めて5か月が経とうとしている。ここに来てから、様々な出会いがあった。それは人との出会いであり、新たな価値観との出会いだったり。そんな様々な出会いの中で、少しずつ、自分自身を見つめなおしている。 最近よく考えるのは、自分が2年後、3年後にどんなポジションを目指すのかということ。一般的に木工を修めた人が選ぶ進路の多くは、メーカーや家具工房への就職か、独立して木工作家になるかの2択だろう。しかし、その前に、木工を目的とするか手段とするかという2択からスタートする必要があるだろう。 メーカー等への就職と独立して木工作家、家具職人になるという選択肢は、とにかく手を動かしてモノを作りたい…

  • 漫画「エデンの東北」から感じる、「懐かしさ」の正体

    とある漫画をご紹介したい。深谷かほるさんの「エデンの東北」という作品だ。 1970年代の東北の田舎町を舞台に、そこで暮らす4人家族の笑いあり涙ありの日常を描いた、1話完結の物語。はっきりと明言はされてはいないが、舞台は福島県石川町をモデルにしていると思われる。僕の地元だ。 作品中には、「今出川」や「県石(県立石川高校)」「水晶掘り」といった、石川町に関わりのある言葉が出てくる。何より、作者の深谷かほるさんも、石川町の出身だ。 この漫画を読んでこみ上げる感情の最たるものは、「懐かしい」という感情だ。 本来なら、1970年代に生きていなかった僕が、懐かしいだなんて思うはずもないのだが、豊かな自然の…

  • 夏の終わり

    長い長い梅雨が明けた。ここ数年カラ梅雨続きだったのもあって、今年の初夏は洗濯物が乾かず苦労させられた。それでも、夜な夜な近所のコインランドリーに100円握りしめて乾燥だけしに行くのは、嫌いじゃなかった。こういう季節もあるものだ。 さて、梅雨が明けたということは、いよいよ夏本番!であることは間違いないのだけれど、僕は今、 「ああ、今年も夏が終わるなあ…」 と思っている。 僕にとっての夏(というか夏休み)と言えば、ミンミンとセミが鳴く声で目が覚めて、扇風機を付けて、夏の甲子園を見て、夕方になると何となく縁側でボーっとして、夜は遠くから笛と太鼓の音が聞こえてくる、というもの。残念ながら、今年の夏は甲…

  • 森が好きじゃない林業行政マンたち

    森林ジャーナリストの田中淳夫氏のブログはよく拝見しているところであるが、2020年8月3日付の記事が、思わず膝を叩く内容だったので、紹介させていただきつつ、僕の思いを吐露しよう。 タイトルは「林野庁は教育官庁になる、か?」。内容は、林野庁と森林環境教育について。まずは以下のリンク先から一度是非ご覧いただきたい。 ikoma.cocolog-nifty.com この記事の中で、深く共感した個所は、以下の通りだ。 林業現場でも、(潜在的に)森林なんか愛していなくて林業を金づるとしか思っていない人が大半なのだから。 森林ジャーナリストの「思いつき」ブログ 「林野庁は教育官庁になる、か?」 僕は木工を…

  • センスは無い、けれども辞めない

    モノづくりの世界に入って4か月が経った。あっという間に8月になってしまったという印象だ。 この4か月間で、僕は何ができるようになっただろうか。 ・工房で扱う樹種なら大抵見れば判別できるようになった。 ・鑿と鉋の仕込みが出来るようになった。 ・森林、林業、木材に携わる方々と知り合うことができた。 等々・・・ 前職を辞めてこの世界に入ったことで、0から1になったとするなら、今は2~3くらいになれたのだろう。これを2年間で100まで伸ばしたい。 さて、この短いモノづくり生活ではあるが、だんだん分かってきたことがある。それは、自分は結構不器用で、木工のセンスも元々そんなに無いのだろうということだ。セン…

  • クヌギを蹴る

    木工は常に屋内作業。毎日17時に工房での作業が終わると、ひとまず屋外へ空気を吸いに出る。ここ最近はバケツをひっくり返したような雨が続いていたが、今週は少し落ち着いてきた様子。梅雨明けも近いかと期待が膨らむ。 先日、作業終わりに外に出ると、ちょうど雨が上がった時だった。森に囲まれた工房の周りではヒグラシが鳴いていて、いかにも森らしい湿った空気が立ち込めていた。この匂いを嗅ぐたびに思い出すのは、むかしむかしのカブトムシ捕りだ。 小学生の夏休み、夕方になるとジムニーJA11に乗りこんで雑木林に向かう。ほぼ藪みたいな森をかき分け、お決まりのクヌギの木へたどり着く。定番の蜜やライトを使ったトラップはほと…

