【回想譚】捨て猫を拾った小学生の頃の話【懺悔室】
――僕と少年M ――捨て猫を拾ったのは、二匹の未熟な迷い猫だった ――その後 ――僕と少年M 小学校低学年の年端もいかぬ頃の僕に、Mという仲の良い友人がいました。 Mは学校の勉強はからっきしダメなのですが、昆虫や動植物に対しての知識は大人顔負けで、とにかく半端ではなく、またそれらに対してひとかたならぬ「愛」を持っている少年でした。 クラスに一人はいたと思います。勉強は苦手なのに、47都道府県すべて覚えていたり、国旗にめちゃくちゃ精通している児童。Mはそのタイプの男でした。 Mも僕も、割と放任な家庭で育てられた子供だったせいか、非常に気が合いました。 ある日の放課後のことです。Mが僕の所へ駆け寄…
2020/02/28 00:00