工匠文化論:火知りと日知り
貨幣や政治のシステム、そして文字によるリテラシー、宗教に至るまで、従来の国家と民族中心の歴史観は、いわゆるウェストファリア条約から、1750年代に始まり二度の大戦へと200年弱続く「長すぎる19世紀」において構築されたものである。この間は、王権や宗教権力によって抑圧されていた商工階級が文字による歴史や文学を主導し、迷信に染まっていた信仰と理知的な科学を分離し、民主主義や資本主義経済の様々なシステムを考案した時代であるとされる。 そして、ヨーロッパ諸国が全世界への海洋へと進出し、植民地や博物学的な研究をも独占した。宣教活動によって普及した「紀元」は、地質学・考古学・物理学の進展により、キリスト教…
2020/09/24 01:08