  • ワークとライフ

    前職時代に思ったこと。それは、完全週休2日制の生き方は自分には合わないということ。 週末になっても、頭の中は常に仕事のことでいっぱいだった。多くの人が日曜の夕方に憂鬱さを覚えることだろうが、僕は土曜の夜から既に憂鬱だった。 こんなにも仕事のことばかり考えてしまうなら、休みなんていらない、というのはさすがに言い過ぎだが、仕事は仕事、休みは休みと割り切って生きることは難しいと分かったのだった。 そもそもワークライフバランスとは、ワーク(仕事)とライフ(人生・生き方)のバランスをとること。それはつまり、ワークとライフは別物であると定義されているということだ。 ワークは辛くしんどいものであるからこそ、…

  • 「昨日スーパー行ったんだっけ」~伝わらない福島弁~

    最近、飛騨高山にいながら福島県人と知り合う機会があり、とても嬉しかった。 ただ、その人に言われたのだが、どうやら僕はあまり福島訛りが無いらしい。思えば大学時代を含めれば福島を離れて9年目になる。福島訛りが抜けるどころか、引っ越し先の方言が身についてしまうくらいになってしまった。 そんなこともあり、地域の伝統と文化を体現している方言や訛りを忘れてしまうのはマズイと危機感を抱いたので、改めて福島弁というものを思い出してみた。 福島弁の特徴は、無アクセントで語尾だけ音が上がるといった具合だ。そのせいか、本人にその気がなくても、怒っているかのように取られることがしばしばある。確かに実家に帰ると、親の説…

  • 地域おこし協力隊という選択肢

    木工で地域おこしができれば、こんなに良いことは無いと常々思っている。 小さいころの夢は、地元石川町の商店街の活性化だった。小学生のころに知った「シャッター通り」という言葉は衝撃だった。自分の生まれ育った地域が寂れていくのは悲しかった。 一方で、モノづくりの力が人にパワーを与えるシーンを、いくつも見聞きしてきた。モノづくりのどこにそんな力があるのか、モノづくりの何がそうさせるのか、はっきりと言語化することは難しい。 それでも何となく、手間暇かけるモノづくりの価値は、これからの社会の中で少しずつ見直されていくのではないかと期待している。今は、木工の技術を身に着けていくのと並行して、それを地域社会に…

  • 充電

    久々に終業後、すぐに帰宅。道具の仕込みに課題の製作、やることはたくさんあるけれども、今日は充電の夜にすることにした。 まずは、崩れかけていた食生活を改善するために、庭のキュウリとナスを収穫し、漬物と揚げびたしを作った。と言っても先週も同じものを作っていたから、改めて言うほどの事ではないのだが。それでも、何度も作るうちに味のクオリティは上がってきた気がして嬉しいし、特に漬物は徐々に理想の味に近づきつつある。今回はニンニクを試しに入れてみた。明日の朝が楽しみだ。あとは本でも読んでゆっくりしよう。 monono-aware.hatenablog.jp さて、ここ最近は、完全オフの日を作らない生活をし…

  • 建具屋親子の共通言語

    小さい頃は実家の工場(こうば)で遊んでいた。横切り機や手押し鉋盤の周りを駆けずり回り、オイルやグリースの差し口を見つけてははしゃいでいた。角ノミ盤で木っ端に穴を空けてもいた。いつも父が近くで見守っていたわけではなく、今思えばけっこう危険なことをしていたと思う。 それでも一度だけ、危ないとしっかり叱られたことを覚えている(実際には何回も叱られていたのだろうが・・・)。小学校に上がる前、手押し鉋盤の起動中に、回転する刃物と上盤の間の空間はどうなっているのだろうと気になって、そこにカンナくずを差し込んでみようとした。 それをたまたま近くで見ていた父に、馬鹿野郎とすさまじい剣幕で叱られ、引っ叩かれた。…

  • 感謝の正拳突き…?

    木工で失敗する原因はたくさんある。気のゆるみ、慢心、過度の緊張など・・・ ここ最近で言えば、ノミ砥ぎに失敗した。 ノミは「裏押し」という作業を行ってから、「鎬(しのぎ)の砥ぎ」に入る。この裏押しという工程が、自分の感覚で割と簡単に、綺麗にできてしまったため、鎬の砥ぎも自分の感覚でバーッとやればいい具合に仕上がると思っていた。よって、職人さんが砥ぐ姿の見よう見まねで、テンポよくシャッシャと砥いでいく。 しかし、自分の思いとは裏腹に、平面を保たねばならないはずの鎬面はどんどん丸くなっていく。最終的には工房のスタッフさんに直してもらった。初心者なのだから、何でも上手くいくわけがないのは分かっていたが…

  • 夏の夕日と漬物

    5月上旬に植えた野菜のうち、キュウリとナスが収穫できるようになった。 キュウリは採るのが遅かった… 生まれも育ちの田舎のくせして野菜を育てたことがほとんど無かった自分でも、今のところ病虫害にかかることもなく、無農薬で何とかできてしまった。釣りのときと同じくビギナーズラックだろうか。 キュウリは漬物、ナスは揚げ浸し、これが一番うまい食べ方だと思っている。夏が終わるまで、食卓と弁当を彩ってもらおう。 特に漬物にはこだわりたい理由がある。 中学時代、野球部の顧問だった先生が、学校の小さな畑で夏野菜を育てていた。今僕がシェアハウスで植えているものと全く同じ、キュウリ、ナス、シシトウ。練習が終わり、日が…

