『結婚の奴』能町みね子|同調できたのは、心の奥底でこんな気持ちを持っているからなのかも
『結婚の奴』能町みね子 文藝春秋[文春文庫] 2025.06.24読了 結婚の「奴」ってなんだろう?奴とつけるということは、結婚のせいでなんか嫌な目にあったのだろうか。いやいや、そういうわけではなかった。そもそも能町さんは「結婚」という共有され過ぎた言葉を、世間で使われがちな意味合いとは違うやり方で、いってみれば結婚プロジェクトを進めたのだ。 以前交通新聞社が刊行した『鉄道小説』というアンソロジー本の中に能町みね子さんの短編小説があったから、これもてっきり小説かと思っていた。この本は、ほぼ現実にあったことを多少誇張して伝えているエッセイのようなものだ。もはや語りを聴いているように心地良くするす…
2025/07/07 07:43