3-17.古見のクミ姫(第三稿)
古見(くみ)(小湊)に着いたサスカサ(島添大里ヌル)たちは驚かされた。 サスカサたちを迎えた古見ヌルはマキという七歳の娘を連れていて、マキの父親は本部(むとぅぶ)のテーラー(瀬底大主)だと言った。 七年前に奄美大島(あまみうふしま)平定のために湧川大主(わくがーうふぬし)(攀安知の弟)と一緒に来たテーラーと結ばれて、ようやく跡継ぎに恵まれたのだという。「あたしに妹がいたのね」と瀬底(しーく)若ヌルはマキの手を取って喜んだ。「テーラー様は山北王(さんほくおう)(攀安知)の重臣でしたが、中山王(ちゅうざんおう)(思紹)に寝返ったのですか」と古見ヌルは瀬底若ヌルを見ながらサスカサに聞いた。「寝返らす…
2022/12/25 11:00