  • コロナで消えた風景

    猪苗代湖の風景の一部と言っていい、白鳥と亀をかたどった遊覧船。 今日、表磐梯、裏磐梯で湖上観光船を運営する「磐梯観光船」が公式ツイッター上で、廃業を発表した。 4月より休業をしておりましたが、営業再開を断念し、本日をもちまして廃業する事となりました。最後にもう一度だけでも、船を走らせたかったのですが叶える事は出来ませんでした。昭和34年の会社設立より長きにわたり 多くのお客様にご乗船いただきまして心より感謝いたします。有難うございました。 pic.twitter.com/oTH8i5f9l8 — 磐梯観光船 (@bandaikankousen) June 15, 2020 知らせを聞いた瞬間か…

  • 木工×針葉樹資源 ③日本の隠された財産

    スギなどの針葉樹資源でモノづくりをすることについて。 monono-aware.hatenablog.jp monono-aware.hatenablog.jp 例えば、「福島県石川郡という地域について」で紹介した、針葉樹資源の町「古殿町」のスギを使って家具や木工品を作れないだろうか、と考えてみたりする。 古殿町の森林面積は82%、人工林率は75%にのぼる。林業・木材産業の衰退が全国的に叫ばれる中、古殿町も決して例外ではない。 林業活性化を目指すとき、生産コストの削減や、需要拡大など、取り組むべき課題はたくさんある。僕は、モノを作ることで針葉樹資源に新たな活路を見出したいと思っている。小泉元総…

  • 木工×針葉樹資源 ②木材利用とまちづくり

    スギなどの針葉樹資源を木工に使うことについて。 monono-aware.hatenablog.jp 今回は、自分が知っている「木工×針葉樹資源×地域づくり」の事例について。 1.studio Jig(奈良県川上村) 節が少なく緻密な年輪が特徴の吉野杉。長野県の天竜杉、三重県の尾鷲檜と合わせて、「日本三大人工美林」のひとつにも数えられる。 その産地の一つ、奈良県川上村で、吉野杉を使った家具作りを通して針葉樹資源の可能性を探っている方がいる。「studio Jig」の平井健太さんだ。 平井さんは、Free Form Laminationという技術を用いて家具作りを行っている。直訳すると、「無形積…

  • 木工×針葉樹資源① 針葉樹を使うということ

    福島県棚倉町の間伐展示林 スギを始めとした針葉樹資源と木工を結び付ける前に、日本における森林資源の現状に少し触れておく。 日本の国土面積は約3,800万ha(1haは100m×100m四方の面積)で、その約7割に相当する2,500万haが森林だ。そのうち約4割が、戦後に植えられた針葉樹人工林である。 1950年ごろから戦後復興の色合いが濃くなり、住宅建築等の木材需要が増えるとともに、石油や天然ガス等の化石燃料へのシフトが始まる。すると、通直で成長の早い針葉樹の需要が高まり、これまで薪や炭などとして有効利用されてきた広葉樹への需要は少しずつ無くなっていく。このような時代背景から推し進められた、広…

  • 福島県石川郡という地域について

    誰もが、自分の価値観や考え方を方向付けるような原体験を持っていることだろう。 僕の場合、原体験のほとんどを、生まれ故郷である福島県石川郡石川町とその周辺地域で経験してきた。この石川郡という地域は、自分の人格形成や進路決定に深く関わっている。 この地域のことを少しだけ紹介したい。 (有り余る熱意による長文注意!) 石川郡は福島県の南東部にあり、石川町、浅川町、古殿町、平田村、玉川村の3町2村で構成されている。中通り地方と浜通り地方を隔てる阿武隈高地のふもとに位置し、いずれの町村も主な基幹産業は農業だ。 各町村は最寄りの都市部(郡山市や白河市)から車で30分~1時間程度の距離にあり、一部は高速道路…

  • 説得力のある登山自粛要請を望む

    2020年4月20日付で日本の山岳4団体(注1)が、山岳スポーツの自粛要請文を共同で出した。それから約1か月が経過。緊急事態宣言の解除を受けて、山岳4団体は改めて山岳スポーツの自粛に関する声明文を発表した。 (以下、山岳4団体からの声明文(2020年5月18日付)) https://www.jma-sangaku.or.jp/information/detail.php?res_id=1589783127-297728 内容を要約すると、 「緊急事態宣言の続いている都道府県での山岳スポーツは、引き続き自粛をお願いします」というものだ。 ただし、5月25日付で、全国的な緊急事態宣言の解除が表明さ…

  • 初めての渓流釣り

    週末に、満を持して渓流釣りデビューをした。 そして釣果はご覧の通り。釣れてしまった。完全にビギナーズラック。 釣り方は、日本古来からの漁法と言われる「テンカラ釣り」にした。竿と糸と、虫を模した毛針の3つだけで釣るシンプルな釣り方だ。 初めはエサ釣りやルアーフィッシングも検討したが、道具や専門用語が複雑すぎてやめた。構造が単純な分、テンカラ釣りは難しいともいわれるが、シンプルで無駄のないデザインや、日本古来からの「食べるための釣り」という点に惹かれた。 ちなみに僕は、スポーツフィッシングというものには全く興味がなく、むしろ自然に対する冒涜くらいに捉えている。針で釣っている以上、本来魚が負うはずの…

  • ダム湖の思い出

    雨の後の晴天で少しムシっとした日曜日に、飛騨高山をドライブした。気分転換というのもあるけれど、一番の目的は渓流釣りポイントの下見だ。 イワナ、ヤマメを釣って、焼いて、食べたい一心で、基本的な道具を一通り揃えた。遊漁券も年券で購入。あとは渓流で竿を出すだけだ。 清流の国・岐阜と呼ばれるだけあって、どこへ行っても水は綺麗だ。高山市の中心を流れる宮川の本流ですら、入って遊べるのではないかというくらい。 ただ、食べるとなれば、護岸された本流の魚より、自然石の転がる源流域の魚を食べてみたいものである。今回はより標高の高い場所へ向かって、川を遡るように車を走らせた。 川幅は次第に狭くなり、静かだった流れは…

  • テーブルを囲む

    今朝は少し早起き。お気に入りの大堀相馬焼の急須でお茶を淹れた。 平日の朝だと、なんだかんだ時間に追われて、ゆっくりお茶やコーヒーを淹れる気になれない。しかし何だ、急須に茶葉を入れて、お湯が沸くのを待つ時間ほど贅沢なものはないかもしれない。 今の季節なら、シェアハウスのキッチンから水を張った田んぼが一面に広がっている。これから秋の収穫まで、季節の移り変わりを教えてくれることだろう。 今朝はキッチンに先客がいた。同居されている方がコーヒーを淹れていた。ゆっくりとドリッパーにお湯を注ぐと、コーヒーの香ばしい香りが広がった。 同じ空間でそれぞれがゆっくり時間を使って飲み物を淹れる。静かで不思議な空間だ…

  • 国家公務員は夢がない…?

    国家公務員の定年延長関連法案が国会で審議入りした。 知識や経験の豊富な高齢職員のスキルの発揮を目的に、2022年4月から2年ごとに1歳定年延長を行い、2030年度には65歳定年になるというもの。また、60歳以降は、管理職からは外され、給与も3割カットになる。 現状、国家公務員には「再任用制度」があり、60歳定年を迎えた職員のうち希望者は職場に採用され残ることができる。この再任用制度がすべての職員に適用されるようなものだろうか。昨日まで上司だった人が同僚や部下になるかもしれないとなると、それはそれでやりにくいな~。 ところで、国家公務員という言葉を見聞きするたび思い出す歌がある。 宇多田ヒカルの…

  • 自給力・自救力

    あらゆるものの自給率を高めていくことの大切さに、多くの人が気付き始めている。 今の時代、食料、電気、ガス、水道も、ある程度安定的に供給される仕組みになっていて、ほとんどの人がその枠組みの中で生きている。僕もその一人。 もちろんこの枠組みがあるからこそ、生活の質や安全性は向上したし、経済的・体力的に不利な人だってある程度一人で生活していくことができる。 一方で僕は、大きな枠組みの危険な側面にも色々な場面で気付かされてきた。その最たる機会が東日本大震災と原発事故だ。 日本はエネルギー資源に乏しく、そのほとんどを海外からの輸入に依存している。これは義務教育の教科書にだって載っていることで、誰だって知…

  • 国民年金保険料の免除申請をした

    少し前の話になるけれど、国民年金保険料の納付免除申請をした話。 日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人は国民年金制度に加入し、毎月保険料を納付する義務があるが、経済的理由により保険料の納付が免除、または猶予される制度になっている。 僕の場合、自己都合退職ではあるが、失業し、収入が減少した(というかゼロになった)ので、免除・猶予の対象となる。 ちなみに免除になるとどうなるかというと、免除期間中は毎月の保険料を納めなくていい代わりに、免除になった期間分、将来の受給額も減額される仕組みになっている。 例えば、20歳から60歳までの40年間フルに納付した人は年間781,700円の年金が受給で…

  • 山笑う

    今日は早めに目が覚めた。雨降りの涼しい朝だ。 昨晩は山菜料理でミニパーティー。 高山に来てからやりたかったことの一つ、山菜採りができてよかった。 山菜が生えている場所は山の中。そして山というのは誰かしらの所有物だから、おいそれと立ち入ることはできない。 今回は知り合いの紹介で、地元の山に詳しい方と知り合うことができ、採取できる場所を教えていただけた。とてもありがたい話だ。おかげ様で約1時間の山歩きで、これでもかというくらいのコシアブラ、ワラビ、ヨモギ、小豆菜を見つけることができた。 ちなみに小豆菜とは、飛騨高山地域で親しまれてきた山野草だ。言われなければ見逃してしまうような見た目だが、これが中…

  • クリでスプーンつくり①~彫刻刀は絶滅危惧種?~

    依然としてStay Homeが続く大型連休。おととい土曜日は暑かったが昨日も中々に暑かった。あたたかな春の陽気はどこへやら・・・ 昨日までの2日間は畑や山仕事に精を出したので、今日は手先を動かしてみよう。というわけでクリでスプーンを作ってみる。 材料のクリ材は、福島県南会津町の「きこりの店オグラ」で昨年買ったもの。すでに持っている金属製のスプーンをモデルにして、持ちやすくてシンプルなデザインを目指す。 そういえば、これからいろいろ作っていくならば、シェアハウスに作業台があるといい。ここは元々田舎の一軒家。周りには廃材が転がっているから、再利用して作ってみよう。 こうして不用品を最大限利用して完…

  • 木を見て、森も見る

    今日は全国的に暑かった。ここ岐阜県高山市も最高気温31度と真夏日を記録した。何日か前はダウンを着て寝ていたというのに・・・住んでる家が寒いだけ? そんな今日は、工房近くの山の整備をした。木工製品を作る者として、材料を産み出す森を無視するわけにはいかないというわけだ。 山の整備と言っても、今回は工房の敷地内の空き地に生い茂っていた雑木や枯死木の処理。生えていたのは主にハンノキ。水気のある土を好む落葉広葉樹だ。樹高にして7~8m、直径にして14cm程度だったので、手鋸で処理した。 何人かのグループに分かれ、追い口、受け口を作って、安全な方向に倒す。玉切りした材は工房の薪として使い、枝葉は山の斜面へ…

  • ジェネラリストよりスペシャリスト寄り

    スペシャリストが特定の分野に精通した専門家であるのに対し、ジェネラリストとは広範な知識や経験を持つ人物のことを指す。3つの分野がある場合、それぞれの分野に対する理解の比重はスペシャリストなら「8:1:1」、ジェネラリストなら「3:3:4」といった具合だろう。 ざっくり言えば「狭く深く」か「広く浅く」ということになる。ただし実際にはこのような極端な2種類には分けられず、この2つの円が混じり合う部分も当然存在するだろう。 僕の人生で言えば、前職時代はジェネラリストだった。そして僕にはジェネラリストとしての生き方は合わなかった。 2年から3年単位で人事異動が行われ、多くの場合、分野の全く違う部署で全…

  • 続・浜通りに原子力の学校ができる!

    先日、東北大学が福島県の沿岸部(浜通り地方)に、廃炉や放射線医学を学べるキャンパスを設置する構想を立てているというニュースを紹介した。 (過去記事はこちら↓) monono-aware.hatenablog.jp この続報が入ってきた。仮称「福島浜通り国際キャンパス」を設置すると正式に公表されたのだ。めでたい! (以下、河北新報オンラインへのリンク先) https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202004/20200428_73018.html キャンパスで学べる分野は、廃炉、放射線医学、ロボット、環境・エネルギー、産業、災害科学の6分野。各分野に教授等が3人~…

  • 休日の夜にゆっくりと聴きたい曲 3選

    新年度が始まってもうすぐ1か月。新しい生活に慣れてきたと同時に、溜まっていた疲れが出てくる時期だろう。せめて休日はゆっくりと過ごしたい・・・そんな夜のお供にぴったりの曲をご紹介。 1.Be Happy / Mary J.Blige (1994年) 「クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル」ことメアリー・J・ブライジの代表曲のひとつ。静かに、しかし力強く迫ってくるこの曲は、聴けば聴くほど染み込んできて癖になる。Life is too short to be tryin' to play some games. Be Happy メアリー・J. ブライジ R&B/ソウル ¥255 provided …

  • ミスは忘れたころに返ってくる

    先週から、僕と同期の何人かで、とある1種類の製品を先輩の指示を仰ぎながら作っている。材料の段階から約2週間で納品というスケジュールの中で、ようやく製品の塗装までこぎつけた。一時は終わるのかと不安になったが、何とかなりそうだ。 もちろん、一つ一つの品質や作業の速さに関しては、先輩方には遠く及ばない。当然失敗も多く、けっこうお叱りを受ける。 特に自分自身、注意しなくてはならないと強く感じたことは、ミスは挽回できるときに挽回しておかないといけないということだ。一つの製品を一貫して担当すると、ミスは巡りめぐって未来の自分に返ってくるということが痛いほどわかった。 例えば、製品のパーツの加工時にできた欠…

  • 優秀な人ほど目立たない

    プロスポーツ界においては、優秀な審判員ほど目立たないと言われている。 彼らは一つの試合の中で下す何十回、何百回というジャッジの中で、一つのミスも許されない。正しくジャッジして当たり前という職業だからだ。 今や世界中のプロスポーツをインターネットを介して視聴できる時代。たった1回でも誤審をしようものならば、その姿は瞬く間に世界中へ配信され、「疑惑の判定」とささやかれ続ける。大舞台の試合ならなおさらだ。審判員の方々のプレッシャーや心労は相当なものだろう。円滑な試合進行に感謝である。 ところで、優秀な人ほど目立たないというのは、様々な世界に当てはまることだと思う。 というよりも、数少ない失敗ばかり取…

  • 建築は芸術だ!

    現在住んでいるシェアハウスには、自分と同じ工房で修行をしている同期がいる。 彼は大学で建築を学び、木工の世界へやってきた。将来的には、建築家やデザイナーと組んで仕事が出来ればいいなと語ってくれた。 ちなみに僕にとって建築とは、難解な世界というイメージ。というのも、大学で僕は木材の物理的性質や木造住宅について研究をしていたのだが、日々木材の耐久試験と物理計算に追われ、物理学が大の苦手な僕にとってそれは苦行でしかなかったからだ。 (少し脱線するが、ではなぜそんな道を選んだのかというと、森を理解し、その魅力を多くの人に伝えていくためには、森の恵みの最たるものである木材のことを理解しないことには始まら…

  • 退職してから変わったこと

    前職を退職してから2週間が経ち、少しずつ自分の生活リズムが出来つつある。 新生活のドタバタもほぼ落ち着き、いくらか心にも余裕が出てきた。 今回は現時点で感じている心や体の変化をまとめてみた。 ①睡眠の質が良くなった 前職のデスクワーク生活と比較して、モノづくりの生活はハードだ。基本的に立ちっぱなしの作業で、座るのは昼食時のみ。木工の世界ではこれが普通なのだが、運動不足でなまった体にはなかなか堪える。おかげで帰宅後、横になれば即、眠りに落ちる。そして朝まで目が覚めることはない。 思えば、前職時代はパソコンとにらめっこしてばかりで眼だけが疲れて体は疲れない生活だったため、はっきり言って眠りの質は悪…

  • ついに浜通りに原子力の学校ができそう

    福島に、待望の学び舎誕生なるか。 東北大学が、浜通りに廃炉や放射線、防災について学べるキャンパスを設置するかもしれないという。 (NHKニュースリンク↓) https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20200410/6050009738.html 以前、「浜通りに原子力の学校を!」という記事を書いた。いつか出来たらいいなと思っていたが、話は水面下で進んでいたようだ。 monono-aware.hatenablog.jp キャンパスは構想段階だが、寄宿舎や研究のための宿泊施設、病院も設置したいとのことで、研究者や学生が集中して研究に取り組むことが出来る環境が整…

  • 職人の手

    木工機械の使い方を教わるときは、教えてくださる先輩の手元を見る。もちろん、機械に対する体や刃物の位置関係、木材の挙動など、見なくてはならない物はたくさんあるが、最終的に目が行くのは「手」だ。 1週間前、木工を始めたとき、僕の手には傷がなく、柔らかい「綺麗な手」だった。そんな手が木工作業に耐えられるはずもなく、今では内出血や切り傷ができ、全体的に赤くなり、皮が剥けていたりする。 一方、先輩方の手は硬く、重厚感がある。僕たちが扱う木材は、ささくれ立っている、トゲの塊のような材料だ。木工機械への巻き込まれの恐れがあるため、手袋は着用しないし、手の平は敏感かつ優秀なセンサーであるため、素手で触れること…

  • 木工生活7日目(割としっかり叱られる)

    木工生活を始めて1週間が経った。今日は初めてしっかりとお叱りをいただいた。叱られたことをブログに書くだなんて子供か!?と思われそうだが、この経験はとても大事なことので備忘録として書いておこうと思う。内容はずばり安全関係だ。 木工機械で製品の部材となる木材を切断中に、あわや骨折、運が悪ければ指が飛びかねない作業をしてしまったのだ。ここ半年は碌に運動していなかったため、体もなまっていたようだ。やや筋力を使う作業だったのに加え、時間帯は午後3時前。小休憩を控えていたこともあって、集中力が途切れていた。 すると、一瞬手が緩んだ瞬間に、木材に入る刃の角度が変わってしまった。問題はこの後。ヤバい!と思って…

  • 山菜採りに行けなくなるということ

    格安データSIM+ルーターの組み合わせで、良心的な値段でインターネットを楽しめるようになった。値段もそうだが、山間部で繋がらないポケットWiFiと比較して、スマホの電波が届くところならどこでも繋がるのが利点だ。今回は、ネットやスマホとは無縁だった実家にインターネットを持ち込んだ時の話。 僕の父は、同じ町内の、今の場所とは別の山間部で生まれ育った。今の場所に移り、僕が生まれてからも、たびたび山菜やキノコ採りに行っていた。 (父の、僕のルーツについてはこちら↓) monono-aware.hatenablog.jp そんな我が家も、原発事故以来、山菜取りには行けなくなった。事故直後だけではない。当…

  • 木工生活2日目(実質初日)

    昨日4月3日は、実際に現場に入ってのモノづくり。同じ作業を何百回、何千回と繰り返す。 人によってはつまらない、面白くないと感じるかもしれない。実際、思い描いていたモノづくり生活ではないという理由で辞めていく人も多い。ただ、それは面接などいろんなところで説明されているし、木工を勉強できる場所はほかにもたくさんある。 しかし、僕は辞めない。森林や林業の大切さ、木材を利用することの重要性なら、もう十分学んだ。今の自分に必要なのは、能書きに説得力を持たせるための技術と経験だと思っている。 ある職員の方は、ここでの修業は、毎日素振りをすることだとおっしゃった。プロ野球選手になるという夢に向け、毎日自分を…

  • 木工生活1日目(オリエンテーション)

    今日から木工の勉強スタートだ。果たして2年後にどんな自分になっているか、楽しみだ。 といっても今日は主にオリエンテーション。自己紹介や今後の流れや必要な道具の確認などを行った。 そして明日からは、もう本番。手と頭をフル回転させて、思いっきり頑張ろう。 同期の方々は年齢もバックグラウンドも様々。共通しているのは、みんな本気でモノ作りがしたいということ。たくさんの価値観を吸収できそうだ。同期の一人が自己紹介で、2年後も全員で笑って卒業できるよう頑張りましょうと言っていた。まだ会って数時間だが、ここにいるみんなでやり遂げたいと僕も強く思う。 入校式では、目指す自分から逆算して、今の自分にできること、…

  • 木工職人0年生

    令和2年3月31日をもって、新卒から4年間務めた職場を退職し、岐阜県高山市に木工修行にやってきました。プロフィールには木工職人(見習い)と書いておきながら、実際は見習いのスタートラインにも立っていなかったということ。詐欺みたいなものだな。 公務員から職人へ。明日4月2日は早速修行の1日目。なのに頭の切り替えが全くできていない…30日、31日と手厚い送別会(組織的な会ではなく、個人的なやつです。念のため)があり、若干睡眠不足。正しい文章が書けているか不安です。 シェアハウスの部屋は引っ越し荷物で散らかったまま。年金や健康保険の切り替え手続きもできていない。もう少し、旧生活と新生活のバッファーゾー…

  • 福島の桜を見る会

    桜を見る会が悪い意味で世間を賑わしているのを見てふと思った。僕は、福島の桜を何年見ていないのだろう。 高校を卒業し、岩手の大学に行ったのは今から8年前。ああ、8年間も福島の桜を見ていないのか…思えば、桜の季節に帰省できる機会は少なかった。 児童館の庭にも、小中学校の校庭にも、高校にだって桜の木はあった。地元石川町は桜が有名で、あまり見に行けたことはないけれど、今出川という川沿いの桜並木はそれは見事なものであった。 当たり前のように、自分の身の回りにあった日本の風景。福島を離れてからも見る機会はたくさんあったが、やっぱり地元の桜も見たいと思う。 一生に一度は見てみたいと思う桜がある。石川町の隣、…

  • 地域の林業・木材産業に感謝

    退職まであと5日。今日はたくさんの林業・木材産業関係者が集まる会議に出席してきた。お世話になった方々に一言挨拶したいと思っていたところだったのでちょうどよかった。 公務員を退職し、家業の建具屋を継ぐことを打ち明けると、ありがたいことにたくさんの労いの言葉を頂いた。 かつては林業もきつい・汚い・危険の3K産業と呼ばれることもあっただろうか。しかし、この地域の事業体は皆輝いている。林野庁がスマート林業を掲げる前から、林業という業界の改革に取り組んできているほか、レーザーセンシングやIoTを駆使した林業経営を実践し始めている。 発注者と受注者という間柄であるがゆえに、公務員は事業体に対し高圧的になり…

  • 日本語の美しさを感じるDREAMS COME TRUEの曲3選

    DREAMS COME TRUEは、ボーカルの吉田美和とベースの中村正人からなる、日本を代表するバンドだ。 代表曲の「未来予想図Ⅱ」や「何度でも」は、誰しも一度は耳にしたことがある人気曲。でもその他にも、素晴らしい曲がたくさんある。 特に僕は、吉田美和のいかにも日本らしい作詞が好きだ。 そんな、日本語の美しさを感じさせてくれるドリカムの曲を3曲紹介しよう。 1.あの夏の花火 1992年発売のアルバム「The Swinging Star」に収録された曲。 優れた俳句の条件の一つに、情景がすぐに思い浮かぶ、というのがある。同じ条件で言えば、「あの夏の花火」とは、名句である。 明るいメロディーのAメ…

  • 4畳半で満たされた大学時代

    退職まであと1週間。退去へ向けて部屋の掃除をしていると思い出すのが、大学時代に住んでいた学生寮だ。 その寮は9畳の2人部屋を、4畳半の1人部屋に改築したもので、設備は机、トイレ、ベッド、ガスヒーター、ミニキッチン、洗面台。風呂は共用。入寮した日はその狭さにびっくりした。 しかし、住めば都とはよく言ったもので、手を伸ばせばあらゆる場所に手が届くそのコンパクトさが気に入った。掃除もしやすく、暖房もすぐに効く。寮の友達も、狭さに文句を言う者はあまりおらず、むしろその狭さの中でどれだけ快適な部屋を作れるかを工夫していた。 一時期寮の中で流行ったのが、ベッドを解体してラグとコタツを置けるスペースを作ると…

  • 被災地との適切な距離感を保って、近づいてみる。

    昨日に引き続き、相馬双葉地域を訪れた感想など。 避難指示解除で、ようやく復興のスタートラインに立てた相馬双葉地域。 被災地内で被害の大きさを比べてしまうのは不謹慎かもしれないが、自信と津波の被害に加え、原子力災害のあった地域は、正直言って被害のレベルが違う。 僕は石川郡から川内村を抜け、常磐自動車道「常磐富岡IC」へ向かった。付近で信号待ちをしていた時に道路標識で見かけたのは「夜ノ森駅」の文字。2020年3月10日に避難指示が解除された場所だ。 せっかくだから、見に行ってみようと思って、常磐富岡IC入り口を通り抜け、夜ノ森駅へ向かった。先行する一般車両もいたし、大丈夫だろうと思っていた。よく晴…

  • 安全だから避難指示解除している

    以下の文章は、避難指示が解除された地域の放射線量は十分安全な値である、ということを、僕の主観で書いたものである。 断っておくと、放射線の健康被害に関するデータの蓄積はまだまだ十分でなく、数少ない前例から推定するしかないのが現状である。 しかし、僕自身は、現時点で示されているデータはある程度信用してもいいと思っているし、それを基にして前へ進むことが、人類が問題を解決する方法だと思っている。「巨人の肩の上に立つ」ということだ。 被災地は、解決方法のない問題に直面しているという現実を、まずは理解していただきたい。 本題に入ると、本当に当たり前のことなのだが、放射線量が基準値まで下がったから、避難指示…

  • 福島にいない、という機会損失

    相馬・双葉地域を訪ねてみた。ほかにも、両親から福島の現状について聞いたりして、新たな発見があった。というか、発見が多すぎて少々混乱している。福島や原発に関する光と闇みたいなのもいろいろ分かったし。 とりあえず、自分の中で確信できたことは「福島にいないこと自体が、重大な機会損失になっている」ということだ。 いくら情報通信技術が発達しても、福島県外で得られる情報には限りがある。そもそもマスメディアが伝える情報は、だいぶ加工されているし、真実と嘘が入り混じった質の悪いニュースが溢れかえっているのが現状だ。そんな状況で、真実を伝えるニュースは少数派になり、かえって怪しいと思われてしまうのがオチだ。いつ…

  • 相双地域へ行ってみる

    今日から福島に来ている。 短い期間ではあるが、より福島のことを知ってから、岐阜へ向かおうと思う。 福島県には59の市町村があるが、まだ行ったことがない市町村も多い。 自分の中で、「行ったことがある市町村」とは、次のいずれかに当てはまる市町村である。 1)観光をしたことがある(例えば登山も含む) 2)イベントに参加したことがある 3)チェーン店以外で、買い物をしたことがある つまり、通過しただけでは行ったことにはしていない。 「あそこの〇〇という店は美味い」とか「あそこの△△という場所はとてもきれい」とか、自分の実体験をもとにその市町村について語れるかどうかが基準だ。 この基準で言えば、行ったこ…

  • サラダボウルではなく、るつぼ

    今の職場(行政)は、完全週休2日制。一般的にみれば、だれもが羨む好待遇だろう。 有休を取りやすい環境だったこともあって、僕も初めのうちは大いに利用し、満喫させてもらった。 しかし、入って2年目、3年目になり、大きな仕事が任せられるようになるにつれて、だんだんありがたみが薄れてきた。休日になっても、仕事のことが気になって頭から離れないのである。 一般的に休日とは、仕事のことを忘れて思いっきりリフレッシュする時間のことを指すだろう。しかし、自分には、仕事とプライベートをはっきりと分けることは出来なかった。 金曜の夜が唯一気が休まる瞬間で、日曜日はもちろん土曜日でさえ、仕事のやり残しが気になって、月…

  • コールドスリープできない

    手塚治虫の漫画「ブラック・ジャック」に、不治の病を治すために、治療法が見つかるまでコールドスリープする話がある。 現代の医療で治せなくても、未来になら治療法があるかもしれない。ブラック・ジャックは、不治の病に侵されたカップルにコールドスリープを提案し、二人は幸せに暮らせる日を夢見て一緒に眠りにつくという話だ。 さて、現代のコールドスリープは感動の物語とはいかないようだ。 日本では現在、9基の原発が稼働している。そしてそこからは、使用済み核燃料がドンドン生まれている。 コンパクトな燃料からなんの代償もなしに莫大なエネルギーを取り出せるなんて、そんな虫のいい話はないのだ。 そしてこの使用済み核燃料…

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